更新日: 2023.03.03 厚生年金

年金を受給しながら「アルバイト」をしたら減額される? いくらまでなら「損」をしないか確認!

年金を受給しながら「アルバイト」をしたら減額される? いくらまでなら「損」をしないか確認!
年金生活者の中には、年金収入だけでは生活が苦しいという理由や、仕事にやりがいがありまだまだ働きたいという理由で、アルバイトなどの労働を考えている人もいるでしょう。
 
しかし、厚生年金受給者が年金収入以外で、厚生年金に加入して一定収入以上稼ぐと、年金額が減らされることがあります。本記事では、いくらまでなら年金が減らされずに済むのかを解説していきます。
辻本剛士

執筆者:辻本剛士(つじもと つよし)

CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプラン二ング技能士、宅地建物取引士、証券外務員2種

活動拠点は神戸。FP個別相談や、プロスポーツ選手の資産形成サポートも行っております。プロスポーツ選手に保険、資産運用、支出の見直しなど包括的なアドバイスや、帳簿などの面倒な記帳業務を代行し、本業に集中できる環境作りをサポートします。

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在職老齢年金とは

老齢厚生年金の受給者が、正社員やアルバイトのような厚生年金の加入要件を満たす労働をして、老齢厚生年金の受給額と労働収入の合計が一定額を超えてしまうとき、厚生年金受給額が減額または支給停止になります。 これを「在職老齢年金」といいます。
 

在職老齢年金の計算方法

結論から言えば、在職老齢年金は「老齢厚生年金(基本月額)と労働収入(総報酬月額相当額)の合計が47万円以下」であれば減額や支給停止にはなりません。
 
在職老齢年金は次の計算で減額や支給停止が決まります。
 
支給停止額=(基本月額+総報酬月額相当額-47万円)×1/2
 
※加給年金は除きます
※総報酬月額相当額とは、月給(標準報酬月額)に直近1年間の賞与を12で割った額を足した額です
 
以下の情報でシミュレーションしてみましょう。

・老齢厚生年金:年150万円
・労働収入:月30万円、賞与年1回54万円

この場合の基本月額と総報酬月額相当額は次の通りです。
 
・基本月額:12万5000円(老齢厚生年金150万円÷12)
・総報酬月額相当額:34万5000円{労働収入30万円+4万5000円(賞与54万÷12)}

 
これを式に当てはめて計算してみます。
 
(12万5000円+34万5000円-47万円)×1/2=0
 
この場合、在職老齢年金が減額や支給停止になることはありません。
 

厚生年金に加入しない働き方

ここまで在職老齢年金は、老齢厚生年金と労働収入の合計が47万円を超える場合に減額や支給停止になると解説してきました。
 
しかし、減額や支給停止になってしまう可能性のある収入は、厚生年金に加入して得ている収入のみです。それ以外の収入は、年金にはほとんど関係がなく、年金の1階部分にあたる「老齢基礎年金」は減額の対象外です。
 
減額や支給停止の対象外になる収入は他にもあり、主に次のような収入が該当します。

・個人事業主として得る事業所得
・厚生年金に加入していないアルバイトやパートで得る収入
・株式や投資信託による配当金や分配金
・不動産投資による家賃収入

これらの収入は厚生年金に加入せずに得られる収入なので、これらの収入があるからといって、年金の減額や支給停止を気にする必要はありません。
 
定年退職を機に個人事業主として事業所得を得るような挑戦をするのも一つの選択肢といえるでしょう。仮に事業の収入があまり伸びなくても年金は毎月受給できます。
 

在職老齢年金の減額や支給停止に注意したうえで働きましょう


 
以上のように、老齢厚生年金と労働収入の合計が47万円を超える場合は年金受給額の減額や支給停止の可能性があります。しかし、厚生年金に加入せずに得られる「事業所得」や「配当金・分配金」「家賃収入」などの収入であれば減額や支給停止の心配はありません。
 
65歳になると年金受給が開始しますが、働くための理由(生活の助けにしたい、やりがいがあるなど)があれば、労働を続けるのもいいでしょう。しかし、働くことで年金が減額されるのは望ましくないので、得る労働収入の金額には注意してください。
 

出典

日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
 
執筆者:辻本剛士
CFP(R)認定者、一級ファイナンシャルプランニング技能士、宅地建物取引士、証券外務員二種

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