加給年金と振替加算は申請しないともらえない? 受給条件や手続きは?
配信日: 2023.01.23
本記事では、加給年金や振替申請の概要をはじめ、受給条件や受け取れる額、手続き方法などについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
加給年金とは?
加給年金は、老齢厚生年金の制度のひとつです。老齢基礎年金や老齢厚生年金に加えて受け取れる年金で、老齢厚生年金に加入していることが前提です。年金の家族手当といわれていて、配偶者や子どもなどを養うためのお金に補てんできます。
加給年金の受給条件
加給年金の受給条件は、「老齢厚生年金の被保険者期間が20年以上ある」「65歳に到達した時点で、被保険者から生計を維持されている65歳未満の配偶者または18歳未満の子どもがいる」の2点です。
「生計を維持されている」とは、同居または別居していて仕送りを受けている状態にある、健康保険の扶養親族になっている状態が該当します。また、加給年金額の対象者は、前年度収入が850万円未満または所得が655万5000円未満です。
老齢厚生年金の被保険者期間が20年未満、生計を維持する配偶者や子どもがいない、所得が認定基準を超えている場合、加給年金の受給条件に該当しませんので注意してください。
加給年金の受給金額
加給年金の受給金額は、生計を維持されている配偶者や子どもの年齢によって制限が設けられています。図表1にて、対象者別の加給年金受給金額をまとめましたので参考にしてください。
【図表1】
対象者 | 加給年金額 | 年齢制限 |
---|---|---|
配偶者 | 22万3800円 | 65歳未満(大正15年4月1日以前に生まれた配偶者に年齢制限なし) |
1人目・2人目の子ども | 各22万3800円 | 18歳到達年度の末日までの間の子ども、または1級・2級の障害状態にある20歳未満の子ども |
3人目以降の子ども | 各7万4600円 |
出典:日本年金機構 加給年金額と振替加算
また、老齢厚生年金受給者の生年月日に応じて、配偶者の加給年金額が図表2のように特別加算されます。
【図表2】
生年月日 | 特別加算額 | 加給年金額の合計額 |
---|---|---|
昭和9年4月2日~昭和15年4月1日 | 3万3100円 | 25万6900円 |
昭和15年4月2日~昭和16年4月1日 | 6万6000円 | 28万9800円 |
昭和16年4月2日~昭和17年4月1日 | 9万9100円 | 32万2900円 |
昭和17年4月2日~昭和18年4月2日 | 13万2100円 | 35万5900円 |
昭和18年4月2日以降 | 16万5100円 | 38万8900円 |
出典:日本年金機構 加給年金額と振替加算
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
加給年金の振替加算とは?
加給年金は、配偶者が65歳に達した時点で支給停止となりますが、一定の条件に該当すれば振替加算が支給されます。振替加算とは、配偶者が65歳に到達して老齢基礎年金を受給する場合、その老齢基礎年金に加算される年金です。
●大正15年4月2日から昭和41年4月1日の間に生まれている
●老齢厚生年金や退職共済年金の加入期間が240月(20年)未満である
●共済組合などの加入期間を除いた老齢厚生年金の35歳以降の(夫は40歳以降)加入期間が図表3の月(年)数未満である
【図表3】
生年月日 | 加入期間 |
---|---|
昭和22年4月1日以前 | 180月(15年) |
昭和22年4月2日から昭和23年4月1日 | 192月(16年) |
昭和23年4月2日から昭和24年4月1日 | 204月(17年) |
昭和24年4月2日から昭和25年4月1日 | 216月(18年) |
昭和25年4月2日から昭和26年4月1日 | 228月(19年) |
出典:日本年金機構 加給年金額と振替加算
年齢が若くなるごとに振替加算の受給額が減額し、昭和41年4月2日以後生まれ(昭和61年4月1日に20歳未満)の人はゼロとなるように定められています。詳しくは日本年金機構「加給年金額と振替加算」の振替加算の額を確認してください。
加給年金の申請方法
加給年金の受給条件に該当する場合、年金事務所または年金相談センターにて手続きを行う必要があります。加給年金の手続きに以下の必要な書類を用意したうえで、手続きを進めましょう。
●加給年金額加算開始事由該当届
※特別支給の老齢厚生年金の請求時に、加給年金額の対象者となり得る方が確認されていなかった場合などは、「老齢厚生年金・退職共済年金 加給年金額加算開始事由該当届」
●受給権者の戸籍抄本または戸籍謄本の原本(記載事項証明書)
●世帯全員の住民票の写し(続柄・筆頭者が記載されているもの)
●加給年金の対象となる配偶者や子どもの所得証明書、非課税証明書のいずれか一つ(加算開始日の直近のもの)
加給年金額加算開始事由該当届は、日本年金機構のホームページにアクセスしてダウンロードできます。また、年金申請時に配偶者に関する届け出が完了している場合、社会保険事務センターから郵送されます。
なお、振替加算については、加給年金と異なり手続きは不要です。
加給年金を正しく理解して損をしないようにしよう
加給年金は、老齢厚生年金の被保険者が65歳に達した時点で、扶養する配偶者や子どもがいる場合に支給される年金です。加給年金の受給条件を満たしていても、年金事務所または年金相談センターにて手続きを行わない場合は支給されません。あらかじめ受給条件などを確認し、必要書類を漏れなく準備したうえで手続きを進めてください。
出典
日本年金機構 加給年金額と振替加算
日本年金機構 加給年金額を受けられるようになったとき
日本年金機構 振替加算を受けられるようになったとき
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部