更新日: 2023.02.22 その他年金

年金が少なく「生活保護」も受給したい…条件や手続きの流れを解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

年金が少なく「生活保護」も受給したい…条件や手続きの流れを解説
国民年金保険料を納めていない期間があったなどの理由で、年金(老齢基礎年金や老齢厚生年金)を受け取れなかったり、受け取れても金額が低かったりする人はいます。
 
資産が豊富にあり、働くなどして収入が得られているなら問題ありませんが、そうでない場合は生活に困窮する可能性も出てくるでしょう。一つの解決策として、生活保護を受給することが考えられます。本記事では、年金を受給している人が生活保護を受け取るための条件と、手続きの流れについて解説します。
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生活保護制度とは

生活保護制度とは、生活に困窮している人に対して、困窮の程度に応じた保護を行うことで、健康で文化的な最低限度の生活を保障し、自立を助長することを目的とした制度です。図表1のように、生活を営む上で必要な各種費用に応じ、扶助が支給されます。
 
図表1 扶助の種類
 

生活扶助  日常生活に必要な費用(食費・被服費・光熱費等)
住宅扶助 アパート等の家賃
教育扶助  義務教育を受けるために必要な学用品費
医療扶助 医療サービスの費用
介護扶助  介護サービスの費用
出産扶助  出産費用
生業扶助 就労に必要な技能の修得等にかかる費用
葬祭扶助 葬祭費用

 
厚生労働省 生活保護制度を基に作成
 

生活保護を受けるための条件

生活保護を受けるためには、以下の4つの条件を満たさなくてはいけません。
 

●世帯収入が最低生活費を下回っている
●家族など、身内からの支援がない
●病気やけがで働けない
●マイホームや車などの資産を持っていない

 
住宅や車を所持していても生活保護を受給できる場合もありますが、単に「お金がない」というだけでは、生活保護を受給できないので注意しましょう。また、障害年金など他の制度で給付を受けられる場合は、そちらを優先して使うのが前提になります。
 

最低生活費は地域・家族構成で異なる

最低生活費は地域や家族構成で異なるため、一概にいくらとはいえません。都市部なら高めになる一方、地方なら安めになると考えましょう。
 
例えば、東京都豊島区の場合、70~74歳の独居世帯の最低生活費は毎月12万7920円となります。毎月受け取れる年金がこの額を下回っていて、先ほど触れた4つの条件を満たすなら、生活保護を受けられる可能性が出てくるでしょう。
 

生活保護を受給するための手続き

生活保護を受給するためには、まず管轄の福祉事務所に出向く必要があります。生活保護担当から説明を受け、保護の申請をし、承認されれば保護費が支給される流れです。
 
特に書類は必要ありませんが、申請をした後の調査で世帯の収入・資産等の状況がわかる資料として、通帳の写しや給与明細などが必要になるケースもあります。提出するよう求められたら、忘れずに用意しましょう。
 

否決された場合は審査請求を

万が一、生活保護の受給を申請したにもかかわらず「否決」された場合は、「審査請求」を行いましょう。
 
不服申立書を作り、福祉事務所や都道府県の管轄する部署(東京都の場合は総務局総務部法務課)に提出します。審査請求の結果に納得がいかない場合は、さらに「再審査請求」を行うことができます。
 

「年金が少ないから」だけでは無理

厳密にいうと、受け取れる年金が少ないからといって、必ず生活保護を受けられるわけではありません。本文でも触れた通り「受けとれる年金が最低生活費を下回っていること」は最低限満たすべき条件になります。
 
そのため単に「年金が少ないから」という理由だけでは、生活保護は受給できない点に注意してください。目立つ病気やけがもなく、身体が動くようなら、負担にならない範囲で働くことも視野に入れましょう。
 

出典

厚生労働省 生活保護制度

厚生労働省 生活保護制度における生活扶助基準額の算出方法(令和4年4月)

公益財団法人東京都福祉保健財団 東京の福祉オールガイド 審査請求(生活保護)

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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