【個人年金保険】被保険者が年金の受け取り前や受取期間中に亡くなったら、遺族はもらえるの?
配信日: 2023.03.05 更新日: 2023.03.06
本記事では、個人年金保険の概要や受け取り前と受取期間中に被保険者が死亡した場合、遺族が年金をもらえるかどうかについて解説します。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
FinancialField編集部は、金融、経済に関する記事を、日々の暮らしにどのような影響を与えるかという視点で、お金の知識がない方でも理解できるようわかりやすく発信しています。
編集部のメンバーは、ファイナンシャルプランナーの資格取得者を中心に「お金や暮らし」に関する書籍・雑誌の編集経験者で構成され、企画立案から記事掲載まですべての工程に関わることで、読者目線のコンテンツを追求しています。
FinancialFieldの特徴は、ファイナンシャルプランナー、弁護士、税理士、宅地建物取引士、相続診断士、住宅ローンアドバイザー、DCプランナー、公認会計士、社会保険労務士、行政書士、投資アナリスト、キャリアコンサルタントなど150名以上の有資格者を執筆者・監修者として迎え、むずかしく感じられる年金や税金、相続、保険、ローンなどの話をわかりやすく発信している点です。
このように編集経験豊富なメンバーと金融や経済に精通した執筆者・監修者による執筆体制を築くことで、内容のわかりやすさはもちろんのこと、読み応えのあるコンテンツと確かな情報発信を実現しています。
私たちは、快適でより良い生活のアイデアを提供するお金のコンシェルジュを目指します。
個人年金保険とは?
個人年金保険とは、公的年金や企業年金に上乗せして受け取れる任意の私的年金制度です。「確定年金」「有期年金」「終身年金」の3種類あり、60歳や65歳など、契約時に定めた年齢まで保険料として年金を積み立てていきます。
契約時に定めた年齢に達した後に、積み立てた保険料をもとにした年金を受け取れますが、加入する個人年金保険の種類によって受取期間や被保険者死亡時の受取条件が異なる点に注意が必要です。
また、個人年金保険は、一定の条件を満たすと個人年金保険料控除を受けられる点が特徴です。個人年金保険料控除とは生命保険料控除の一つで、支払った保険料の額に応じて被保険者の所得から一定の控除額を差し引きます。課税対象の所得が減るため、所得税や住民税の負担軽減が可能です。
●個人年金保険税制適格特約の付与対象の保険
●受取人が被保険者(契約者)または配偶者
●受取人が被保険者である
●保険料の払込期間が10年以上
●受取開始が60歳以降で10年以上(確定年金や有期年金の場合)
【PR】資料請求_好立地×駅近のマンション投資
【PR】J.P.Returns
おすすめポイント
・東京23区や神奈川(横浜市・川崎市)、関西(大阪、京都、神戸)の都心高稼働エリアが中心
・入居率は99.95%となっており、マンション投資初心者でも安心
・スマホで読めるオリジナルeBookが資料請求でもらえる
個人年金保険の被保険者死亡時に遺族は年金を受け取れる?
個人年金保険の被保険者が死亡した際には、その年金を遺族が受け取ることが可能です。年金の受け取り前であれば、保険料相当額の死亡給付金を受け取れます。
それに対し、年金受取期間中の被保険者死亡については、個人年金保険の種類(確定年金、有期年金、終身年金)によって異なります。種類によっては年金を受け取れるのは被保険者の生存中のみとしているので、個人年金保険の契約内容を十分に理解したうえで加入することが重要です。
受け取り前に被保険者が死亡した場合
保険料の払込期間中や年金の据置期間中など、年金の受け取り開始前に被保険者が死亡した際には死亡給付金受取人に対して、保険料相当額の死亡給付金が支払われます。死亡給付金受取人は個人年金保険契約時に指定し、個人年金保険料控除の条件を考慮すると被保険者の配偶者とするケースが多いでしょう。
受け取り前に自らの意思で個人年金保険を解約した場合は解約返戻金を受け取れますが、支払った保険料総額よりも少なくなるケースがほとんどです。死亡給付金には、被保険者死亡による減額などもなく、払い込んだ保険料のほぼ全額が戻ってきます。
受取期間中に被保険者が死亡した場合
個人年金保険は「確定年金」「有期年金(年金受取期間保証期間付有期年金タイプ)」「終身年金」の種類ごとにそれぞれ、年金を受け取れる期間や被保険者死亡時に遺族が年金を受け取れるかどうかが異なります。
個人年金保険の種類別の特徴と受取期間中に被保険者が死亡した場合の年金について、図表1でまとめましたので参考にしてください。
【図表1】
特徴 | 受取期間中に被保険者が死亡した場合の年金 | |
---|---|---|
確定年金 | 被保険者の生存に関係なく、契約時に定めた一定期間(5年・10年・15年など)のなかで年金を受け取れる | 死亡時未支払年金受取人が年金または一時金として受け取れる |
有期年金 | 被保険者の生存を条件に、契約時に定めた一定期間(5年・10年・15年など)のなかで年金を受け取れる | 被保険者死亡によって契約が終了。遺族は年金を受け取れない |
年金受取期間保証期間付有期年金タイプ | 契約時に定めた一定期間(5年・10年・15年など)は被保険者の生存に関係なく年金を受け取れる。一定期間経過後は、被保険者の生存を条件に年金を受け取れる | 契約時に定めた一定期間のみ、死亡時未支払年金受取人が年金または一時金として受け取れる |
終身年金 | 被保険者の生存中に限り年金を受け取れる | 被保険者死亡によって契約が終了。遺族は年金を受け取れない |
筆者作成
加入する個人年金保険の保障内容を事前に確認しておこう
個人年金保険の被保険者が死亡しても、遺族による年金の受け取りが可能です。受取開始前なら、個人年金保険契約時に指定した死亡給付金受取人に対し、保険料相当額の死亡給付金が支払われます。
受取期間中は、確定年金または年金受取期間保証期間付有期年金タイプに加入している場合のみ、死亡時未支払年金受取人に年金が支払われます。有期年金や終身年金に加入している場合は、被保険者死亡時に遺族は年金を受け取れません。
「被保険者死亡時のことなど分からない」という人も多いかもしれませんが、万が一のことを想定して安心できる個人年金保険を選んでください。
出典
国税庁 No.1140 生命保険料控除
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部