更新日: 2023.02.07 iDeCo(確定拠出年金)

iDeCoの運用商品をどうやって選ぶ? ~アクティブ運用とインデックス(パッシブ)運用~

執筆者 : 大泉稔

iDeCoの運用商品をどうやって選ぶ? ~アクティブ運用とインデックス(パッシブ)運用~
iDeCoは運用商品(=投資信託、本稿では以下ファンドと称します)が用意されていて、自身でファンドを選びます。では、どのようにファンドを選んだら良いのでしょうか? ファンドは、おのおの運用方針が定められています。運用方針は「インデックス(パッシブ)」と「アクティブ」に分けることができます。
 
本稿では、ファンドを選ぶ視点として、「アクティブ」と「インデックス(パッシブ)」について、お話しいたします。
大泉稔

執筆者:大泉稔(おおいずみ みのる)

株式会社fpANSWER代表取締役

専門学校東京スクールオブビジネス非常勤講師
明星大学卒業、放送大学大学院在学。
刑務所職員、電鉄系タクシー会社事故係、社会保険庁ねんきん電話相談員、独立系FP会社役員、保険代理店役員を経て現在に至っています。講師や執筆者として広く情報発信する機会もありますが、最近では個別にご相談を頂く機会が増えてきました。ご相談を頂く属性と内容は、65歳以上のリタイアメント層と30〜50歳代の独身女性からは、生命保険や投資、それに不動産。また20〜30歳代の若年経営者からは、生命保険や損害保険、それにリーガル関連。趣味はスポーツジム、箱根の温泉巡り、そして株式投資。最近はアメリカ株にはまっています。

インデックス(パッシブ)運用とは

「インデックス(パッシブ)運用」とは、ベンチマーク(参考指標)に連動した値動きを目指す運用方針のことです。ベンチマークとは、TOPIX(東証株価指数)や日経平均、NYダウなどの指数を指します。
 
例えば、ファンドの月次レポートや目論見書などに「TOPIXの動きに連動した運用成果をめざします」というように書かれていれば、TOPIXをベンチマークとしたインデックス型のファンドだということになります。TOPIXの動きはニュースサイト等でも確認することができますので、自身が選んだファンドの値動きも把握できます。
 

アクティブ運用とは

「アクティブ運用」は前述のベンチマークを上回る運用成績を狙うファンドです。「ベンチマークと連動」という縛りがないため、運用の担当者(=ファンドマネジャー)の腕しだいということになります。
 
運用担当者の過去の運用実績を見るには、運用報告書や運用レポート等の資料で、過去の運用実績を確認しましょう。ベンチマークに対し、何パーセント上回っているか(または下回っているか)、数値で表されています。
 
なお、アクティブ運用は高い成績を狙うことでより多くのリターンを期待できますが、同時に(一般的には)その分リスクも高い傾向になる、いわゆるハイリスク・ハイリターンともいえます。また、一般的に、「インデックス(パッシブ)運用」と比べると「アクティブ運用」のほうが、信託報酬(運用管理費用)が高い傾向にあります。
 

iDeCoではアクティブ運用とインデックス(パッシブ)運用、どちらを選んでいる?

iDeCoでは、アクティブ運用とインデックス(パッシブ)運用、どちらを選ぶ方が多いのでしょうか?
 
すべての年代で、そしてすべてのファンド(国内株式型・国内債券型・海外株式型・海外債券型・バランス型)で「アクティブ運用」よりも「インデックス(パッシブ)運用」を選ぶ割合が高いようです。そして、特に年齢層が若いほど、パッシブを選ぶ割合が高いです。
 
【表1】
 

 
(出典:運営管理機関連絡協議会 投資信託等の選択状況パッシブ・アクティブ⽐率(2022.3末))
  

まとめに代えて

若い年齢層のほうが、より「インデックス(パッシブ)運用」を選ぶ傾向にある理由までは読み取ることはできません。
 
先述のとおり、「インデックス(パッシブ)運用」に比べると、「アクティブ運用」のほうがハイリスク・ハイリターンの傾向にあり、一般的には「アクティブ運用」のほうが信託報酬(運用管理費用)」が高い傾向にあります。若い年齢層は、そうした違いに敏感なのかもしれないと筆者は推察します。
 

出典

一般社団法人投資信託協会 確定拠出年金ではどんな運用商品が用意されている?

運営管理機関連絡協議会 確定拠出年⾦統計資料(2022年3月末)29ページ

 
執筆者:大泉稔
株式会社fpANSWER代表取締役

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