共働きで夫婦の収入が同等。夫が死亡した場合の遺族年金はどうなる?
配信日: 2022.08.24
結論からいえば、夫婦共働き・収入が同等だったとしても遺族年金の受け取りは可能です。ただし、一定の条件に該当する必要があるため、事前に内容を確認しておくとスムーズでしょう。
そこで当記事では、夫が死亡した際に遺族厚生年金・遺族基礎年金をもらえる条件、具体的な年金額について詳しく解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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夫が死亡した場合に妻が遺族年金をもらえる条件
夫が死亡した場合に妻がもらえる遺族年金は「遺族厚生年金」「遺族基礎年金」の2種類です。「配偶者である夫が死亡したのなら必ず遺族年金をもらえるだろう」と思うかもしれませんが、いずれも遺族年金をもらうための条件を定めているので注意してください。
こちらでは、遺族厚生年金と遺族基礎年金それぞれの受給条件について解説します。
遺族厚生年金の条件
死亡した夫が生計を維持していた世帯なら、共働きでも妻が遺族厚生年金を受け取れる可能性が高いです。また、図表1のように妻の年齢と子どもの有無によって受給期間が異なる点にも注意してください。
【図表1】
妻の年齢 | 受給期間 |
---|---|
30歳以上 | 一生涯 |
30歳未満 | 子どもがいる場合:一生涯 子どもがいない場合:5年間 |
出典:日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」より筆者作成
ただし、夫婦共働きで妻の年収が850万円以上の場合、遺族厚生年金・遺族基礎年金の受給条件に該当しません。これは日本年金機構で「生計を維持されている状態」について、原則として以下の2点いずれも満たすことを条件としているからです。
生計が同じである
受け取る側の年収が850万円未満、もしくは所得655万円5000円未満
遺族基礎年金の条件
遺族基礎年金を受給する条件となるのが、死亡した夫によって生計を維持されていたのか、子どものいる配偶者かどうかです。生計を維持されている状態とは、生計が同じなのか、収入要件を満たしているのかの2点で判断されます。
遺族基礎年金を受給するための条件を以下の図表2でまとめました。
【図表2】
受給対象者 | 子ども |
---|---|
妻 | いる:受給可能 いない:受給不可 |
※子どもとは18歳になった年度の3月31日までにある、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある方を指す
出典:日本年金機構「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」より筆者作成
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遺族厚生年金・遺族基礎年金の年金額
遺族厚生年金・遺族基礎年金の年金額について、日本年金機構は図表3のように伝えています。
【図表3】
年金の種類 | 受け取れる年金額 |
---|---|
遺族厚生年金 | 死亡した夫の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3
報酬比例部分:平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月までの加入期間(月数)+平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以後の加入期間(月数) |
遺族基礎年金 | 子どものいる妻が受け取る場合:77万7800円+子の加算額
※加算額は1人目および2人目の場合は各22万3800円、3人目以降の子の場合は各7万4600円 |
出典:日本年金機構「遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)」「遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)」「は行 報酬比例部分」より筆者作成
遺族厚生年金の平均標準報酬月額とは、2003年3月までの加入期間について標準報酬月額の総額を平成15年3月以前の加入期間で割った額です。
平均標準報酬額とは、2003年4月以降の加入期間について、標準報酬月額に標準賞与額を加算した総額を2003年4月以降の加入期間で割った額です。平均的な給与が高い人ほど、受給できる額が高くなります。
万が一に備えて遺族年金以外の対策も検討しよう
夫が死亡した場合、夫婦とも稼ぎ・収入が同等だったとしても遺族厚生年金・遺族基礎年金を受け取れます。
ただし、生計が同じである、受け取る妻の年収が850万円未満、もしくは所得655万円5000円未満という条件に該当しないと受給が難しいです。その他にも子どもがいるかいないかによっても受給条件は異なるので、間違った解釈をしないように事前に正しい知識を得ておきましょう。
遺族年金は配偶者の万が一のことが起こったときに心強い制度です。しかし、遺族年金だけのみに頼るのではなく、生命保険に加入しておく、投資で資産を増やすといった対策も可能な範囲内で行っていくようにしてみてください。
出典
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 さ行 生計維持
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 は行 報酬比例部分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部