更新日: 2022.09.27 年金

老齢厚生年金を受けながら働く! 給料の増減があった際、どのようなことが起きる?

執筆者 : 井内義典

老齢厚生年金を受けながら働く! 給料の増減があった際、どのようなことが起きる?
老齢厚生年金を受給しながら働いている人の給料が増えたり減ったりした場合、年金額にどのような影響があるのでしょうか。
 
井内義典

執筆者:井内義典(いのうち よしのり)

1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

1982年生まれ。株式会社よこはまライフプランニング代表取締役。

資格学校勤務時代には教材編集等の制作業務や学習相談業務に従事し、個人開業の社会保険労務士・FPとしては公的年金に関する研修講師を務め、また、公的年金の相談業務も経験してきている。

これらの経験を活かして、専門誌で年金に関する執筆を行っている。2018年に、年金やライフプランに関する相談・提案、教育研修、制作、調査研究の各事業を行うための株式会社よこはまライフプランニングを設立、横浜を中心に首都圏で活動中。日本年金学会会員、日本FP学会準会員。

在職老齢年金制度の仕組み

老齢厚生年金を受給できる人が厚生年金に加入すると、会社から受け取る給与や賞与しだいで年金がカット(支給停止)される場合があります。特別支給の老齢厚生年金(60歳台前半の老齢厚生年金)についても、65歳以降の老齢厚生年金についても、【図表1】の「在職老齢年金の支給停止」にある計算式を用いて支給停止額を計算します。
 
47万円は月額となり、月単位で支給停止額、あるいは支給額を算出することになります。(1)報酬比例部分を指す基本月額と、(2)給与(標準報酬月額)と(3)直近1年に受け取った賞与(標準賞与額)の12分の1を指す総報酬月額相当額の合計で47万円以下であれば年金は支給停止とならず全額支給され、一方、合計で47万円を超えると、超えた分の2分の1の(1)の額を支給停止する計算となります。
 
【図表1】
 

 

給与に変動があっても支給停止額が変わるとは限らない

在職中、途中で給与が変わったり、夏冬の賞与の額が変わったりすることもありますが、そうなると、支給停止額も必ず変わるのでしょうか。
 
在職老齢年金制度で総報酬月額相当額を計算する際の、会社から受け取る給与については標準報酬月額で計算しますが、その標準報酬月額は【図表2】のとおり、1等級~32等級に区分されています。そして、毎年1回、4月・5月・6月の基本給やその他手当(通勤手当、家族手当等)を含めた報酬の月額平均から9月~翌年8月の標準報酬月額が決まります(定時決定)。
 
【図表2】
 

 
しかし、その9月から翌年8月までの1年間の途中で固定的賃金の変動があり、【図表2】の等級で2等級以上変動があると、次の定時決定を待たず、随時改定によって標準報酬月額が変わります。標準報酬月額が変わることになると、【図表1】で計算された支給停止額と支給停止されない額(受給できる額)も変わることがあります。
 
ただし、この随時改定は2等級以上の変動があって初めて対象となることから、給与が増えたり減ったりしたからといって必ず標準報酬月額が変わったり、その結果として支給停止額が変わったりするわけではありません。
 
また、随時改定は固定的賃金の変動月から3ヶ月の報酬の平均額をもとに変動月から4ヶ月目より標準報酬月額を改定するルールですので、2等級以上変動しても、変動した月からすぐに支給停止額が変わるわけでもありません。この点を理解しておきたいところです。
 

賞与は直近1年分が計算対象

一方、賞与に関しては、在職老齢年金の計算式で計算対象となる標準賞与額(賞与1回につき上限額は150万円)は直近1年の賞与が対象となっています。ある月に支払われた賞与(上限150万円)の12分の1の額が、支払われたその月以降の12ヶ月の在職期間中、総報酬月額相当額に含まれることになります。賞与も計算に入れることを忘れないようにする必要があります。
 
以上のように、在職老齢年金制度は47万円基準といわれていますが、その仕組み、計算方法をしっかり把握しておくことが大切といえます。在職中、年金の支給停止額、支給額が変わるとお知らせが届きますので、変更後の額を確認してみましょう。
 
執筆者:井内義典
1級ファイナンシャル・プランニング技能士、CFP(R)認定者、特定社会保険労務士、1級DCプランナー

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