更新日: 2023.02.18 国民年金

学生納付特例制度を利用して保険料を納付しなかった場合、年金はどれくらい減る?

学生納付特例制度を利用して保険料を納付しなかった場合、年金はどれくらい減る?
国民年金保険料は20歳以上になると支払わなければいけませんが、学生の場合は大きな負担になる場合が多いです。そこで「学生納付特例制度」を利用して、在学中の保険料納付を猶予する場合もあるでしょう。
 
学生納付特例制度は、在学期間が終わった後に追納することで、年金額を満額にすることも可能です。しかし、追納しなかった場合の年金額はいくら減るのでしょうか?
 
そこで本記事では、学生納付特例制度で保険料を納付しなかった場合に、年金がいくら減るのかについて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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そもそも学生納付特例制度とは?

一定以下の所得の学生が対象で、国民年金保険料の納付を猶予する制度です。
 
128万円+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等よりも所得が少ない場合は、対象となります。
 
納付の猶予をする制度なので、猶予された期間については国民年金の年金額に反映されません。そのため、猶予された期間分の年金額は少なくなります。
 
社会人になってから追納することも可能です。追納できる期間は10年間で、この間に追納すると、国民年金の年金額に反映されます。
 

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学生納付特例を利用して追納しない場合、受け取れる年金はいくら減る?

追納期間に保険料を納付しなかった場合、受け取れる年金額はいくら減るのでしょうか?
 
国民年金は納付の日数で年金額が変わってきます。20歳から60歳までの40年間、月にすると480ヶ月間すべて保険料を納付すると、令和4年度の場合、満額の77万7800円を受け取ることが可能です。
 
しかし、学生納付特例制度を利用した場合は、利用した期間は納付の日数に加算されません。例えば20歳から22歳までの3年間、学生納付特例制度によって納付を猶予され追納をしなかった場合は、36ヶ月分が減額されます。
 
77万7800円×444÷480=71万9465円 となり、満額から5万8335円減ってしまいます。
 
年間で5万8335円なので、あまり変わらないように感じるかもしれません。しかし、65歳から90歳まで受け取ると考えると、145万8375円も変わってしまいます。
 
年金は、長生きすればするほど多く受け取れるので、追納することも考えたいところです。
 

年金を満額受け取る方法

国民年金を満額受け取る方法としては、追納する、任意加入制度を利用する、親が代わりに納付する、という3つを挙げられます。
 

(1)追納する

1つ目は追納することです。制度を利用してから10年間は追納できるので、社会人になるなどして経済的に余裕が出た場合に追納することも考えましょう。追納した保険料は社会保険料控除としても使えるので、節税にもなります。
 

(2)任意加入制度

一定の要件を満たすと、60歳から65歳までの間に国民年金に任意加入できます。任意加入し、36ヶ月分を納付できれば、国民年金を満額受け取ることが可能です。
 

(3)親が代わりに納付する

親が代わりに保険料を納付することも選択肢の1つです。この場合は、保険料を納付した親が社会保険料控除を利用できます。子は保険料納付ができ、親は節税できるので、どちらにもメリットがある方法です。
 

追納しない場合は年間で5万8335円年金額が減ることを覚えておきましょう

本記事では、学生納付特例制度で保険料を納付しなかった場合、年金がいくら減るのかについて解説しました。
 
保険料の納付は学生には厳しい場合もあるので、学生納付特例制度は心強い制度です。しかし、追納しない場合は年間で5万8535円もの年金額が減ってしまいます(※令和4年度の支給額で計算した場合)。
 
将来の年金額を満額受け取りたい場合は、追納や任意加入、親が代わりに納付するという方法も検討しましょう。
 

出典

日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 任意加入制度
国税庁 タックスアンサー(よくある税の質問)より No.1130 社会保険料控除
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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