更新日: 2022.11.22 その他年金

子どもがいる家庭は確認しておきたい、もしものときに役立つ「遺族年金」を紹介

子どもがいる家庭は確認しておきたい、もしものときに役立つ「遺族年金」を紹介
年金と聞くと、老後にもらえるお金のイメージですが、ほかにももらえる制度があるのをご存じですか?
 
所定の障害状態になった場合に対象となる「障害年金」と、世帯主が死亡した際に対象となる「遺族年金」です。
 
このうち、今回は万が一のときの遺族補償として給付される、遺族年金について解説します。特に子どもがいる場合には心強い制度ですので、ぜひ参考にしてみてください。

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遺族年金制度とは?残された配偶者や子どもを守る仕組み

遺族年金は、世帯主が死亡した場合に残された家族への補償として給付される制度です。
 
遺族年金の対象となる家族には所定の範囲がありますが、亡くなった人と生計維持関係にある家族が対象です。一般的には、配偶者や18歳未満の子どもが対象となる場合が多いです。
 
また、給付を受けられる金額についても、誰が遺族年金の受給者になるかによって違いがあります。ここからは、遺族年金制度の概要について紹介します。
 

遺族年金には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」がある

遺族年金には2種類あります。世帯主がどの年金制度に加入していたかによって、遺族が受け取れる遺族年金の種類が変わります。
 
まず基本となるのは、国民年金に加入していた場合に対象となる「遺族基礎年金」です。さらに、会社員など給与所得者は、「遺族厚生年金」が上乗せされます。
 
それぞれの制度の対象になるには、次の要件を満たす必要があります。
 
【遺族基礎年金の受給要件】
次のいずれかを満たす人が亡くなった場合、その遺族は遺族基礎年金の対象となります。
 
・国民年金の被保険者である間に死亡したとき
・国民年金の被保険者であった60歳以上65歳未満の方で日本国内に住所を有していた方が死亡したとき
・老齢基礎年金の受給権者であった方が死亡したとき
・老齢基礎年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
 
【遺族基礎年金の受給対象者】
・子のある配偶者
・子(18歳になった年度の3月31日まで、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態)
 
【遺族基礎年金の受給額(令和4年4月分から)】
・子のある配偶者が受け取るとき 77万7800円+子の加算額
・子が受け取るとき 77万7800円+2人目以降の子の加算額
・1人目および2人目の加算額 各22万3800円
・3人目以降 各7万4600円
 
【遺族厚生年金の受給要件】
次の要件のいずれかを満たす人が亡くなった場合、遺族は遺族厚生年金の対象となります。
 
・厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
・厚生年金の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で初診日から5年以内に死亡したとき
・1級・2級の障害厚生(共済)年金を受け取っている方が死亡したとき
・老齢厚生年金の受給権者であった方が死亡したとき
・老齢厚生年金の受給資格を満たした方が死亡したとき
 
【遺族厚生年金の受給対象者】
遺族厚生年金の受給対象者は、遺族基礎年金よりも範囲が広いのが特徴です。ただし、以下全ての人が受給できるのではなく、最も優先順位の高い人が受給できます。
 
また、前述の遺族基礎年金の要件も満たしている場合には、併せて受給できます。
 
・妻(ただし30歳未満の場合は受給できるのは5年間)
・子(18歳になった年度の3月31日まで、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態)
・夫(死亡時に55歳以上で、60歳以降で受給開始)
・父母(死亡時に55歳以上である場合のみ)
・孫(18歳になった年度の3月31日まで、または20歳未満で障害等級1級または2級の状態)
・祖父母(死亡時に55歳以上である場合のみ)
 
【遺族厚生年金の年金額】
遺族厚生年金の年金額は、亡くなった人の厚生年金の報酬比例部分の4分の3相当額です。
 
ただし、配偶者(妻・夫)と子が対象となる場合では、亡くなった人の厚生年金加入期間が300月に満たない場合でも、300月(25年)加入していたものとみなして計算します。したがって、万が一若くして亡くなった場合でも、最低限の遺族補償は安心できるということになります。
 

子どもがいない場合や子どもが18歳を超えたら遺族年金はどうなる?

子どもがいない夫婦の場合で夫が亡くなった場合、妻は遺族基礎年金を受給できません。遺族基礎年金の受給対象者は、「子のある妻」と「子」です。つまり、子のない妻は遺族基礎年金の受給対象にはならないということです。
 
ただし、亡くなった夫が会社員など給与所得者の場合で、遺族厚生年金の受給要件を満たしている場合には、子のない妻も対象になります。子どもがいない夫婦で妻が30歳未満の場合は、受給期間が5年間と決まっています。
 
遺族基礎年金と遺族厚生年金は、どちらも子どもがいる場合には対象となります。
 
受給できる「子」とは、18歳になった年度の3月31日までにある人、または20歳未満で障害年金の障害等級1級または2級の状態にある人を指す、という年齢の要件がある点に注意しましょう。遺族年金の対象となる子が要件の年齢を超えた場合、子は年金受給ができなくなります。
 
さらに、遺族基礎年金では、子どもがいることで妻も年金の対象となっているため、子どもが18歳(あるいは20歳)を超えると、妻は遺族基礎年金がもらえなくなります。
 

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遺族年金でもらえるお金は非課税

世帯主に万が一のことがあった場合、生命保険などで遺族補償に備えることもできます。生命保険で遺族補償に備えた場合、保険契約者と受取人の関係に応じて所得税、贈与税、相続税のいずれかが課税されます。
 
一方、遺族年金制度で受給するお金は非課税となるため、遺族がこれから生きていくために必要な資金を確保できます。この非課税になる点は、民間の保険などと比較して、遺族年金制度が優れている点として挙げられます。
 

まとめ

遺族年金制度は、亡くなった人が加入している年金によって、適用される内容や範囲が変わります。また、子どもの年齢にも支給要件があります。
 
遺族年金に関する相談窓口は、最寄りの年金事務所等です。また、日本年金機構WebサイトでもQ&Aの確認ができますので、ぜひ活用してみてください。
 

出典

日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No,1750 死亡保険金を受け取った時
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部