更新日: 2023.01.10 国民年金

大学在学中に「年金」を支払っていなかった場合、「将来の年金額」はどれくらい減る?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

大学在学中に「年金」を支払っていなかった場合、「将来の年金額」はどれくらい減る?
日本国内に住むすべての20歳以降60歳未満の人は、国民年金保険料の納付が義務付けられており、学生で収入がない場合も例外ではありません。平成3年3月までは、学生の国民年金加入は任意だったため、手続きをせずにそのままにしている人も多いようです。
 
しかし、手続きを行わずにいると未納になり、将来の年金受給額が減額されてしまいます。本記事では未納の場合に減額される年金額や、減額を免れる方法について紹介します。
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未納期間が大学在学中の4年間の場合、月額6000円以上受給額が減額になる

国民年金は20歳から60歳までの40年間(480ヶ月)納めることによって満額を受け取ることができます。令和4年の国民年金(老齢基礎年金)支給額は満額の場合、月額6万4816円(年額77万7792円)です。
 
納付期間に応じた年金受給額は「満額納付の場合の年金額×(実際の保険料の納付月数÷480ヶ月)」で求めることができ、満額を納付した場合は「77万7792円×480ヶ月÷480ヶ月」となります。
 
大学在学中の4年間(48ヶ月)、年金保険料を納めなかった場合、納付期間は432ヶ月(480ヶ月-48ヶ月)となり、受け取ることができる年金額は「77万7792円×432ヶ月÷480ヶ月」で年額70万12円(月額5万8334円)です。満額納付の場合の受給額は年額77万7792円、月額6万4816円なので、年額で7万7780円、月額で6482円減額されることが分かります。
 
仮に、大学在学中のうち、20歳から22歳までの2年間(24ヶ月)未納だったケースでも、「77万7792円×456ヶ月(480ヶ月-24ヶ月)÷480ヶ月」で年額73万8902円(月額6万1575円)となり、満額納付と比較して年額で3万8890円、月額で3241円減額されることが分かります。
 

大学在学中の未納は、減額だけでなく年金を受け取れない可能性も

国民年金保険料が未納の場合、将来受け取る年金額が減るだけでなく、年金を受け取れなくなる可能性もあります。老齢年金を受け取る資格があるのは、資格期間が10年以上必要だからです。卒業後に10年以上資格期間があれば受給することができますが、さまざまな可能性を考えて、大学在学中に手続きをしておくとよいでしょう。
 

大学在学中にとっておくべき年金の手続き「学生納付特例制度」

大学生などの学生が申請できるのは、在学中の保険料の納付を猶予する「学生納付特例制度」です。同制度の対象者は、学生納付特例を受けようとする年度の前年の所得が一定以下の学生で、家族の所得は関係ありません。
 
同制度の承認を受けている期間は、老齢基礎年金の受給資格期間10年間に含まれます。大学在学中の4年間、同制度の承認を受けていれば、残りの6年以上の納付などで受給の資格を得ることができるわけです。
 
一方で、追納を行わなければ、将来の年金受給額が減ることに変わりはありません。年金受給額を減らしたくなければ、10年以内に追納を行う必要がありますが、承認を受けた期間の翌年度から3年度目以降に追納する場合は、経過期間に応じた加算額がプラスされる点に注意が必要です。
 

大学在学中の年金保険料納付が難しければ「学生納付特例制度」を申請しよう

大学在学中は「学生納付特例制度」の承認を受けることで年金保険料の納付を猶予してもらうことができます。承認期間は受給資格期間10年間に含まれる点もメリットです。
 
国民年金保険料が未納のままだったり、承認を受けていても10年以内に追納を行わなかったりした場合は、在学中の未納期間に応じて月額6000円以上が減額されます。承認を受けた期間の翌年度から3年度目以降に追納すると、年金保険料が増える可能性があることも覚えておきましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 令和4年4月分からの年金額等について
日本年金機構 平成3年4月前から学生であったにもかかわらず、平成3年4月から国民年金の保険料免除期間とされているのはどうしてですか。
日本年金機構 学生納付特例制度のポイント
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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