更新日: 2022.09.28 その他年金
遺族年金は誰がいつ受給できる? 条件や金額について解説
遺族年金には大きく、「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」の2種類があり、いずれも非課税です。
ただし、支給の可否や金額は、亡くなった人の加入条件や遺族の要件などによって異なります。この記事では、それぞれの主たる条件や金額について解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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遺族基礎年金の条件と金額
まずは、遺族基礎年金を受けられる条件と金額について解説します。
遺族基礎年金の受給条件
国民年金に加入している第1号被保険者、会社員や公務員などの第2号被保険者、保険料納付済期間が25年以上ある老齢基礎年金の受給権者など、一定の要件を満たす人が死亡した場合には、遺族に遺族基礎年金が支給されます。
加入中の人や被保険者であった人(日本国内に住所を有する)については特例を除き、死亡日の前日において、保険料納付済期間が国民年金加入期間の3分の2以上でなくてはなりません。
これらの条件を満たしたうえで、遺族基礎年金を受給できるのは、死亡した被保険者に生計を維持されていた、子のある配偶者(内縁関係も含む)、または子です。つまり、子のない妻は遺族基礎年金の対象となりません。
子とは、18歳に達した年度の3月31日までにある人、障害等級の1級もしくは2級に該当する状態にある場合は、20歳未満の人を指します。
また、死亡した人と生計を同じくしており、さらに前年の収入が850万円未満であるなどの収入要件を満たす場合に、生計維持関係にあったとみなされます。
遺族基礎年金の年金額
年金額は子の数によって異なります。
令和4年4月分からの金額では、子のある配偶者が受け取る場合には、「77万7800円+子の加算額」で計算されます。1人目および2人目の子の加算額は、各22万3800円、3人目以降の子の加算額は各7万4600円です。
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遺族厚生年金の条件と金額
次に、遺族厚生年金を受けられる条件と金額について解説します。
遺族厚生年金の受給条件
死亡した人が第2号被保険者だった場合には、遺族には遺族基礎年金とは別に遺族厚生年金が支給されます。
遺族基礎年金の場合と同様に、在職中の被保険者や保険料納付済期間が25年以上ある老齢厚生年金の受給権者など、一定の要件を満たす人が死亡した場合には、遺族に遺族厚生年金が支払われます。
遺族厚生年金を受けられるのは、被保険者に生計を維持されていた人のうち、優先順位の高い人です。
1.妻(子のない30歳未満の妻は、5年間のみ受給可能)
2.子(18歳になった年度の3月31日までにある人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人)
3.夫(死亡当時に55歳以上である人。受給開始は60歳からだが、遺族基礎年金をあわせて受給できる場合に限り、55~60歳の間でも遺族厚生年金を受給可能)
4.父母(死亡当時に55歳以上である人。受給開始は60歳から)
5.孫(18歳になった年度の3月31日までにある人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人)
6.祖父母(死亡当時に55歳以上である人。受給開始は60歳から)
遺族厚生年金の年金額
年金額は、死亡した人の老齢厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額です。なお、厚生年金の被保険者期間が300月に満たない場合は、300月とみなして計算します。
このほか、下記のいずれかにあてはまる妻には、40歳から65歳になるまでの間に、遺族厚生年金に加えて「中高齢寡婦加算」として58万3400円(年額)が支給されます。
・対象となる子がおらず、遺族基礎年金が支給されない妻
・遺族厚生年金と遺族基礎年金を受給していたが、子が18歳到達年度の末日に達した(障害の状態にある場合は20歳に達した)ため、遺族基礎年金を受給できなくなった妻
自分が遺族年金の受給要件に該当するのか確認しておこう
遺族年金には遺族基礎年金と遺族厚生年金の2つがあります。しかし、誰でももらえるわけではなく、それぞれに細かな受給要件が定められています。いざというときに備えて、自分が該当するかどうか、確認しておくと安心です。
また、遺族も会社員で65歳以降に自身の老齢厚生年金の受給権を有した場合には、遺族厚生年金よりも老齢厚生年金の方が優先されることも知っておきましょう。
出典
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1605 遺族の方に支給される公的年金等
日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 生計維持
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 中高齢寡婦加算
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部