年金の追納はするべき? 追納する2つのメリットを紹介
配信日: 2022.09.29
国民年金の追納制度を利用すると、老齢基礎年金の受取額の増加や、節税効果が得られる可能性があります。
本記事では、国民年金を追納するメリットと制度概要を解説します。追納するべきか迷っている方は、ぜひ参考にしてください。
執筆者:東本隼之(ひがしもと としゆき)
AFP認定者、2級ファイナンシャルプランニング技能士
金融系ライター・編集者 | SEO記事を中心に200記事以上の執筆・編集を担当 | 得意分野:税金・社会保険・資産運用・生命保険・不動産・相続 など | 難しい金融知識を初心者にわかりやすく伝えるのを得意としている。
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国民年金の追納制度とは
国民年金の「追納制度」とは、一定要件を満たした国民年金保険料の免除・猶予制度を利用した人がさかのぼって保険料を納付できる制度です。
追納制度には老齢基礎年金の受給金額を増やしたり、節税効果が見込めたりなどのメリットがあります。場合によってはこれらのメリットが得られない可能性もあるので、追納前にポイントを押さえておきましょう。
受け取れる年金額が増える
受給できる老齢基礎年金額は「該当年の老齢基礎年金満額 × 保険料納付月数 ÷ 480ヶ月」で求められます。
将来の受取年金額は、保険料の納付期間が長いほど増える仕組みとなっており、追納は納付期間を増やすための有効的な手段といえます。ただし、全額免除や学生納付特例などの免除を受けている種類によって、増加する受給年金額が異なるため注意が必要です。
追納する際は、自身がどの免除制度に該当しているか、追納することで受取年金額がいくら増額するのかを確認しておきましょう。
社会保険料控除が受けられる
国民年金を追納すると、その年に「社会保険料控除」が受けられます。社会保険料控除が適用されれば、所得税と住民税計算の基礎となる課税所得が減額され、納税額が少なくなるケースがあります。所得が高い年に合わせて活用すると、より高い節税効果が見込めるでしょう。
社会保険料控除の適用を受けるには、「控除証明書または領収証書」が必要です。証明書がなければ社会保険料控除が受けられなくなってしまうので、大切に保管しましょう。証明書をなくした場合は、年金事務所や年金ネットなどで手続きすると再発行してもらえます。
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国民年金の追納には期限がある
国民年金の追納制度には期限があり、免除・納付猶予を受けた月から「10年以内」と定められています。例えば、2013年1月分の追納をする場合は、2023年1月が追納期限です。
追納は原則、期間が古いものから行われ、3年度目以降に追納した場合は当時の保険料に加算額が上乗せされた金額を納めなければなりません。納付保険料を少しでも減らすためにも、可能な限り早めの納付を心がけましょう。
なお、10年以内であっても老齢基礎年金を受給する権利がある人は追納ができない点にも注意が必要です。
老齢基礎年金の受給権があると追納できない
追納期限内の10年以内であっても老齢基礎年金を受給する権利がある場合は、追納することができません。
なお、老齢年金の繰上げ受給を行い、年金を通常より早く受給した場合も追納する権利がないため注意しましょう。
国民年金の追納にはメリットがある
国民年金の追納には、将来の受取年金額を増やす、節税効果が見込めるなどのメリットがあります。
ただし、必ず追納金額より受取金額が大きくなるとは限りません。追納する際は、将来に増額する年金額と節税効果、追納する金額をシミュレーションしてみましょう。
追納制度には期限があり、期限を過ぎた場合は納付ができません。3年度目以降の追納には、加算額が上乗せされるので、追納する際は可能な限り早く納付しましょう。
出典
日本年金機構 国民年金に加入するための手続き
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
日本年金機構 Q控除証明書とは何ですか。
日本年金機構 年金Q&A(社会保険料の控除証明) Q控除証明書をなくしてしまったのですが再発行できますか。
執筆者:東本隼之
2級FP技能士