「学生納付特例」は利用しないほうがいい? メリットとデメリットを解説!

配信日: 2023.01.23 更新日: 2023.01.24

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「学生納付特例」は利用しないほうがいい? メリットとデメリットを解説!
学生で収入がないからといって、国民年金保険料を納めなくて良いということはありません。日本に住む20歳以上60歳未満の学生や自営業者といった第1号被保険者は、国民年金保険料を納める義務があります。
 
しかし、約2万円近くある保険料を学生が毎月支払うのは大変でしょう。そこで利用したいのが学生の間は保険料の納付が免除される「学生納付特例制度」です。
 
本記事では、学生納付特例のメリットとデメリットを解説していきます。
新川優香

執筆者:新川優香(あらかわ ゆうか)

2級ファイナンシャル・プランニング技能士、宅地建物取引士、賃貸不動産経営管理士

学生納付特例制度を利用するメリットとは?

学生納付特例を利用するメリットは、以下の3つです。

●学生の間は保険料を納めなくていい
●老齢基礎年金の受給資格期間の対象となる
●障害基礎年金で万が一に備えられる

 

学生の間は保険料を納めなくていい

学生納付特例を利用することで、学生の間は保険料の納付が猶予されます。猶予された保険料は、10年以内であればさかのぼって納めることが可能です。あくまでも「猶予」であり、納付自体を免除されるものではないので、誤解しないよう気をつけましょう。
 
また、公務員や会社員となって働き始めてから追納すると、社会保険料控除を受けられるので、節税効果が期待できます。
 

老齢基礎年金の受給資格期間の対象となる

老齢基礎年金を受け取るには、10年以上の資格期間(支払った・免除になったなどの期間)が必要です。しかし、学生の間に特例の手続きをすることで、支払っていなくても受給資格期間として認められます。
 

障害基礎年金で万が一に備えられる

年金は老後だけに役立つものではありません。老齢年金のほかに障害年金や遺族年金の保障があり、特定の障害を負った場合は障害基礎年金を受け取ることが可能です。
 
老齢基礎年金と同様に障害基礎年金や遺族基礎年金を受け取るには、保険料を一定期間納付する必要がありますが、学生納付特例を利用している期間中も対象期間に含まれます。
 

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学生納付特例を利用するデメリットとは?

学生納付特例を利用するデメリットは、以下の3つです。

●将来支払う必要がある
●年金額(老齢基礎年金)に反映されない
●追納で納付額が増える可能性がある

 

将来支払う必要がある

メリットでもお伝えしましたが、免除ではなく猶予なので、将来的に保険料を支払わないと年金が満額より減ってしまいます。猶予中に督促はなく、忘れてしまいがちなので注意が必要です。
 
また、就職後に追納することで社会保険料控除が受けられるので、所得が高くなってから納付すると節税効果が期待できます。
 

年金額(老齢基礎年金)に反映されない

保険料の納付が猶予されている学生の間は、年金の受給資格期間の対象となりますが、将来受け取る年金額には反映されません。要するに追納せず放置すると、受け取る年金額は減ってしまうのです。
 

追納で納付額が増える可能性がある

保険料の免除もしくは猶予を受けた期間の翌年度から起算して3年度目以降に追納すると、承認を受けた当時の保険料額に対して、経過した期間に応じた加算額が追加されます。2年以内であれば保険料額は上乗せされないので、追納する場合は2年以内が望ましいでしょう。
 

まとめ

本記事では学生の間保険料の支払いが猶予される、学生納付特例のメリットとデメリットを解説しました。収入の少ない学生にとっては毎月の負担を無くすことができるので、支払いが難しいときは利用をおすすめします。
 
追納の時期によっては加算額が追加される点がデメリットのため、追納計画も立てておきましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料の追納制度
日本年金機構 国民年金保険料
国税庁 No.1130 社会保険料控除
 
執筆者:新川優香
2級ファイナンシャル・プランニング技能士

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