更新日: 2023.03.10 国民年金

「年金はいらないから払わない」で大損に!? よくある勘違いポイントを解説

「年金はいらないから払わない」で大損に!? よくある勘違いポイントを解説
国民年金について、「年金はいらないから払わない」と考える人もいるかもしれません。しかし、そういった考えでは知らないうちに大損している可能性もあります。本記事では、国民年金へのよくある勘違いポイントも合わせて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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国民年金保険料の未納率

本来、国民年金保険料の納付は「国民の義務」です。20歳以上60歳未満の人は全員国民年金に加入します。「自分は年金がいらないから払わない・払いたくない」という考えは通用しません。
 
さまざまな理由で年金保険料を払わない人や払えない人がいますが、厚生労働省の発表によると2022年(令和4年)11月末時点で最終的な納付率(3年経過納付率)は77.8%という状況です。つまり未納率は22.2%です。「月次納付率」はあくまで「納付対象月数」に対する「納付月数」の割合として算出している数値です。
 
しっかり納付している人は「2割も年金を払っていない人がいるのか」と、特に感じるかもしれませんが、22.2%の中には保険料を免除、または納付を猶予された人も含まれています。そのため「未納率=年金を払いたくない人」というわけではありません。
 

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よくある勘違い

年金を払わない理由としてはさまざまなものがあります。ただ、これらの中には「勘違い」をしているケースも少なくありません。
 

老後にもらえる年金が少ないから払わない

国民年金保険料を満額納付している人の年金額は月額6万6250円(令和5年度)です。実際の年金額は物価の変動や前年平均の全国消費者物価指数などのデータを考慮して決定されます。
 
「しっかり満額納付しても毎月6万円くらいしかもらえないのか!」と考える人も多いかもしれません。確かに月6万円で生活するのは現実的ではありません。貯金や年金以外の収入がなければ厳しいといえるでしょう。
 
だからといって「払いたくない」と考えるのは早計です。なぜなら国民年金は老後にもらえる老齢基礎年金だけではないからです。
 
老齢基礎年金以外にも病気やけが、被保険者が死亡したときに受け取れる障害基礎年金や遺族基礎年金があります。これら2つの年金を受け取るためには受給資格を満たす必要があります。老後に年金がもらえないからと納付を拒否すると、万一のときに受け取れなくなってしまいます。
 

全額免除されたら年金もらえない

これもよくある誤解の一つです。転職や退職、事業の失敗などで経済的に苦しくなり、保険料が払えなくなるケースもあります。
 
保険料の免除制度を利用して「全額免除」が受理されると、定められた期間内は納付しなくてもよくなるのは大きいですよね。その一方で「免除されても納付していないから将来年金がもらえないのでは?」と不安に思われるかもしれません。
 
確かに保険料を満額払っている人に比べると年金額は下がります。ただしゼロになるわけではありません。保険料を全額免除された期間は、満額納付しているの人の半額を受け取れます。
 
ただし保険料の免除の手続きをせず、未納のまま放置すると国が負担する分を受け取ることができません。
 

年金制度は破綻する

「少子高齢化で年金の払い損が増えるから、将来破綻するのではないか」と不安になるかもしれませんが、破綻する可能性はかなり低いと思われます。
 
仮に年金制度が破綻して、年金額が完全にゼロになったとします。日本には年金とは別に生活保護制度もありますが、年金制度が完全に破綻すると対象世帯が急増する恐れがあり、国としても年金制度を破綻させるメリットがありません。
 
もちろん「絶対」はありませんが、毎月の年金額は減少する可能性はあるものの、完全になくなる可能性は著しく低いでしょう。
 

まとめ

「年金はいらないから払わない」と考えるのは大損する理由や勘違いポイントを解説しました。
 

・年金納付は国民の義務のため、「いらないから払わない」は通用しない
・老齢基礎年金以外にも障害基礎年金や遺族基礎年金がある
・全額免除されても半分は受け取れる
・年金制度が破綻する可能性は低い

 
年金は生きている間はずっと受け取れるものです。このような「投資」はほとんど存在しません。
 
誤解が原因で年金を未納のまま放置し、知らない間に大損することは非常にもったいないです。万一のときや将来思わぬ損害を被らないためにも、未納状態があればすみやかに解消しましょう。
 

出典

厚生労働省 令和4年11月末現在 国民年金保険料の月次納付率
厚生労働省 令和5年度の年金額改定について
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 

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