更新日: 2022.10.26 その他年金

障害年金が「支給停止」になる理由は? 申請すれば再度支給できるの?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

障害年金が「支給停止」になる理由は? 申請すれば再度支給できるの?
障害年金とは、病気やけがで働けなくなった時に支給される年金です。一度認定を受けると無期限で受給できるのではなく、支給停止となることもあります。
 
この記事では、障害年金が支給停止になる理由と支給再開の手続きについて説明します。
FINANCIAL FIELD編集部

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支給停止になる理由とは?


 
障害年金はどのような場合に支給停止となるのでしょうか。主な理由3つについて説明します。
 

障害の程度が軽くなった場合

障害年金の認定には、更新のない永久認定と更新が必要な有期認定があります。有期認定では、障害の程度が軽くなったと判断された場合は、支給額が下がったり支給停止となったりする可能性があります。
 
1~5年ごとに日本年金機構から「障害状態確認届」が送られてくるので、医師に病気の状況を記載してもらいます。障害状態確認届の内容から、病状が回復したと判断された場合は支給が打ち切られます。
 

就労状況により支給停止となる場合

障害年金は働いていても、日常生活に支障があると判断された場合は支給されます。例えば、うつ病などの精神障害・がん・身体障害などをかかえながら就労しているようなケースです。
 
しかし、状況によっては「日常生活に支障がない」と判断され、年金の支給が停止となる可能性があります。特に、精神障害の場合は病気の重さを数値化できないこともあり、実態よりも障害の程度が軽く判断された結果、「支給停止」となることがあります。就労しながら障害年金を受け取っている人は、現状と相違がないように診断書を作成してもらいましょう。
 

所得金額により支給停止となる場合

障害年金は働いていても受給できるので、原則、所得金額の条件はありません。
 
しかし、20歳前の傷病による障害基礎年金を受給している場合は、一定以上の所得があると支給停止または減額されます。具体的には、前年の所得額が472万1000円を超える場合は年金の全額が支給停止となり、370万4000円を超える場合は2分の1の年金額が支給停止となります。
 
20歳前の傷病による障害基礎年金は国民年金を納めなくても受給できるため、所得制限が設けられているのです。毎年1年ごとの所得金額で判断されるため、一度支給停止になっても、翌年は所得制限にかからなければ支給が再開します。
 

支給再開の手続き方法は?

障害年金は支給停止になっても申請すれば再度受給できる可能性があります。ここでは支給再開の手続きについて説明します。
 

審査請求をする

支給停止に対して不服の申し立てを行うことを「審査請求」といいます。審査請求は支給停止を知った翌日から3ヶ月以内に行わなければなりません。社会保険審査官による審査の結果、支給停止の解除が認められれば、支給が停止していた期間分の年金が支払われます。
 
もし、審査請求しても訴えが認められなかった場合は、社会保険審査会に対して「再審査請求」を行うことになります。
 
再審査請求の期限は、決定書が送付されてから2ヶ月以内です。審査請求・再審査請求では、支給停止が不当である根拠資料なども準備する必要があります。まずは社会保険労務士などの専門家に相談することをおすすめします。
 

支給停止事由消滅届を提出する

障害年金の支給再開を請求する「支給停止事由消滅届」を提出する方法もあります。
 
支給停止事由消滅届と医師による診断書を、最寄りの社労士事務所または年金相談センターに提出します。支給再開が認められた時点から年金が支給されるため、支給停止から再開までの年金は受け取れません。
 
審査請求と異なり、支給停止を知ってからすぐに申請はできますが、支給停止と判断された診断書と同じ内容では支給再開が認められる可能性は低いでしょう。医師にも相談の上、より実態に近い内容で診断書を再作成してもらうことが大切です。
 
なお、審査請求と支給停止事由消滅届の提出は同時に行うことができます。審査請求は結果が出るまでに時間がかかることも多いため、同時に進めるとよいでしょう。
 

まとめ

障害年金は状況に応じて支給停止となることもあります。支給停止となる理由として、「障害の程度が軽くなった」「就労状況から日常生活に支障がないと判断された」「所得金額が一定以上となった」などのケースが挙げられます。
 
もし支給停止の処分に納得がいかない場合は、審査請求や支給停止事由消滅届の提出によって、再度受給できる可能性はあります。
 
ただし、訴えが認められるには相応の理由や根拠が必要となるため、ご自身だけで対応せず専門家に相談することをおすすめします。
 

出典

日本年金機構 20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等
関東信越厚生局 社会保険審査事務室
日本年金機構 ふたたび障害の程度が重くなったとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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