更新日: 2022.11.24 厚生年金

厚生年金の最高額がもらえている人は人口の何割? どんな暮らしができるの?

厚生年金の最高額がもらえている人は人口の何割? どんな暮らしができるの?
年金には基礎年金(国民年金)と厚生年金があります。国民年金加入者は前者のみ、厚生年金加入者は両方が支給されます。つまり、年金の「2階建て」の仕組みがあるため、厚生年金は基礎年金に上乗せして支給されるのです。では、厚生年金は最高でどれくらいになるのでしょうか。
 
この記事では、厚生年金の最高額を試算して、どのくらいの暮らしができるのかを考えます。

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厚生年金の最高額

厚生年金の受給額は3つの要素によって構成されています。「報酬比例年金額」と「経過的加算」および「加給年金額」の合計額です。このうち、受給額の大部分を占める「報酬比例年金額」は、厚生年金加入期間に納めた保険料で決められます。納付する保険料は、毎月の給与と年間の賞与にそれぞれ18.3%を掛けた金額です。この金額を労使で折半して支払うことになります。
 
ただし、この計算には「標準報酬月額」と「標準賞与額」を用います。前者は、給与の額を一定の幅で区分し、1等(月額8万8000円)から32等(月額65万円)まで分かれています。また、後者は税引き前の賞与額から1000円未満の端数を切り捨てた額となります。
 
さらに、計算に用いる賞与額には上限があり、支給1回につき150万円、年に3回までとなっています。支給が4回以上ある場合には、標準報酬月額の対象に振り分けられます。ここで、厚生年金保険料の最高納付額を考えてみましょう。
 
標準報酬月額の最高額は最高等級32等の65万円です。保険料は毎月11万8950円、事業者との折半額は5万9475円、年間では折半額で71万3700円となります。また、標準賞与額の最高額は150万円です。仮に年3回の支給とすると、折半額で年間41万1750円になります。
 
では、厚生年金としてもらえる最高額はいくらになるでしょうか。平成15年4月以降に厚生年金に加入した場合の年金額(年額)は「平均標準報酬額」に5.769(従前額保障の乗率)を掛けて1000で割ったものに厚生年金の加入月数をかけ合わせた算出式で計算できます。なお、「平均標準報酬額」とは、「標準報酬月額」と「標準賞与額」の総額を「厚生年金の加入月数」で割った額のことです。
 
例えば、40年間(480ヶ月)厚生年金保険料の最高額を支払い続けた場合、標準報酬月額の保険料は毎年142万7400円(折半額71万3700円)および、標準賞与額の保険料は毎年82万3500円(折半額41万1750円)、毎月の「平均標準報酬額」は18万7575円となります。ここに上記の年金額の算出式を当てはめると、年額519万4080円がもらえるわけです。月額で43万2840円となります。
 

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厚生年金の最高額の人口比率について

総務省統計局によれば、厚生労働省が集計している「厚生年金保険・国民年金事業状況」で、厚生年金の受給者数および受給者1人当たりの平均年金月額が調べられます。しかしながら、上記で試算した最高額の年金受給者の人口比率を算出した公式データは公表されていないようです。
 

最高額を受給するとどんな暮らしができるか?


 
試算より年収約500万円、月額だと約40万円を超えるくらいの暮らしが可能です。ただ、賃貸でそれなりの場所や建物に居住すれば、家賃などの固定費も必要になるため、生活に困窮することはなくても、それほどぜいたくはできないレベルだと思われます。
 

あくまでも試算として理解しましょう

ここで行った試算はあくまでも仮定に基づいたものなので、最高額を算出するとこうなるという参考数値でしかありません。そもそも給与の月額が65万円以上、年間の賞与が3回で150万円以上ということは、単純計算で年収1200万円を超えています。20歳で就職して60歳まで働くと40年間になりますが、その給与水準を40年間続けることは現実的には難しいでしょう。
 

出典

厚生労働省 日本の公的年金は「2階建て」
厚生労働省 年金の支給要件と年金額
日本年金機構 厚生年金保険料の計算方法について教えてください。
日本年金機構 年金額の計算に用いる数値
日本年金機構 厚生年金保険の保険料
日本年金機構 厚生年金保険料額表
総務省統計局 厚生年金・国民年金別受給者数及び平均年金月額
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部