更新日: 2022.08.27 国民年金

国民年金の「学生納付特例制度」と「納付猶予制度」、どんな違いがあるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

国民年金の「学生納付特例制度」と「納付猶予制度」、どんな違いがあるの?
日本に住んでいる人は20歳になったら国民年金に加入しなければなりません。
 
しかし、年齢が若い間は経済的に生活に余裕がなく、国民年金保険料を納めることが難しい場合もあるでしょう。そのような人に向けて、国民年金には保険料の納付が猶予される制度があります。
 
この記事では、若い人の国民年金の保険料の納付が猶予される納付猶予制度 と学生納付特例制度の特徴について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

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学生納付特例制度とは

学生を対象に保険料の納付を猶予する特例制度です。申請すると、在学している間の保険料の納付が猶予されます。
 
そもそも国民年金に加入しなければならない20歳を迎えるタイミングは、人によって社会人になっている場合もあれば、学生の場合もあります。
 
しかし、どちらの立場でも国民年金への加入はルールであり、同じ金額の保険料を納めなければなりません。
 
そこで、保険料を納めることが難しい学生を助ける制度として、学生納付特例制度が設けられました。
 
ちなみに学生とは、大学院や大学、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校に在学している人です。
 
そのほか、卒業までの期間が1年以上の課程に籍を置いている各種学校の学生や、国から指定を受けている、海外大学の日本分校に通う学生も対象となっています。
 
昼間に通う学校だけではなく、夜間に通う学校の学生、定時制課程や通信課程を受けている学生も制度を利用可能です。
 
また、学生納付特例制度には所得基準があります。前年の所得が「128万円(2020度以前についての申請は118万円)+扶養親族などの数×38万円+社会保険料控除など」以下でなければ制度を利用できません。
 
ただし、所得の審査対象は申請者本人のみです。家族の所得は制度を利用できるかどうかの判断に関わりません。
 
制度を利用したい場合には、住んでいる市区町村役場や近くにある年金事務所などへ申請書類の提出が必要です。
 

納付猶予制度とは

国民年金の保険料の納付が難しい、学生以外の若者のために設けられた制度です。もともとは30歳未満の人のために設けられた制度でしたが、2014年の法律改正により2016年7月以降は、対象年齢が50歳未満に変更されています。
 
前年の所得が「(扶養親族などの数+1)×35万円+32万円」以下であることが、制度を利用するための条件です。
 
所得の審査対象となるのは、第 1 号被保険者となる本人と配偶者のみで、世帯主は審査の対象とされていないため、例えば、世帯主となっている親が条件を超える所得を得ている場合でも、本人が条件の所得以下であれば制度を利用できます。
 
一方、結婚している場合には、配偶者の所得次第で制度を利用できなくなることもあるため、気を付けなければなりません。制度を利用したい場合には、住んでいる市区町村役場などに申請書の提出が必要です。
 

納付猶予制度と学生納付特例制度の違いは立場や年齢、所得基準! 利用したいなら条件の確認を

納付猶予制度と学生納付特例制度では、学生であるかどうかや利用できる年齢、所得基準に違いがあります。
 
いずれの制度も条件を満たしている人であれば、申請により、国民年金保険料の納付が猶予されます。保険料を納めることが経済的に難しい人は、制度の利用を検討してみるとよいでしょう。
 

出典

厚生労働省 国民年金ってホントに必要なの!講座
日本年金機構 20歳到達時の国民年金の手続き
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
厚生労働省 紙上Live講義 ~保険料・免除(2)~
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
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