更新日: 2022.09.05 年金

国民年金の「免除」と「猶予」は何が違う? 手続きには何が必要?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

国民年金の「免除」と「猶予」は何が違う? 手続きには何が必要?
収入の減少や失業などによって経済状況が悪化し、国民年金保険料を納めることが難しくなることがあります。
 
保険料を納めず未納のままにしておくと、将来もらう年金受給額が減ってしまい、万一のときは遺族年金や障害年金が受給できないということになってしまいます。そうならないために、免除や納付猶予の制度を利用することができます。
 
そこでこの記事では、免除と猶予にはどのような違いがあり、どのように手続きすればよいのかを解説します。
 
FINANCIAL FIELD編集部

日々の生活における、お金にまつわる消費者の疑問や不安に対する解決策や知識、金融業界の最新トレンドを、解りやすく毎日配信しております。お金に関するコンシェルジュを目指し、快適で、より良い生活のアイディアを提供します。

高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

保険料免除制度・保険料納付猶予制度とは

まず、国民年金(老齢基礎年金)を受け取るには資格が必要です。その資格とは、原則60歳の時点で国民年金の保険料を納めた期間などの資格期間(保険料納付済期間+保険料免除期間+合算対象期間)が、合計10年(120月)以上あることです。
 
保険料が納められず未納のままにしていると、年金を受け取り可能な年齢になったとしても資格期間がたらず、年金を受け取ることができなくなってしまう場合があります。その場合、それまでの期間に納めていた保険料はすべて無駄になってしまうということです。
 

・保険料免除制度とは

所得が少なく、本人や世帯主、配偶者などの前年所得が一定額以下だったり失業したりして、国民年金保険料を納めることが困難であると本人が申請した場合、申請が承認されると保険料の納付が免除されます。免除される額は4種類あり、全額免除、4分の3免除、半額免除、4分の1免除です。
 

・保険料納付猶予制度とは

20~50歳未満で、本人や配偶者の前年所得が一定額以下の場合、本人が申請し承認されると保険料の納付が猶予されます。
 
また学生については、在学中の保険料の納付が猶予される「学生納付特例制度」があり、本人の所得が一定(128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等〕以下の大学(大学院)、短期大学、高等学校、高等専門学校、特別支援学校、専修学校および各種学校、一部の海外大学の日本分校に在学する学生が対象となります。
 
なお、免除または納付猶予を受けた場合、その期間と保険料納付期間を足して10年以上あると老齢基礎年金を受給することができます。その場合の受給額は減額されますが、免除または猶予を受けた10年以内に追納をすれば、受給額を満額に近づけることができます。
 
さらに、免除や納付猶予を受けている期間中に、病気やけがなどで障害を負ったり死亡したりした場合は、障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取ることができます。これは、未納のままだと受けられない場合があります。
 

保険料免除と保険料納付猶予の違い

保険料免除と保険納付猶予の大きな違いは、免除または猶予された期間に老齢基礎年金額の反映があるかないかです。保険料全額免除なら、免除された期間は全額納付した場合の年金額の2分の1の金額を受け取ることができます。
 
4分の3免除なら全額納付の8分の5、半額免除なら8分の6、4分の1免除なら8分の7の年金額を受け取れます。保険料納付猶予の場合は、追納すると老齢基礎年金は全額が受け取れます。追納しないと老齢基礎年金の受給額は増えません。
 

保険料免除制度と保険料納付猶予の手続き方法

どちらの場合も、住民票を登録している市区町村の役所や役場の国民年金担当窓口に申請書を提出することで申請することができます。郵送での申請や電子申請もあります。
 
手続きには申請書とマイナンバーカード、基礎年金番号通知書や年金手帳のコピーのほか、失業した人は雇用保険受給資格者証や雇用保険被保険者離職票のコピー、事業を廃業または休止した人は、それらの証明書や届出書のコピーなどの添付書類が必要となります。
 

国民年金の納付が難しい場合は、保険料免除や保険料納付猶予を申請しよう

国民年金の納付ができないような状況になった場合、未納のまま放置していると、年金を受け取る資格を失ってしまう場合があります。
 
そんなときには保険料免除や保険料納付猶予などの申請をすることで、免除や猶予の期間と保険料納付期間を足して10年以上なら、減額されますが老齢基礎年金を受給することができます。また、免除と猶予のどちらの場合も10年以内であれば、追納して受給額を満額に近づけることもできます。
 
免除になるか納付猶予になるかは所得基準によって承認される基準が決まっているので、お住まいの市区町村の国民年金担当窓口に相談してみるとよいでしょう。承認基準や手続きに必要なものなどは、日本年金機構のサイトなどでも見ることができるので、一度確認してみてはいかがでしょうか。
 

出典

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額

日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

日本年金機構 な行 納付猶予制度

日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度

 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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