更新日: 2022.08.31 その他年金

フリーランスや自営業の退職金代わりにも! 国民年金基金ってなに?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

フリーランスや自営業の退職金代わりにも! 国民年金基金ってなに?
フリーランスや自営業など、国民年金の第1号被保険者の場合、会社員などの第2号被保険者と違い、将来受け取れる年金額が少なくなります。
 
「体が動く限りは一生働きたい」と思っていたとしても、いつ何が起きるか分からない以上、備えるに越したことはありません。
 
今回は備えるために使える制度の1つとして、国民年金基金について詳しく解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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国民年金基金とは

最初に、国民年金基金について基本的な部分を解説しましょう。
 

老齢基礎年金の上乗せ分として使える

国民年金基金とは、老齢基礎年金の上乗せ分として使える、公的な制度の1つです。
 
フリーランスや自営業の場合は、国民年金の第1号被保険者となりますが、会社員などの第2号被保険者とは違い、老齢厚生年金や企業年金による上乗せがありません。
 
【図表1】


出典:国民年金基金「国民年金制度とは?」より引用
 
将来的に受け取れる年金が少なくなるため、上乗せ分として利用できる制度として、国民年金基金が設けられました。
 

7つのタイプから組み合わせて加入する

国民年金基金に加入する際は、年金額や給付の型を自分で選択し、口数を決めて加入します。加入する口数が多ければ多いほど、将来受け取れる年金額が高くなる仕組みです。
 
なお、給付の型には終身年金A型・B型、確定年金I型・II型・III型・IV型・V型があります。
 
【図表2】


 
【図表3】

出典:国民年金基金「給付の種類」
 
1口目は終身年金A型・B型のいずれかを選択しなくてはいけませんが、2口目以降はどの型を選んでも構いません。
 

掛け金は年齢と性別で異なるので注意

なお、掛け金および受け取れる年金の額(年金月額基本額)は、年齢と性別で異なります。詳しい掛け金は、国民年金基金の公式Webサイトから確認できるので試してみましょう。
 
例えば30代男性の場合、図表4のようになります。
 
【図表4】


出典:国民年金基金「掛金月額表」
 

加入できる人の条件

国民年金基金に加入できるのは、以下の条件に当てはまる人です。
 

・20歳以上60歳未満の自営業者とその家族、自由業、学生などの国民年金の第1号被保険者
・60歳以上65歳未満で、国民年金に任意加入している人
・海外に住んでいる人で国民年金に任意加入している人

 
なお、国民年金の第1号被保険者であっても、保険料を免除(一部免除、学生納付特例、納付猶予を含む)されている場合は加入できません。
 

加入の方法

加入の流れですが、国民年金基金のWebサイトから、加入申込書を含めた資料一式を取り寄せます。
 
必要事項を記入して提出し、問題なければ登録できる流れです。原則として加入の2ヶ月後から引き落としが始まります。
 

国民年金基金のメリット

国民年金基金に加入するメリットについても、詳しく解説します。
 

税制上の優遇が受けられる

国民年金基金の掛け金は税額上、所得控除の対象となります。
 
所得税の計算にあたり、1年間に支払った掛け金の全額が社会保険控除の対象となるため、結果として、所得税や住民税が軽減される流れです。
 

一生涯受け取れる

国民年金基金に加入する際、1口目は必ず終身年金になります。亡くなるまで受け取れるので、長生きリスクにも備えられるのが強みです。
 

口数の増減が可能

国民年金基金は、加入時に将来受け取れる年金の額が確定します。足りないと思ったら、60歳になるまでであれば、追加で加入することも可能です。
 
また、何らかの事情で払い続けられない場合は、2口目以降を口数単位で減らすことができます。
 
ただし、1口目は払い続けなくてはいけない=任意脱退が不可である点には注意しましょう。
 

万が一のときは遺族一時金が支給される

国民年金基金のうち、B型以外には保証期間がついています。仮に、加入者に万が一のことが起きた場合は、遺族が一時金を受け取ることが可能です。
 
なお「いつ亡くなったか」によって扱いは多少異なります。
 

・年金受給後保証期間中に亡くなった→残りの期間に応じて一時金が遺族に支給される
・年金受給前に亡くなった→死亡時年齢および死亡時までの掛金支払期間に応じて、一時金が遺族に支給される

 
B型に加入していた場合でも、年金の受給前に万が一のことが起きた場合、一時金として1万円が遺族に支給される流れです。
 

多様な働き方ができるからこそ、しっかりと備えを

昨今は、起業したり、フリーランスとして働いたりなど「会社員ではない働き方」をする人も増えています。
 
自分のやりたいことを追求したり、家族との時間や自分の趣味を大切にしたりなど、自分の希望に合った働き方ができるのは大きな魅力です。
 
その一方で、老後の保障という意味では、会社員よりはやや弱い部分もあります。今回紹介した国民年金基金も活用し、しっかりと備えましょう。
 

出典

国民年金基金連合会 国民年金基金制度とは?
国民年金基金連合会 ご加入の流れ
国民年金基金連合会 給付の種類
国民年金基金連合会 よくあるご質問(掛金納付に関して)
国民年金基金連合会 加入条件・資格
国民年金基金連合会 掛金月額表
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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