更新日: 2022.08.31 その他年金

「ねんきんネット」とは? 登録すると何ができるの?

「ねんきんネット」とは? 登録すると何ができるの?
「老後、今と同じような生活レベルで暮らせるだろうか」「自分は年金はしっかりもらえるのか」など不安を感じたとき、自分が将来もらえる年金額がいくらなのかを調べるツールとして「ねんきんネット」があります。ねんきんネットを使うと、自分の年金記録を基に、将来受け取ることができる年金額をシミュレーションすることができます。
 
本記事では、ねんきんネットの基本的な機能や登録方法について分かりやすく解説します。まだ利用したことがない場合は、この機会に登録を検討してみてください。
勝川みゆき

執筆者:勝川みゆき(かつかわ みゆき)

ファイナンシャルプランナー2級・AFP

「ねんきんネット」って何?

「ねんきんネット」とは、年金加入者や受給者が自分の年金記録をインターネット上で確認できるサービスです。
 

利用者数増加

「ねんきんネット」は2011年2月にスタートし、利用者は増加傾向にあります。マイナポータル経由でも「ねんきんネット」を利用できるようになったこともあり、厚生労働省の「 第61回社会保障審議会年金事業管理部会議事録(2022年5月24日)」によると、利用者数は足元で約770万人となっています。
 

「ねんきんネット」でできること


 
それでは、ねんきんネットにはどのような便利な機能があるのかについて具体的に解説していきます。
 
・年金記録の確認
公的年金制度(国民年金、厚生年金保険、船員保険)の加入履歴や保険料納付額が24時間いつでも確認できます。
 
・年金見込み額の試算
今後のライフプランに合わせた年金額を試算することができます。例えば、現在の加入条件で60歳まで加入した場合、年金額がいくらになるかをすぐに算出できます。また、今後の働き方や老齢年金を受け取る年齢、未納分を今後納付した場合など、さまざまなプランを設定してパターン別の年金見込み額を試算することも可能です(75歳以上の方は試算ができません。また、共済組合加入期間は試算範囲に制約がかかります)。
 
・電子版「ねんきん定期便」
毎年誕生月に郵送される「ねんきん定期便」を電子版で受け取ることができます。ダウンロードできるので、年金記録の管理に便利でしょう。
 
・各種通知者の確認
年金受給者の方が郵送で受け取る「年金振込通知書」や「年金支払通知書」などの各種通知書を、自宅のパソコンで確認することができます。必要なら、保存・印刷も可能です。
 
・電子版「被保険者記録照会回答票」
「被保険者記録照会回答票」は、年金事務所などに年金記録の確認を行った際に発行されます。自宅のパソコンから、照会記録を確認することができます。
 
・追納等可能月数と金額の確認
国民年金保険料が未納や免除となっている期間や、学生納付特例制度、納付猶予制度の適用を受けている期間が確認できます。また、今後納付可能な期間や金額についても確認することができます。
 
・通知書の再交付申請
「社会保険料(国民年金保険料)控除証明書」や「公的年金等の源泉徴収票」「公的年金等の源泉徴収票」といった書類の再交付をいつでも申請することができます。
 
・届出書の作成
国民年金保険料が払えない時に提出する「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」や老齢年金を受給する際に提出する「年金請求書」など、さまざまな書類を作成することができます。基礎年金番号などが自動で反映されるため、自作する場合に比べて手間が省けます。
 
・持ち主不明記録の検索
国のコンピューターに保管されている持ち主の分からない年金記録を、自宅のパソコンから検索することができます。
 

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登録するメリット

登録するメリットとしては、まず、年金の納付記録が24時間いつでも簡単に確認できることが挙げられます。
 
自分がどれくらい年金を納めているかだけでなく、国民年金保険料を納付していない期間や、厚生年金保険の標準報酬月額に大幅な変更がある期間も分かるため、年金情報が誤っていないかの確認にも役立ちます。
 
さらに、将来の年金受給額が試算できるという点も、登録のメリットとして挙げられます。50歳未満の人に送付される「ねんきん定期便」では、これまでの加入実績に応じた年金額しか確認ができません。老齢年金の見込み額(現在の加入条件が60歳まで継続すると仮定した見込み額)を知るにはこれまで、50歳以上の人に送付される「ねんきん定期便」を確認する必要がありました。また、50歳以上の場合であっても、早期退職や転職などで加入条件が変わると、将来的な見込み額が変わる可能性が高まります。
 
「ねんきんネット」ではライフプランに合わせて年金見込み額をパターン別で試算できるため、老後の生活設計を立てる際に活用できるでしょう。また、通知書の再交付申請や各種届出書を作成する際、少しでも手間を省きたい場合にも有用です。
 

登録方法は簡単

「ねんきんネット」の登録方法は2通りあります。
 
・マイナポータルからの登録
マイナンバーカードを持っている場合は、マイナポータルにログインし、「年金記録・見込額を見る(ねんきんネット)」から「ねんきんネット」への連携手続きを行うと簡単に「ねんきんネット」に登録できます(登録にはメールアドレスが必要です)。
 
・「ねんきんネット」のユーザIDを取得して登録
日本年金機構のHPから「ねんきんネット」にアクセスし、新規登録を選択します。アクセスキーを持っている場合は、「マイナンバーカードをお持ちでない方」の項目でアクセスキーありを選択し、基礎年金番号やメールアドレス、氏名や生年月日などの必要事項を入力します。登録したメールアドレスにユーザID確認用のメールが届き、届いたユーザIDと設定したパスワードでログインすることができます。
 
アクセスキーを持っていない場合は、「マイナンバーカードをお持ちでない方」の項目でアクセスキーなしを選択し、必要項目を入力した上でユーザIDの発行を申請すると、申請から5営業日程度で日本年金機構からユーザIDのお知らせが郵送されます。
 
アクセスキーとは、「ねんきん定期便」や「20歳に到達した方等へのねんきんネットアクセスキー通知書」で通知される、「ねんきんネット」のユーザIDを取得するための17桁の番号です。有効期限は3ヶ月ですので、期限内に手続きするようにしましょう。
 
老後のライフプランを具体的に考える際、いくら年金を受け取ることができるのかを把握することが不可欠です。何歳まで働き、老後はどのようなことをして過ごしたいのか、その夢を実現するにはどれくらいの収入や貯蓄があればいいのか。できるだけ早い段階からライフプランを立て、それに向けて計画・実行を重ねることで老後の豊かな暮らしに近づくことができます。その一歩として、ぜひ「ねんきんネット」の活用を検討してみてください。
 

出典

日本年金機構 「ねんきんネット」とは?
日本年金機構 「ねんきんネット」の登録方法
日本年金機構 「ねんきん定期便」の様式(サンプル)と見方ガイド(令和4年度送付分)
厚生労働省 2022年5月24日  第61回社会保障審議会年金事業管理部会議事録
 
執筆者:勝川みゆき
ファイナンシャルプランナー2級・AFP

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