更新日: 2023.02.24 その他年金

時短勤務になりましたが将来の年金額は減りますか? そんなときは養育特例措置を利用しよう

時短勤務になりましたが将来の年金額は減りますか? そんなときは養育特例措置を利用しよう
産休や育休が終わり、職場に復帰する際、時短勤務になる人も多いと思います。しかし、時短勤務になると、フルタイムで働いていたころよりも月収が減ってしまう可能性があります。そして、月収が減ると厚生年金の年金額にも反映されるので、結果的に将来受け取れる年金も減ってしまいます。
 
そこで利用したいのが「養育特例措置」です。本記事では、厚生年金の年金額の決まり方について解説すると共に、養育特例措置について紹介していきます。

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厚生年金の年金額の決まり方

厚生年金の年金額は報酬比例部分と経過的加算、加給年金額を合計したものです。その中でも、基礎になるのが報酬比例部分になります。
 
報酬比例部分は、平成15年4月以降は平均標準報酬額を基にしているのですが、この平均標準報酬額は、毎月の給与に応じた標準報酬月額や賞与に応じた標準賞与額によって求められます。つまり、毎月の給与や賞与によって厚生年金の年金額は決まっているのです。そのため、時短勤務などで月収が減ってしまうと、年金額も減ってしまいます。
 

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養育特例制度

そこで利用したいのが養育特例制度です。正式名称は「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」といいます。
 
子どもが3歳未満の期間に時短勤務などによって働いた結果、標準報酬月額が養育前よりも低くなってしまった場合に、養育する前の標準報酬月額とみなして年金額を受け取れる制度です。この制度によって、時短勤務などによって月収が低くなったとしても、年金額を減らさずに済みます。
 
また、申し出よりも前の期間については、申し出日の前月から2年前までが対象です。つまり、申し出をするのが遅れても申し出の前月から2年前までの期間であれば、標準報酬月額を減らさずに、養育前の標準報酬月額とみなされます。
 

時短勤務などで月収が26万円から20万円に下がった場合

例えば、時短勤務などで月収が25万円から20万円に下がった場合を考えてみると、標準報酬月額は26万円から20万円に下がります。また、厚生年金保険料も2万3790円から1万8300円に減ります。保険料が減ることは負担の軽減につながりますが、将来の年金額のことを考えるとデメリットも大きいです。
 
そこで、養育特例制度を利用することで、時短勤務をしている場合でも標準報酬月額を26万円とみなすことが可能になります。さらに、標準報酬月額そのものは下がっているので、低くなった保険料の支払いで済みます。
 
本事例の場合は、保険料は1万8300円の支払いで済み、標準報酬月額は26万円とみなされるということです。
 

養育特例制度の要件

養育特例制度の利用には要件があり、下記の3つとなります。
 

●子どもが3歳未満であること
●養育期間中の標準報酬月額が養育前よりも低いこと
●厚生年金の被保険者期間が養育開始月の前月から1年以内にあること

 
また、対象期間は養育開始月から3歳到達日の翌日の月の前月までとなっています。
 
これらすべてを満たした上で、厚生年金保険養育期間標準報酬月額特例申出書を、事業主を通じて提出することで手続きできます。
 

ご自身の年金のことも考えましょう

本記事では、厚生年金の年金額の決まり方について解説すると共に、養育特例措置について紹介してきました。
 
家事や育児だけでなく、時短勤務での仕事などでご自身の年金のことまで考えられないかもしれません。しかし、時短勤務で働き始めたにもかかわらず、将来の年金額が減らされてしまうのは損になってしまいます。
 
そのために養育特例制度があるので、ご自身の年金のことも考えて申請してみましょう。
 

出典

日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額

日本年金機構 は行 報酬比例部分

日本年金機構 養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置

日本年金機構 令和2年9月分(10月納付分)からの厚生年金保険料額表(令和4年度版)

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部