更新日: 2022.12.02 国民年金
「年金って月数万しかもらえないのに払う意味あるんですか?」実際どんなメリットがあるの?
そこで今回は、国民年金の保険料を支払うことには意味があるのかを解説します。また、国民年金のメリットも紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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国民年金は月数万円しかもらえないって本当?
結論からいいますと、本当です。国民年金とは、日本国内に住んでいる20歳以上60歳未満の人はすべて加入することになっている公的な年金のことです。個人事業主や農業・漁業に従事している人は、令和4年度の毎月の支払額が1万6590円であり、納付期間は40年間と定められています。
満額を支払った場合、「日本年金機構」によると65歳からの月額支給額は6万4816円です。これに比べ、多くの企業で採用されている厚生年金では、賞与を含む平均標準報酬額43万9000円で考えた場合の支給額は、月額21万9593円となります。
この差を見ると、老後にもらえる数万円のために毎月国民年金の保険料を支払っていく意味が見いだせない人もいるでしょう。実際に保険料を支払っていない人も多くいます。ただし、国民年金へ加入して保険料を支払うのは国民の義務です。長期間支払わないと財産の差し押さえなど、強制的な措置を取られる可能性がありますので注意が必要です。
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国民年金保険料を支払う意味って何?
個人事業主やフリーター、農業・漁業従事者の方は、収入がいつも安定しているわけではないでしょう。国民年金保険料の支払いに意味を見いだせないなら、経済的に苦しい状況の中で払いたくないのは当然です。
では、本当に意味がないのでしょうか。厚生労働省が発表しているレポートでは、令和3年度には国民の78%が国民年金の保険料を支払っており、未納者の数はそれほど多くはありません。ちなみに支払っている人の数は、令和2年度に比べて0.8%伸びています。つまり、支払いに意味を見いだしている人が増えているともいえるでしょう。
主に以下の2つが、国民年金保険料を支払う意味といえます。
1.特定の状況以外、払い損になることはない
2.適用年齢になると確実に受給できる
月に6万4816円を受給できる国民年金は、年間では77万7800円になります。これをもとに考えると、65歳から日本人の男性平均寿命の81歳までの受給額は1244万4800円です。後述する特定の状況を除いて、払い損になることはありません。また、年金の適用年齢になれば確実に受給できるのも、国民年金保険料を支払う大きな意味です。
前述した特定の状況とは、65歳になる前に本人が死亡しており、かつ遺族年金をもらえる対象者がいない場合や、受給が始まっても比較的早く死亡した場合などです。このような状況では、年金をまったく受け取れなかったり、受給額が支払額を大きく下回ったりすることがあります。
国民年金保険料を支払うメリットとは?
国民年金保険料を支払うメリットは、主に以下の5つです。
1.生涯にわたって受給できる
2.経済や社会の変化に強い
3.障害を負った場合に対応できる
4.家計の担い手が亡くなった場合に対応できる
5.所得税と住民税が軽減される
国民年金は、貯蓄のように使い切ってしまう心配はなく、生きている限り支給されます。生涯にわたり老後をサポートしてくれる制度です。また「賃金スライド」や「物価スライド」の仕組みによって、事前には予測不可能な数十年先の物価や生活の水準に対応し、毎月の安定した収入源となります。
けがや病気になった場合は「障害基礎年金」、夫や父親を亡くした家庭へは「遺族基礎年金」が支給されます。また、確定申告の際には、支払った国民年金の保険料全額が社会保険料控除の対象です。以上の5つが、国民年金保険料を支払う上での、大きなメリットといえます。
国民年金の支払いに意味を見いだし、老後のプランを考えよう
国民年金は、特定の状況以外は払い損のない意味のある制度です。しかも、ただ個人的に貯蓄するのとは違い、病気やけが、それに受給者が亡くなった場合にも適切に対応してくれるなど、いくつものメリットがあります。国民年金保険料の支払いに意味を見いだし、人生100年といわれる老後のプランをしっかりと考えていきましょう。
出典
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
日本年金機構 Q&A 国民年金の保険料はいくらですか。
厚生労働省 令和2年度の国民年金の加入・保険料納付状況について
厚生労働省 令和3年度の国民年金の加入・保険料納付状況
厚生労働省 年金制度の仕組みと考え方
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部