更新日: 2023.01.18 国民年金

「国民年金保険料」を支払えない方必見!「免除・納付猶予制度」を利用しよう!

「国民年金保険料」を支払えない方必見!「免除・納付猶予制度」を利用しよう!
国民年金保険料は、20歳になったら収入に関係なく加入の義務があります。しかし、収入の減少や病気で働けないなど、さまざまな事情によって国民年金保険料を支払えないこともあるでしょう。
 
そのような場合の救済措置として「免除制度」と「納付猶予制度」があります。
 
本記事では、それらの基礎知識や受給額資格に与える影響について解説します。
新川優香

執筆者:新川優香(あらかわ ゆうか)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士

国民年金保険料の免除制度とは?

国民年金保険料の免除制度には、「法定免除」「申請免除」「特例免除」があります。それぞれの対象者や条件などは以下のとおりです。
 

法定免除

法定免除は、「生活保護を受けている方」「障害基礎年金ならびに障害年金(2級以上)を受けている方」「国立ハンセン病療養所などで療養している方」の保険料の全額が免除になる制度のことです。
 
後述する申請免除とは異なり、法定免除は「要件を満たせば全額免除」になります。法定免除の対象者は、市役所または町村役場に「国民年金保険料免除事由(該当・消滅)届」の提出が必要です。
 

申請免除

申請免除には、「全額免除」「4分の3免除」「半額免除」「4分の1免除」の4種類があります。
 
本人や世帯主、配偶者の「前年所得が一定額以下の場合」や「失業した場合」など、保険料の納付が困難な場合に免除が適用されます。申請の際は、市役所または町村役場に「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」の提出が必要です。
 
また「産前産後期間の免除制度」では、出産予定日または出産日が属する月の前月から4ヶ月間は、納付の免除が可能です。さらに、制度を利用している間は、保険料を納付したものとして将来の年金額にも反映されます。申請は出産予定日の6ヶ月前からでき、市役所または町村役場に「国民年金被保険者関係届書」を提出する必要があります。
 

特例免除

特例免除とは、「配偶者から暴力を受けた方」や「失業などで納付が難しいと認められた場合」に、保険料の全額または一部が免除される制度です。
 
配偶者からの暴力によって配偶者との住まいが異なる場合は、相手の所得に関わらず「本人の前年所得」が一定以下であれば全額または一部の納付が免除されます。
 
ただし、父母などの世帯主は所得審査の対象となる場合があります。申請する場合は、近くの年金事務所に「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」の提出が必要なほか、「配偶者と住居が異なることを証明できる書類」などが必要です。詳しくは年金事務所へ相談すると良いでしょう。
 
一方、失業の場合は「本人の所得は審査対象外」となり、「配偶者、世帯主の所得」が審査基準です。市役所または町村役場に「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」を提出することで申請ができます。
 

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国民年金保険料の納付猶予制度とは

納付猶予制度とは、収入の減少などにより保険料が支払えない場合に、保険料を一定期間猶予する制度のことです。学生が対象の学生納付特例も、納付猶予制度の一つです。
 
「20歳以上50歳未満で、本人や配偶者の前年所得が一定額以下の場合」に猶予されます。納付猶予制度では、「世帯主の所得は審査対象外」です。申請には「国民年金保険料免除・納付猶予申請書」が必要となります。
 
ただし、納付猶予はあくまで猶予であり、免除ではありません。「追納しなければ将来受け取る年金額は満額より低くなる」ため、10年以内に追納することをおすすめします。
 

制度を利用するメリットとは?

免除のメリットは、「未納でも2分の1の額の年金が受け取れる」ことです。免除期間は将来受け取る年金額が満額より低くなりますが、国が支払っている分は受け取れます。また、産前産後期間の免除制度に関しては、保険料を支払っているものとして認められます。
 
納付猶予制度を利用するメリットは、期間中に納付しなくて良くなることです。また、猶予中でも老齢基礎年金の受給資格期間の対象となります。将来年金を受け取るには10年以上の受給資格期間が必要になるため、「加入期間に影響を及ぼさない」点はメリットといえます。
 
また、けがや病気など万が一の事態が起きた場合には、免除・猶予ともに障害年金や遺族年金を受け取ることができるため安心です。
 

年金未納はNG! やむを得ない場合のみ免除や猶予の検討を

保険料を支払えなくなった場合は未納のままではなく、免除や納付猶予制度を活用しましょう。
 
猶予は追納しなければ年金額に反映されないため未納と同じ年金額になりますが、それでも障害年金や遺族年金を受け取ることができ、万が一に備えることが可能です。
 
免除においては、全額免除の場合でも年金を半額受け取れるメリットがあります。老後の暮らしを少しでも豊かにするために、保険料の支払いが難しいときは制度の活用を検討してみましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 国民年金保険料の法定免除制度
日本年金機構 国民年金保険料の産前産後期間の免除制度
日本年金機構 配偶者からの暴力を受けた方の国民年金保険料の特例免除について
 
執筆者:新川優香
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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