更新日: 2022.12.21 厚生年金

老齢厚生年金に上乗せされる「加給年金」は、どんな家庭が対象?

老齢厚生年金に上乗せされる「加給年金」は、どんな家庭が対象?
老齢厚生年金には、「加給年金」を上乗せして受け取れる場合があることをご存じでしょうか? 定められた要件を満たす家庭が年金事務所へ申請を行えば、年金とともに支給されます。
 
本記事では、加給年金とはどんな制度か、受け取れる対象などを解説します。

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加給年金とはどんな制度?

老齢厚生年金を受給できる人(夫・妻)に生計を維持されている、65歳未満の配偶者や18歳未満(要件によっては20歳未満)の子などがいる場合に支給される加算額をさします。
 
対象となる家庭にはいくつかの必要要件があり、主に下記などが挙げられます。

・加給年金の対象となる人の厚生年金加入期間が20年以上
・配偶者が65歳未満
・生計を維持されている配偶者・子と生計が同じで、年収850万未満
・18歳未満の子・20歳未満で1級・2級の障害のある子がいる

加給年金を受け取るには、必要な書類に記入して年金事務所に届け出ることが必要です。
 

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上乗せされる金額はどのくらい?

令和4年4月からの加給年金額は「年22万3800円」が基本で、配偶者・子の数によって加算されます。配偶者の場合は老齢厚生年金を受給している人の生年月日に応じて、3万3100円から16万5100円の「配偶者特別加算」がつきます。
 
対象となる配偶者が65歳になって老齢基礎年金をもらえるようになると加給年金は打ち切られ、その代わりに配偶者の老齢基礎年金に「振替加算」がつきます。振替加算は、配偶者が亡くなった後も受けられます(令和4年度の場合は、昭和41年4月1日以前に産まれた配偶者から)。
 

<厚生年金に加入している人の老齢厚生年金に加算される加給年金額の例>

・65歳未満の配偶者は
基本金額22万3800円+配偶者特別加算(最大値)16万5100円=年38万8900円
 
・子がいる場合は第2子まで年22万3800円(1人につき)、第3子から年7万4600円(1人につき)
 

<振替加算の金額例>

配偶者の生年月日によって、振替加算の金額が異なります。
 
昭和36年4月2日から昭和41年4月1日生まれは「年1万4995円」、昭和35年4月2日から昭和36年4月1日生まれは「年2万813円」です。
 

加給年金について注意しておきたいことは?

加給年金について、いくつかの注意点があります。
 

1.部分年金には加給年金が加算されない

年金支給開始年齢の引き上げにより、報酬比例部分のみとなった年金(部分年金)には加給年金が加算されません。例えば、男性で昭和24年4月2日以後、女性で昭和29年4月2日以後の生まれでは、65歳になるまで部分年金のみ・または無年金となることもあります。
 

2.夫婦ともに厚生年金の加入期間が20年以上の場合、加給年金が加算されないこともある

夫婦いずれも厚生年金に20年以上加入している場合、加給年金がつくのは配偶者の老齢厚生年金が受給開始されるまでです。
 

3.配偶者が年上の場合には、加給年金が加算されない

厚生年金に加入している人が加給年金を受けられる年齢になった時点で、生計を維持されている配偶者が65歳以上の場合には加給年金が加算されません。
 
例えば、厚生年金に20年以上加入しているAさんが65歳になった時に配偶者Bさんが66歳だった場合には、Aさんの年金に加給年金は加算されず、Bさんの老齢基礎年金に振替加算が加算されます(振替加算の請求手続きが必要です)。
 

まとめ

加給年金と振替加算は、給料に例えると家族手当のようなものです。
 
しかし、「ねんきん定期便」には加給年金と振替加算は記載されていないので、自分が老齢厚生年金を受給できる年齢になる時に、加給年金などを請求できるのか事前に年金事務所に問い合わせて調べておくことが重要です。
 

出典

日本年金機構 加給年金額と振替加算
日本年金機構 加給年金額を受けられるようになったとき
日本年金機構 振替加算を受けられるようになったとき
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部