更新日: 2022.09.05 その他年金

自営業が知っておきたい、将来自分の年金などを増やせる制度

自営業が知っておきたい、将来自分の年金などを増やせる制度
自営業者には、将来に備えられる制度がいくつかあるのをご存じでしょうか。ここでは、年金基金などの制度について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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会社員などと比べると、年金はどのくらい違う?

老齢になって受け取れる年金には、大きく分けて2種類あります。
 

・老齢基礎年金(国民年金):全ての国民に共通する年金
・老齢厚生年金:厚生年金加入者に支給される年金

 
老齢基礎年金は自営業者・会社員などにも支給されますが、老齢厚生年金は厚生年金の加入者だけに支給される年金です(公務員の老齢共済年金は老齢厚生年金に統合されました)。
 
厚生労働省「令和元年度厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、保険料を25年以上納付した人の平均受給年金額は、以下のとおりです。
 

・老齢基礎年金の支給額:月額5万6049円(対象は会社員など老齢厚生年金加入者を含む)
・老齢厚生年金の支給額:月額14万6162円

 
厚生年金には基礎年金の受給額も含まれています。厚生年金に加入したことがない自営業者は基礎年金しか受給できないため、厚生年金との金額差をどうやって縮めるかがポイントになります。
 

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自分のための備えをどう築くか

自営業者が将来の備えを手厚くするには、以下のような方法があります。
 
1.iDeCo
iDeCoでの、自営業者の掛け金上限額は月6万8000円です。掛け金は全て所得控除になり、運用益も非課税なので利用しやすい制度です。
 
2.国民年金基金
国民年金基金制度は、国民年金法の規定に基づく公的な年金であり、国民年金と組み合わせて老後の所得保障を備えるための制度です。「全国国民年金基金」と、3つの職種別に設立された「職能型国民年金基金」の2種類があり、どちらか1つの基金を選択して加入できます。
 
掛け金月額は、加入口数・加入時の年齢・性別などによって決まり、月額6万8000円以内です(ただし、iDeCoにも加入している場合は、その掛け金と合わせて6万8000円以内)。iDeCoと同じく、掛け金全額が所得控除の対象です。
 
3.小規模企業共済
個人事業主・小規模企業の経営者や役員などのための、積み立てによる退職金制度です。掛け金は1000円から7万円まで500円単位で自由に設定できて満期はなく、増額・減額も可能です。廃業時または65歳以上の時点で180ヶ月以上払い込んだ場合などの時に共済金を受け取れます。
 
共済金の受け取り方は「一括」「分割」「一括と分割の併用」が可能です。一括受け取りの場合は「退職所得」、分割受け取りの場合は公的年金等の「雑所得」となります。掛け金全額が所得控除の対象で、病気や災害などでお金が必要な時に低金利で借りられる「貸付制度」もあります。
 
4.経営セーフティ共済
取引先事業者が倒産した際に、自身の経営難を防ぐ制度です。継続して1年以上事業を行っている中小企業者で、必要な要件に該当する場合に加入できます。掛け金は5000円から20万円まで5000円単位で自由に設定でき、掛け金総額が800万円に達するまで積み立てられます。
 
掛け金の増額・減額も可能です。取引先事業者の倒産等により生じる回収困難な売掛金債権等に対しての貸付制度で、掛け金の10倍(上限8000万円)まで無担保・無保証人で借り入れ可能です。
 
払い込んだ掛け金は法人の場合は「損金」、個人の場合は「必要経費」に算入できます。解約手当金も受け取れて、自己都合の解約であっても掛け金を12ヶ月以上納めていれば掛け金総額の8割以上が戻り、40ヶ月以上納めていれば、掛け金全額が戻ります(12ヶ月未満は掛け捨て)。
 

さまざまな制度を組み立ててみよう

前述した制度の他に、いつでも引き出せるお金をつくるには「つみたてNISA」もあります。複数の制度を組み立てて、税制のメリットを受けつつ将来へ備えるのはいかがでしょうか。
 

出典

国民年金基金 加入によるメリット
独立行政法人中小企業基盤整備機構(中小機構) 小規模企業共済とは
独立行政法人 中小企業基盤整備機構(中小機構) 経営セーフティ共済とは
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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