【知らないと損!】子育ての「時短勤務」でも将来の年金受給額を減らさない「養育特例」とは

配信日: 2023.01.13

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【知らないと損!】子育ての「時短勤務」でも将来の年金受給額を減らさない「養育特例」とは
育児をしていると、思うように働けないこともありますね。時短勤務や残業時間で労働時間が少なくなると給与が減ってしまい、それに伴い社会保険料も下がります。社会保険料が下がるのは一見うれしいことのように思いますが、将来もらえるはずの年金が減ってしまう恐れもあります。
 
そういった場合に、年金受給額を減らさないように助けてくれる「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置(以下、「養育特例」)」という仕組みがあることをご存じでしょうか。本記事は養育特例の要件や申請方法などについて解説します。

養育特例とはどのような制度?

3歳までの子どもを養育中の人が時短勤務などで働き、それに伴い給与が減り社会保険料が下がった場合、減る前の給与をもらっているとみなし将来もらえる年金額に影響を与えないようにする措置です。
 
会社員の場合、将来もらえる年金額は、どのくらいの厚生年金保険料をどのくらいの期間納めたのかで異なります。この厚生年金保険料は給与に応じた標準報酬月額等で決まります。
 

≪例≫月に額面30万円で働いていた人が出産し、復職後に時短勤務で額面25万円になる場合

●額面30万円⇒標準報酬月額は30万円
給与から天引きされる厚生年金保険料は月2万7450円
 
●額面25万円⇒標準報酬月額は26万円
給与から天引きされる厚生年金保険料は2万3790円

 
本来であれば復職後は標準報酬月額26万円の厚生年金保険料に応じて年金額が計算されますが、養育特例を受けると標準報酬月額30万円のときの厚生年金保険料を払っているとみなされて年金額が計算されます。
 

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養育特例の対象は?

養育特例を受けるには以下2つの要件が必要です。
 

●3歳未満の子どもを養育している(3歳になる月の前月まで)
●養育期間中の各月の標準報酬月額が、養育開始月の前月の標準報酬月額を下回る

 
時短勤務かフルタイム勤務かなどは関係なく、母親・父親問わず、上記に該当する場合は適用を受けることができます。
 

必要な手続きは?

養育特例の適用を受けるとき

養育特例を受けるには、「養育期間標準報酬月額特例 申出書・終了届」の申出書部分を記載して会社経由で管轄の年金事務所に提出する必要があります。条件に該当すれば自動的に受けられるわけではないので、忘れずに申請するようにしましょう。
 
もし申請を忘れてしまったとしても、申請した月の前月までの2年間は「さかのぼって申請」することができます。例えば、子どもが3歳になった月に気付いて申請したとしても、1~3歳までの2年間はさかのぼって養育特例を受けることができます。
 

養育特例の適用を終了するとき

子どもが3歳になった、また退職などで厚生年金保険の被保険者でなくなったという場合には、自動的に養育特例の適用は終了するので基本的に届け出は不要です。しかし、以下に該当する場合は「養育期間標準報酬月額特例 申出書・終了届」の終了届部分を記載して提出する必要があります。
 

●離婚などで養育しなくなった場合
●子どもが亡くなった場合

 

まとめ

養育特例は 将来もらえる年金額を減らさずに済むしくみです。しかし認知度は低く、該当するにもかかわらず申請できていないこともあります。3歳未満の子どもがいて、以下に該当する場合は養育特例の適用を受けられる可能性があります。
 

●時短勤務で働いている人
●残業が減り給与が減った人
●引っ越しなどにより支給される通勤手当が減った人

 
会社からアナウンスがない場合もあるので、忘れずに申請するようにしましょう。
 

出典

日本年金機構 養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置

日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和4年度版)

 
執筆者:齋藤彩
AFP

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