更新日: 2023.01.23 その他年金

「年金記録問題」とは? 1996年までに年金制度に加入した人は要注意

執筆者 : 西岡秀泰

「年金記録問題」とは? 1996年までに年金制度に加入した人は要注意
2007年に誰の記録かわからない年金記録が5000万件以上もあることが判明し、「年金記録問題」が話題となりました。問題が発覚してから15年以上経過していますが、問題が解決されたわけではありません。
 
本記事では、年金記録問題について解説します。年金記録が漏れている可能性が高い人も紹介しますので、自分の年金記録を見直すときの参考にしてください。

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西岡秀泰

執筆者:西岡秀泰(にしおか ひでやす)

社会保険労務士・FP2級

基礎年金番号と年金記録問題

年金記録問題とは、公的年金を管理する「基礎年金番号」に過去の年金記録が正しく反映されていないケースが多数存在することです。まずは、年金記録の管理とどんな問題が発生したのかを解説します。
 

年金記録の管理と基礎年金番号

1997年1月にすべての年金加入者の年金記録を管理するために、基礎年金番号が導入されました。マイナンバーや健康保険番号と同様、国民(国民年金は原則20歳以上)1人について、1つの基礎年金番号が割り当てられ、年金の加入状況が記録されています。
 
しかし、基礎年金番号導入以前の年金記録は、年金制度ごとに独自の「記号番号」で管理されていました。そのため、国民年金の人は国民年金の記号番号、厚生年金は厚生年金の記号番号、両方の年金制度に加入した人は2つの記号番号を持っていたのです。
 

年金記録問題の発生

1997年1月に国民年金や厚生年金、共済年金それぞれの記号番号は、基礎年金番号に統合され、2つ以上の記号番号を持っていた人も、基礎年金番号1つになりました。
 
しかし、うまく統合できずに誰の年金記録かわからない記号番号がたくさん発生しました。年金記録がうまく統合できなかった主な原因は、次の通りです。

●転職や引っ越しなどにより記号番号が何件もあり一部が統合されなかった
●同姓同名で生年月日も同じで年金記録が特定できなかった
●結婚で名字が変わり、改姓前の姓と改姓後の姓が紐づけできなかった
●名前や生年月日などが正しく記録されていなかった など

日本年金機構では、年金記録の再点検や記録漏れの可能性がある人に通知を出すことで問題の解決に取り組んでいますが、いまだに判明しない年金記録が多数存在するのが実情です。
 

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年金記録が漏れている主なケース

年金記録が正しく統合されずに記録漏れの可能性がある主なケースは次の3つです。1996年までに年金制度に加入した人は、該当するケースがないか注意しましょう。
 

転職の多い会社員の人

転職回数が多く、転職のたびに年金手帳が発行されていた人は要注意です。本来は転職したときに入社書類として年金手帳を提出し、以前からの年金番号(記号番号)を継続使用するのが原則です。しかし、年金手帳が見つからないと新しい年金番号で年金手帳を発行することもあり、転職が多い人の中にはいくつも年金番号を持つ人もいます。
 

結婚などで苗字が変わった人

結婚などで苗字が変わった人は、改姓前の記録が漏れている可能性があります。改姓前後の苗字がうまく紐付けられなかったため、基礎年金番号には現在の姓の年金記録しか登録されていないことがあるからです。再婚した人は苗字が3つ以上あったという場合もあるため、記録が漏れる可能性はより高いでしょう。
 

名前の読み方が複数ある人

年金記録の統合は名前や生年月日などを基に行うため、漢字が正しく登録されていなかったり、フリガナが間違っていたりした場合、うまく統合できない可能性が高くなります。例えば、「髙野(タカノ)」さんの場合、次のように誤って登録されている可能性があります。

●旧字ではなく「高野」と登録されている
●「タカノ」ではなく「コウノ」と登録されている

 

年金記録に疑問を感じたら年金事務所で確認を

年金記録が漏れていると、老後の年金がもらえなかったり受給金額が少なくなったりする可能性があります。毎年送付される「ねんきん定期便」などに記載されている年金記録に疑問を感じたら、年金事務所で確認しましょう。
 

出典

日本年金機構 年金記録問題とは?
日本年金機構 こんな方はぜひ、年金記録に漏れがないかご確認を!
 
執筆者:西岡秀泰
社会保険労務士・FP2級