更新日: 2022.11.04 国民年金

20歳の子の「国民年金保険料」! 親が肩代わりするメリットはどんなもの?

20歳の子の「国民年金保険料」! 親が肩代わりするメリットはどんなもの?
日本国内に住んでいる20歳から60歳未満で、厚生年金保険に加入している第2号被保険者を除くすべての人は、国民年金に加入し第1号被保険者または第3号被保険者となります。そのため20歳になると、学生で収入がない場合でも国民年金の保険料を払わなければなりません。
 
学生や安定した収入がないフリーターなど、20歳になったばかりの若い人は、保険料を自分で払うのが難しい人も多いのではないでしょうか。その場合どうするのが良いのか、方法を解説します。
勝川みゆき

執筆者:勝川みゆき(かつかわ みゆき)

ファイナンシャルプランナー2級・AFP

20歳になったら、国民年金の保険料はどうする?


 
20歳になると、会社員など厚生年金保険に加入している第2号被保険者以外は、国民年金の保険料を払うことになります。2022年度の国民年金の保険料は、月額1万6590円です。20歳になった人が払わなければならないこの保険料について、どのような選択肢があるのでしょうか。
 

自分で払う

収入があり自分で払えるのであれば、毎月きちんと保険料を納めるに越したことはありません。学生でもアルバイトなどで収入があり、支払いが可能であれば、猶予制度などを使わず支払うことで、将来の年金額が減額される可能性が低くなります。
 

親が払う

学生のように毎月決まった収入がない場合には、払うのが難しい人も多いでしょう。その場合、親が子の代わりに支払うという方法もあります。一時的にでも、親が肩代わりすることで、メリットもあります。親子で話し合い、後から支払った保険料を親に返金するなどの方法もあるでしょう。
 

猶予・免除制度を利用する

保険料を支払うことができない場合には、次のような納付を免除・猶予してくれる制度もあります。厚生労働省の2020年度のデータによると、第1号被保険者(20歳以上60歳未満の自営業者・農業者とその家族、学生、無職の人など)の42.6%が保険料の納付を全額免除または猶予されています。
 
保険料の免除や納付猶予が承認された期間は、年金の受給資格期間には含まれます。しかし、将来の年金額を計算するとき、免除期間は保険料を納めたときに比べて2分の1、納付猶予になった期間は年金額に反映されないので、注意しましょう。
 
・学生納付特例
前年の所得が一定(128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等)以下の学生は、申請をすると在学中の保険料の納付が猶予されます。
 
・納付猶予制度
無職やフリーターなど、収入が少なく本人や配偶者の前年所得(1月から6月までに申請される場合は前々年所得)が一定額以下の場合には、本人が申請することにより、納付が猶予されます。
 
・保険料免除制度
世帯の収入が少なく、本人、世帯主、配偶者の前年所得(1月から6月までに申請する場合は前々年所得)が一定額以下の場合や失業した場合など、国民年金保険料を納めることが経済的に困難な場合は、保険料の納付が免除になります。免除される額は、全額、4分の3、半額、4分の1の4種類です。
 

親が払うメリット

では、親が子の国民年金の保険料を肩代わりした場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。まず、子が将来受け取る年金額が減額されないことです。猶予や免除を受けた場合には、追納をしなければ、将来受け取る年金額が減額されてしまいます。
 
追納ができるのは、追納が承認された月の前10年以内です。学生でもフリーターでも、生活に余裕のあるほどの収入が10年以内に得られるとは限りません。さらに、保険料の免除もしくは納付猶予を受けた期間の翌年度から3年度目以降に保険料を追納する場合には、経過期間に応じた加算額が上乗せされます。
 
猶予や免除を受けたときは追納するつもりでも、余裕がなく10年以内に支払うことができなかった場合には、将来の年金受給額が減額される可能性があるのです。一時的にでも、親が肩代わりすることで、その心配はなくなります。
 
また、親自身にもメリットがあります。生計を一にする親族の負担すべき社会保険料を支払った場合、「支払った金額の全額が所得控除の対象」となります。つまり、親が子の国民年金保険料を支払った場合には、節税になるという訳です。
 
所得税の税率は課税される所得金額によりそれぞれ変わってきますが、例えば、親の所得税率が20%(課税される所得金額が330万円から694万9000円まで)の場合、個人住民税10%と合わせて、1年間で6万円近く節税することができます。親が子の国民年金の保険料を肩代わりすることにより、子自身にも親にも、それぞれメリットがあるのです。
 

未納は危険

国民年金は将来の自分のための保険なので、可能であれば加入者本人が保険料を支払うのが望ましいでしょう。しかし、難しい場合もあります。そのような場合でも放置することだけは避けましょう。
 
国民年金保険は老後の年金のためだけではありません。けがや病気で障害を負った場合にも、年金を受け取ることができます。納付の猶予や免除を受けている期間に障害を負った場合には年金が支払われますが、未納の場合には障害年金を受け取ることができないおそれがあります。猶予や免除を受ける場合には、申請の手続きを忘れずにしておきましょう。
 
親に余裕のある場合には、一時的に立て替えるケースも含め、親が子に代わって支払うという選択肢も、考えてみてはいかがでしょうか。
 

出典

日本年金機構 国民年金
厚生労働省 厚生年金保険・国民年金事業の概況
 
執筆者:勝川みゆき
ファイナンシャルプランナー2級・AFP

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