更新日: 2022.11.05 その他年金
「ねんきん定期便」についてちゃんと知ってる? 見方の基本を解説
ねんきん定期便は、年金について大切な情報が詰まっている重要な書類です。自宅に届いたときは「見方がわからないから」と敬遠せず、内容をチェックすることをお勧めします。
今回は、ねんきん定期便の見方について解説します。
執筆者:棚田将史(たなだ まさふみ)
2級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員1種
目次
ねんきん定期便で何がわかるの?
ねんきん定期便には、年金保険の加入期間・納付状況や、将来の見込み年金額などが記載されています。圧着はがき版を基に、詳細をみていきましょう。
図表1
出典 日本年金機構 令和4年度「ねんきん定期便」50歳未満の方
図表2
出典 日本年金機構 令和4年度「ねんきん定期便」50歳未満の方
1.これまで納めた保険料納付額の累計
これまでに納めた国民年金・厚生年金の保険料の累計が記載されています。問題なく納めていれば、毎年金額が納付分だけ増えていきます。
2.これまでの年金加入期間の合計
国民年金・厚生年金の両方について、加入期間が月単位で記載されています。将来、年金(老齢基礎年金)を受け取るには、保険料の納付期間+免除期間を合わせて10年以上(120ヶ月以上)の年月が必要です。未納の期間は、加入期間にカウントしません。
厚生年金保険に加入している会社員や公務員の方は、国民年金・厚生年金のどちらも給与から天引きされているので、10年以上勤めていれば原則として年金を受け取れるはずです。未納期間がある場合は、追納制度によって10年までさかのぼって納付できます。
3.これまでの加入実績に応じた年金額
50歳未満の方の場合は「これまでの加入実績に応じた年金の予想年額」、50歳以上の方は「60歳まで加入した場合の年金の予想年額」が記載されています。
50歳未満の方は、あくまで現時点での加入期間から予想された受取額です。今後も納付を続けることで、金額が増えていきます。「金額が少ないな」と感じても、そこまで心配しなくても問題ないでしょう。
一方で50歳以上の方の場合は、現在の加入条件が60歳まで続くものと見なして算出されています。実際の受取額に近い数値です。
4.最近の月別状況
直近1年間の国民年金・厚生年金の納付状況が記載されています。国民年金は納付・免除・未納の状況、厚生年金は年金額に関わる標準報酬月額や標準賞与額を確認できます。
5.「お客様のアクセスキー」
「お客様のアクセスキー」とは、ウェブ上で年金記録を確認できる「ねんきんネット」の登録に必要な17桁の番号です。3ヶ月の有効期限があるので、ねんきんネットへの登録を希望する方は早めに手続きしておきましょう。
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届くタイミングと再発行について
ねんきん定期便が届くのは、年1回の誕生月です(1日生まれの方は前月)。日本年金機構から自宅へ送られてきます。紛失した・汚染されたなどで再発行が必要なときは、「ねんきん定期便・ねんきんネット専用番号」へ電話しましょう。約2ヶ月で再び郵送されてきます。
原則として圧着はがきで送られてきますが、節目の年とされる35歳、45歳、59歳にはA4の封書で届きます。
35・45・59歳の節目で送られてくる封書って違いはある?
節目を迎える方は、ねんきん定期便が封書で届きます。はがきのものと記載内容は大きく変わらないものの、封書では、年金を納めた全期間の記録が確認可能です(はがきは直近1年のみ記載)。
なぜ35歳、45歳、59歳が節目なのかの理由は、日本年金機構においても公表されていません。ただ、45歳は法改正前の年金の受給資格が25年以上だったこと、59歳は年金受給の直前であることが理由として考えられます。
ねんきんネットを利用するメリット
スマートフォンやパソコンから気軽に年金記録を確認できるのが、日本年金機構が提供するサービスのねんきんネットです。
利用するメリットは、
●いつでも年金記録を確認できる
●シミュレーターを利用して年金額の試算ができる
●はがき版よりも1ヶ月ほど早く内容を確認できる
●電子版ねんきん定期便のダウンロードができる
また、「郵送意向登録機能」にて、はがき版のねんきん定期便の郵送を停止できます(59歳の方は設定に関係なく必ず送られてくる)。ねんきんネットを利用するには、ねんきんネットの公式サイトよりマイナンバーカードまたはアクセスキーを使って登録します。
年金記録の確認で老後資金の目安を付ける
ねんきん定期便やねんきんネットによって、将来的に受け取る年金の確認や未納状況を誰でも確認できます。老後資金の試算やライフプラン設計の参考に活用しましょう。
出典
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
KKR-国家公務員共済組合連合会 Q「ねんきん定期便」とは何ですか。
日本年金機構 「ねんきんネット」の概要
執筆者:棚田将史
2級ファイナンシャル・プランニング技能士・証券外務員1種