年金は「繰上げ受給」しながらゆるく働くのがお得?繰上げ受給のメリット・デメリットを解説!
配信日: 2022.11.12
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
「繰上げ受給」のメリットとは?
繰上げ受給のメリットとしては、通常よりも早く年金を受給できることが挙げられます。原則として年金受給のスタートは65歳からです。しかし、繰上げ受給を選択することによって、60歳から65歳になるまでの間に開始時期を早めることができるのです。年金の支給は、住んでいる地域の年金事務所に「繰上げ請求」を行った日の翌月分からになります。
例えば、3月31日に請求すると、4月分から年金を受け取ることができます。繰上げ受給は、60歳から年金を受け取り、生活に足りない分は勤務日数を減らすなどゆったりとした働き方をしながら補いたいという人にとっては良いでしょう。
また、元気に動けるうちに趣味や好きなことに使いたいと考えている人にも繰上げ受給はおすすめです。
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「繰上げ受給」のデメリットとは?
繰上げ受給のデメリットは、受け取る時期を早めれば早めるほど年金額が減額されることです。減額率は1ヶ月あたり0.4%になります(ただし、昭和37年4月1日以前生まれの人の減額率は1ヶ月あたり0.5%)。
減額率は「0.4%×繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数」で求めます。60歳で受け取ると、24%の減額です。式に当てはめて計算する際に気をつけたいのが、年齢の計算が「年齢計算に関する法律」に基づいて行われることです。
この法律では「65歳に達した日は65歳の誕生日の前日」と定められています。例えば、4月1日生まれの場合、65歳に達した日は誕生日の前日の3月31日です。そのため、「65歳に達する日の前月」は2月になります。
このほかにも、繰上げ受給をスタートしてしまうと、国民年金に任意加入したり追納したりすることができなくなってしまいます。さらに、所定の障害状態になった場合、障害基礎年金の請求も行えません。寡婦年金の受給資格が発生した場合も、受け取ることができないのです。
「繰上げ受給」の注意点とは?
繰上げ受給はいったんスタートしてしまうと、取り消すことはできません。亡くなるまでの間、減額された年金を受け取り続けることになります。そのため、繰上げ受給の請求は慎重に行う必要があるのです。また、原則として老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に繰り上げることになります。どちらか一方だけ繰り上げるということはできないため、注意しましょう。
「繰上げ受給」のメリット・デメリットを踏まえて自分に合った選択をしよう
繰上げ受給には通常よりも早くもらえるというメリットがありますが、その分、減額されてしまうというデメリットもあります。良い面ばかりではないのです。これらのメリット・デメリットを踏まえたうえで、年金が減額されたとしても、60歳からは年金を受け取り足りない分を働いて補うほうがよいのかどうか、自分に合った選択を行うようにしましょう。
出典
日本年金機構 年金の繰上げ受給
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー