更新日: 2022.08.16 年金

国民年金保険が「任意加入」だったころがあるって本当?受給額への影響は?

国民年金保険が「任意加入」だったころがあるって本当?受給額への影響は?
現在では加入が義務付けられている国民年金保険ですが、かつて任意加入だった時代がありました。
 
国民年金の受給権を得るためには「受給資格期間」が規定年数以上なくてはなりませんが、任意加入の時代に国民年金保険に加入していなかったために、今の制度下では年金が受け取れない人が出てきました。
 
そのため受給資格期間に任意加入の時期に加入していなかった期間も含めることとし、受給できない人を救済することになりました。
 
FINANCIAL FIELD編集部

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かつての国民年金保険は全員加入ではなかった

国民年金制度が始まったのは1961(昭和36)年のことです。それまでは企業の従業員が加入する厚生年金や、公務員が加入する共済年金などの「被用者年金」だけでした。そこで、国民皆年金制度として「国民年金保険」が作られ、自営業の人たちも年金制度に組み入れられることになりました。
 
一方、被用者年金加入者の配偶者、被用者年金の受給権者や受給資格を満たした人とその配偶者、学生、国会や地方議会の議員とその配偶者など、加入義務のない人が多くいました。
 
また、国民年金保険から任意脱退した人や外国籍のために年金加入から除外された人もいて、国民年金保険は必ずしも国民全体を完璧に網羅した年金ではありませんでした。
 

任意加入していなかった人が「無年金」に

年金制度は時代に合わせて変更され、国民全員が強制的に加入となる現在の国民年金保険の形が出来上がりました。ところが1986(昭和61)年4月以降、会社員の配偶者が第3号被保険者として国民年金保険に強制加入させられるようなったことで、その中から年金の受給要件を満たさない人たちが出てきました。
 
年金の受給要件は「年金保険料の納付期間」(受給資格期間)が規定年数以上なければなりませんが、特に、厚生年金保険などの被用者年金に加入していた人の配偶者には、任意加入の時期に未加入だったために年数不足になった人が多かったのです。
 
そこで「任意加入の時期に未加入だった期間」を「合算対象期間」として、「年金に加入し保険料を納付していた期間と見なして受給資格期間に加える」という策が編み出されました。さらに2017(平成29)年には、受給資格期間が「25年以上」から「10年以上」と短縮され、年金を受け取れない人を減らす救済策が講じられたのです。
 

受給資格期間に算入されても年金額は増えない

「任意加入の時期の未加入期間」は受給資格期間に加えられることになりましたが、保険料が納付されていたわけではありません。ですので、合算対象期間については「保険料納付済み期間として数には加えるが、年金支給額の計算には含めない」ということになっています。
 
要するに「受給資格を満たすための年数のかさ増しであって、年金支給額までは増えない」ということです。このことから合算対象期間は「カラ期間」ともいわれています。仮に受給資格期間が同じ人同士であっても、合算対象期間が長い人の方が受け取れる年金額は少なくなります。
 

この先も年金制度の変更はあり得る

国民年金制度は時代と共に変更されてきました。無年金者を減らすための救済措置が講じられる一方で、年金支給額は年々引き下げられています。
 
今の日本の年金制度は高齢化による受給者の増加と、若者世代の減少による保険料納付者の減少で制度の維持が難しくなっていて、制度維持のための変更はこれからもあるでしょう。この先、年金制度の行方をしっかり見守る必要がありそうです。
 

出典

日本年金機構 合算対象期間
厚生労働省 公的年金制度の歩みとこれまでの主な制度改正
日本年金機構 年金制度改正等について
日本年金機構 必要な資格期間が25年から10年に短縮されました
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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