更新日: 2022.11.28 その他年金

「65歳まで待てません!」60歳から年金を受け取る場合のメリット・デメリットは?

「65歳まで待てません!」60歳から年金を受け取る場合のメリット・デメリットは?
年金は原則として65歳からの受け取りとなりますが、希望すれば「繰上げ受給」の形で60歳から受け取ることができます。60歳で定年を迎える人など、60歳以降の収入源がない人では現実的な選択肢になり得ることでしょう。ただし、繰上げ受給にはメリットだけでなく、いくつかデメリットもあります。
 
本記事で詳しく解説しますので、注意点も知った上で繰上げ受給するか判断しましょう。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金を60歳から受け取る場合のメリット

年金を60歳から受け取ることのメリットは案外多くありません。メリットを享受できる人のパターンも限られます。考えられる主なメリットは次の2つです。
 

・生活費の不足を補える

60歳を区切りに年収が大きく変わることがあります。例えば、「60歳で定年を迎えて無収入となった人」や「60歳で役職定年となり給料が大幅に減る見込みの人」など、収入が大きく減ってしまうケースでは、繰上げ受給によって生活費の不足を補えます。
 

・十分もらわずに寿命を迎える心配を減らせる

健康上の不安があり、65歳からでは年金を十分もらえずに寿命を迎えることを心配する人の場合、繰上げ受給によってその不安を減らせます。
 

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年金を60歳から受け取る場合のデメリット

年金の繰上げ受給はデメリットのほうが多いため、請求を行う際は慎重に判断する必要があります。主なデメリットは以下の4つです。
 

・減額される

まず、年金を前倒しで受け取ると、繰り上げた期間に応じて減額されます。昭和37年4月2日以降生まれの人の場合、繰り上げた月数×0.4%の率で減額されます。
 
65歳からの年金を60歳からに繰り上げた際の月数は、12ヶ月×5年の60ヶ月となります。60ヶ月に0.4%をかけると24%となり、つまり65歳以降で本来もらえる年金額の4分の3程度に減ってしまうわけです。また、減額された年金額が生涯続きます。繰り上げ請求後の取り消しはできません。
 

・老齢基礎年金と老齢厚生年金は同時に繰り上げ請求しなくてはならない

会社員など、厚生年金保険の被保険者であった人の場合、老齢厚生年金も支給されることになりますが、老齢基礎年金と老齢厚生年金の繰り上げは別々には行えません。原則として、この2つの繰り上げ請求は同時に行う必要があり、60歳からの支給とすると、それぞれについて24%ずつ減額されます。
 

・他の年金との併給はできない

65歳までの間に遺族厚生年金や遺族共済年金の受給権を得ても、65歳までは併給できず、繰り上げ請求した老齢年金と遺族年金のどちらかを選ばなくてはなりません。また、繰り上げ請求した日以降、65歳までの間に寡婦や障害状態になっても、寡婦年金や障害基礎(厚生)年金はもらえません。治療中の病気や持病がある人は、特に注意する必要があります。
 

・国民年金に任意加入できなくなる

繰り上げ請求後には、国民年金に任意加入できなくなります。また、保険料の追納もできません。
 

繰り上げによって減額される年金額を試算しておこう

年金の受給開始年齢をどこに設定するのがよいのか、また繰上げ受給をしたほうがお得なのかは、個々の事情によって異なります。大事なのは、繰り上げによって年金額がどの程度減ってしまうのかを前もって試算しておくことです。
 
50歳以上の人の場合、「ねんきん定期便」には年金見込み額が記載されています。お伝えした減額率を使って60歳以降の繰り上げ年金額を61歳や62歳なども含めて、いくつかシミュレーションしておきましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰上げ受給
日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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