更新日: 2022.09.22 その他年金

年金受給中に「逮捕」されたら、支給は停止されるの?

年金受給中に「逮捕」されたら、支給は停止されるの?
もしも年金受給中、何らかの理由で刑務所に入ることになってしまったら、有罪が確定し、3年以上の禁錮となると現役時代に受けた勲章は褫奪(ちだつ・権威を取り上げること)されることになっているなど、大きな代償を支払うことになります。そうなってしまうと、受給している老齢年金も支給停止となるのでしょうか。この記事では、年金受給中の高齢者が刑務所に収監されたときの年金について解説します。

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刑務所収監中も年金を支給できる

年金を受給していた高齢者が逮捕され、刑務所に入ることになった場合、受給要件を満たしていれば、刑務所に収監されている間も年金は支給されます。老齢国民年金だけでなく、老齢厚生年金も同じです。刑務所に収監されている人が受け取れない年金は、20歳以前に傷病が確定した人の障害基礎年金です。
 
また、低所得の年金生活者が受け取っている年金生活者支援給付金や生活保護費も支給停止となります。しかし、年金については受刑者の口座に振り込まれます。
 
刑務所収監中に65歳の誕生日を迎える人は、年金を受け取るための手続きが必要なため注意しましょう。手続きをしないまま5年を経過すると、それ以前の分の年金を受け取れなくなります。手続きに必要な書類は住民登録のある住所に送られます。家族など代わりに受け取ってくれる人がいない場合は、住民登録を収監されている刑務所に移さなければなりません。
 
なお、年金は基本的に受け取る人の銀行口座などに振り込まれますが、なかには口座がない人もいます。この場合は郵便局で現金化できる「送金通知書」を発行してもらうことで、年金を受け取れます。ただ、「送金通知書」による現金の払い出しは期限があるため、服役期間が長い人は代理人を立てて受け取ってもらわなければなりません。
 

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収監中は衣食住にお金がかからない

刑務所にいる期間は衣食住にお金がほとんど必要ないため、出所後は使わなかった分の年金がたまっていることになります。高齢者の中にはあえて罪を犯し、一定期間刑務所にいる人もいるそうです。
 
法務省の「平成29年版 犯罪白書」によると、65歳以上の刑務所出所者で、2年以内に刑務所に再び収監される割合は22.3%(2017年)と、ほかのどの年代よりも高くなりました。また、刑務所に再び収監される人の罪名をみると、窃盗が最も多くなっています。
 
高齢者の罪名をみると、全高齢者の半数以上となる50.9%が万引きで、18.6%が万引き以外の窃盗でした。年金額だけではうまく生活できず、行くあてがなくなった高齢者が生活をするために軽微な罪を犯して刑務所に収監されるというケースもあるようです。
 
もちろん、若いうちに老後のための資金を用意することも大切ですが、なかには犯罪に手を染めてしまう人もいます。高齢になり働けなくなったときに、罪を犯さなくても生活が送れるような仕組みづくりが求められているといえるでしょう。
 

刑務所のほうが居心地がよい高齢者もいる

高齢者が刑務所に収監されたときも、老齢国民年金や老齢厚生年金は変わらず元の口座に振り込まれます。また、収監中に65歳を迎える人も手続きをすれば年金は支給されます。
 
しかし、刑務所にいればお金がかからず、逆にお金をためられるということから犯罪をする人や、年金だけでは生活できずあえて軽微な罪を犯す人もいます。年金だけで生活をすることになった高齢者が、衣食住に困らないよう、社会保障をさらに充実させることが求められています。
 

出典

e-Gov法令検索 勲章褫奪令施行細則

法務省 令和3年版 犯罪白書 第4編/第8章/第1節

法務省 令和3年版 犯罪白書 第4編/第8章/第2節/2

法務省 令和元年版 犯罪白書 第5編/第2章/第3節/3

NPO法人マザーハウス 受刑者のための年金ガイド

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日本年金機構 年金生活者支援給付金の対象となるのはどんな方ですか。
 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部