更新日: 2022.09.26 国民年金

国民年金保険料の免除・納付猶予制度とは? 所得基準について解説

執筆者 : 古田靖昭

国民年金保険料の免除・納付猶予制度とは? 所得基準について解説
国民年金保険は収入に関係なく保険料を納めなければなりません。しかし、収入の減少や失業などによって国民年金保険料が納められない場合の救済措置として「免除制度」と「納付猶予制度」があります。本記事では、国民年金保険料の免除制度や納付猶予制度、制度を利用するための要件である所得基準について解説します。

【PR】SBIスマイルのリースバック

おすすめポイント

・自宅の売却後もそのまま住み続けられます
・売却金のお使いみちに制限がないので自由に使えます
・家の維持にかかるコスト・リスクが無くなります
・ご年齢や収入に制限がないので、どなたでもお申し込みいただけます

古田靖昭

執筆者:古田靖昭(ふるた やすあき)

二級ファイナンシャルプランニング技能士

国民年金保険料の免除制度とは

国民年金保険料の免除には、「法定免除」「申請免除」「特例免除」がありますので、それぞれ紹介します。
 

法定免除

法定免除とは、「生活保護の受給者」「障害基礎年金・障害厚生年金(3級を除く)の受給者」「国立ハンセン病療養所などの療養者」の国民年金保険料の全額が免除される制度です。所得制限がなく、市区役所または町村役場に届け出ることで申請が可能です。なお法定免除を受けた場合でも保険料を納めることができます。
 

申請免除

申請免除とは、「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」の4種類があり、要件に該当すればその期間の国民年金保険料の全額または一部が免除される制度です。要件には、「本人・世帯主・配偶者」の前年所得が一定額以下の場合や、失業などによって保険料の納付が著しく困難な場合などがあります。
 
また、2019年4月より出産予定日または出産日の前月から4ヶ月間の産前産後期間は国民年金保険料が免除されるようになりました。
 

特例免除

特例免除とは、配偶者から暴力を受けた人や、災害などで財産に相当な被害を受けた人、新型コロナウイルス感染症の影響によって収入が減少した人などで国民年金保険料の納付が困難と認められた場合に全額または一部が免除される制度です。
 

【PR】SBIスマイルのリースバック

おすすめポイント

・自宅の売却後もそのまま住み続けられます
・まとまった資金を短期間で手に入れられます
・家の維持にかかるコスト・リスクが無くなります
・借り入れせずに資金を調達できます

国民年金保険料の納付猶予制度とは

国民年金保険料の納付猶予制度は、学生を対象にした「学生納付特例制度」、学生を除く「納付猶予制度」があります。
 
学生納付特例制度とは、20歳以上の学生で本人所得条件を満たせば、保険料の納付が猶予される制度です。なお、特例を受けた場合、10年以内にさかのぼって保険料の追納ができます。
 
納付猶予制度とは、学生を除く50歳未満の国民年金の被保険者で、本人や配偶者の前年所得が一定額以下の場合に保険料の納付が猶予される制度です。学生納付特例制度と同様に10年以内に保険料の追納ができます。
 

免除・猶予制度の所得基準

国民年金保険の免除や納付猶予制度は、所得制限が設けられているため、現在の所得が減少したからといって基準を満たしていなければ利用はできません。免除・猶予制度の所得基準は、前年所得が図表1で計算した金額の範囲内であることが基準となります。
 
図表1
 

 
出典:日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度 保険料免除・納付猶予の承認基準(所得の基準) より筆者作成
 
なお、年収ではなく所得となるため、源泉徴収票や確定申告書などを確認する必要があります。
 

国民年金保険料の免除・納付猶予制度の注意点

国民年金保険料の納付がさまざまな理由によって困難な場合、所得基準に当てはまれば申請することで免除や猶予が可能です。もし未納のままであれば将来の年金受給額が減ることや受給期間を満たせないこともあります。現在、国民年金の納付が困難であれば免除や納付猶予制度を利用するとよいでしょう。
 
ただし、受給期間を満たし、一定の受給額を受けられるようになるものの、通常保険料を支払って満額受給する人と比べると少なくはなるため、支払えるようであれば、追納して保険料を支払うことをおすすめします。保険料免除や納付猶予制度を利用していれば10年以内であれば追納が可能です。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

 
執筆者:古田靖昭
二級ファイナンシャルプランニング技能士