更新日: 2022.10.12 その他年金

わが家は家系的に平均寿命は「78歳」です。年金は何歳からの受給がお得ですか?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

わが家は家系的に平均寿命は「78歳」です。年金は何歳からの受給がお得ですか?
老後の生活にかかわるため、年金の受給開始年齢に悩む人は多いようです。ただ、寿命には個人差があり、何歳で受給を開始するのがよいのかは一概にいえません。厚生労働省が発表した「令和3年簡易生命表」では、日本人の平均寿命は男性が81.47歳、女性が87.57歳です。平均年齢より短く生きるのは短命、長く生きるのは長寿といえます。
 
今回は、もし平均寿命より短命だった場合、何歳から年金を受給するのがお得なのかを解説します。
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執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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年金を受給できる開始年齢とは

年金の受給を開始する年齢は、原則として国民年金・厚生年金ともに65歳以上からとなっています。
 

・年金の受給開始年齢は繰り上げ、繰り下げできる

繰上げ受給をする場合は60歳から可能ですが、本来受け取るはずだった月額より1ヶ月あたり0.4%減額された金額になってしまいます。繰下げ受給をする場合は、昭和27年4月2日生まれ以降の人であれば75歳まで(それ以前の生まれの人は70歳まで)受給を待つことが可能です。
 
こちらは1ヶ月あたり0.7%増額された金額を毎月受給できます。繰り上げ・繰り下げともに、専用書類を年金事務所に提出しなければなりません。
 

・平均寿命が78歳の場合は繰上げ受給がお得

平均寿命が78歳の場合、本来の年金の受給可能年齢である65歳を選択すると、受給できる期間は約13年間です。短命家系の場合、生涯で受給できる年金総額をほとんど受給できない可能性もないとはいえません。
 
繰上げ受給をして60歳から受給を開始すると、受給できる期間が5年多い18年間にすることが可能です。繰上げ受給は、例えば、「60歳6ヶ月から受給を開始する」というように1ヶ月単位で細かに設定して決められます。ただ、繰上げ受給の手続きをすると取り消しすることはできません。
 

国民年金・厚生年金以外の年金は繰り上げ・繰り下げできる?

年金には国民年金・厚生年金以外にも、加給年金や障害年金、遺族年金などがあります。もし、国民年金や厚生年金を繰り上げ・繰り下げした場合、これらの年金も同じく繰り上げ・繰り下げができるのでしょうか。
 

・加給年金は繰り上げできない

加給年金は厚生年金に20年以上加入していた人が受給できます。65歳になった時点で、65歳未満の配偶者や18歳未満、または障害が1級・2級の状態にある20歳未満の子どもがいる場合に加算される年金です。ただ、それぞれ年収が850万円以下もしくは所得が655万5000円以下でなければなりません。
 
加給年金は繰上げ受給することができないため、65歳以降に受給できます。国民年金や厚生年金が繰下げ受給になっている場合は、加算年金も繰下げ受給できる年齢になるまで受け取れません。
 

・障害年金は国民年金、厚生年金の繰上げ受給をしていると受け取れない可能性がある

国民年金や厚生年金の繰上げ受給をしていると、障害年金をその時点で受給することができません。繰下げ受給の場合は、国民年金や厚生年金を受給する年齢の前に障害年金を受給すると、繰下げ受給自体が取り消されます。
 

・遺族年金と国民年金は両方受け取ることができない

国民年金や厚生年金の繰上げ受給中(65歳前)に遺族年金の受給できる権利が発生した場合は、遺族年金か国民年金かどちらを受給するのか決めなければなりません。もし遺族年金を選択すると、65歳までは国民年金・厚生年金の支給が止まります。65歳以降は受給できるようになりますが、繰上げ受給時の減額された金額を生涯受け取ることになります。
 

平均寿命が78歳の場合は繰上げ受給するのがお得


 
平均寿命が短い場合、国民年金・厚生年金を受給する年齢が遅いほど受け取る総額が少なくなります。そのため、平均よりも寿命が短くなる可能性がある場合は、繰上げ受給をするほうがお得です。繰上げ受給の年齢設定は60歳から1ヶ月単位で決められます。ただ、繰上げ受給をすると、本来受け取れるはずだった年金より減額されてしまうため、慎重に決めましょう。
 

出典

厚生労働省 令和3年簡易生命表 1主な年齢の平均余命

日本年金機構 年金の繰上げ・繰下げ受給

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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