「国民年金保険料」を半年払わないと、将来もらえる年金はどれだけ減る?

配信日: 2022.10.14

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「国民年金保険料」を半年払わないと、将来もらえる年金はどれだけ減る?
日本に住んでいる20歳以上60歳未満の人は、生活保護を受けているなどの例外を除き、原則として全員国民年金保険料を払わなくてはいけません。しかし、実際は失業してしまったなどの理由で、一時的に国民年金保険料を払えなくなることは往々にしてありえます。
 
そこで本記事では、国民年金保険料を半年間払わなかった場合、将来受け取れる年金(老齢基礎年金)はどれだけ減るかを考えてみました。
FINANCIAL FIELD編集部

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1年間で1万円近く減るので要注意

老齢基礎年金の年間受給額は「年金額×(保険料の納付月数÷480ヶ月)」という式で計算されます。令和4年の場合、年間で受け取れる老齢基礎年金(満額)は77万7792円(月額6万4816円)です。半年間だけ納めなかった場合、将来受け取れる老齢基礎年金の額は下記の式で計算できます。
 

77万7792円×(474ヶ月÷480ヶ月)=約76万8070円

 
つまり、満額の77万7792円に対して、年額で9722円減ってしまう計算になります。
 
仮に20年間老齢基礎年金を受け取ったとすると総額で19万4440円少なくなり、大きく差がついてしまうので注意が必要です。
 

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障害年金が受け取れなくなる可能性もある

たとえ半年間であっても、国民年金保険料が未納になっていると、将来受給できる老齢基礎年金が減る以外の弊害が出てきます。
 
代表的なものが、障害基礎年金です。病気やけがで働けなくなった場合に受け取れる年金ですが、20歳以降の病気やけがを原因として受給するためには、以下のいずれかの要件を満たさないといけません。
 

1.初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること
 
2.初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと

 
特に年齢が若い場合、半年間国民年金保険料を納付しなかっただけでもどちらの要件も満たせないおそれがあります。具体例をみてみましょう。
 

具体例(Aさんの場合)

Aさん(2001年8月1日生まれ、大学生)は、20歳になっても国民年金保険料を払っていませんでした。その後、Aさんは2022年3月3日に事故に遭い、脊椎損傷の重症を負ってしまいます。この場合、Aさんが障害基礎年金を受け取れるのか検討してみました。
 
まず、Aさんの国民年金保険への加入義務は2021年8月から生じているので、初診日のある月の前々月(2022年1月)までの公的年金の加入期間が6ヶ月になります。
 
しかし、その間一切国民年金保険料を払っていない以上、「初診日のある月の前々月までの公的年金の加入期間の3分の2以上の期間について、保険料が納付または免除されていること」という要件は満たせません。
 
また、「初診日において65歳未満であり、初診日のある月の前々月までの1年間に保険料の未納がないこと」という要件も満たせないため、Aさんは障害年金を受け取れないことになります。
 

払えない場合はしかるべき手続きを


 
国民年金保険料を半年間払わなかったとしても、1年間で受け取れる老齢基礎年金が大幅に減ってしまうわけではありません。しかし、10年、20年と長期間受給することを考えると、減ってしまう金額はかなり大きいです。また、具体例を用いて紹介した通り、障害基礎年金が受け取れなくなるなど、さまざまな弊害も生じるので注意しましょう。
 
たとえ1ヶ月でも国民年金保険料が払えなくなる事情が生じた場合は、しかるべき手続きをしてください。学生であれば学生納付特例制度を、失業した場合であれば免除制度・納付猶予制度が使えます。未納状態のままになるのを防げるうえに、10年以内であれば保険料をさかのぼって納めることが可能です。
 

出典

日本年金機構 Q.年金額はどのようなルールで改定されるのですか。

日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について

日本年金機構 障害年金

日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度

国民年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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