加給年金って誰がもらえるの? もらえる条件は?

配信日: 2023.03.09

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加給年金って誰がもらえるの? もらえる条件は?
結婚したときや子どもが生まれたときの年齢によっては、年金の被保険者が65歳を迎えても、配偶者が年金受給できる年齢に達していなかったり、子どもが未成年だったりします。再就職がうまくいけばよいのですが、年金で家族を養わなければならないケースもあるでしょう。
 
このようなとき、利用できるのが加給年金です。本記事では加給年金の概要や、加給年金の受給が終わった後に条件次第で受給できる振替加算について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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加給年金の概要を解説

加給年金とは「年金の家族手当」とも呼ばれ、厚生年金の被保険者が65歳に達した時点で、条件を満たした配偶者と子どもがいる場合に支給されます。老齢厚生年金にプラスする形で支給されるので、年金額が増えます。
 
現在は65歳で定年を迎えても再就職する方が増えましたが、さまざまな事情によって年金だけで家族を養わなければならない方もいるでしょう。そのような方にとっては、ありがたい制度です。
 

条件を満たした被保険者に65歳未満の配偶者がいる場合に加算される

厚生年金の被保険者が65歳になったとき、以下の条件を満たした配偶者がいると年間22万3800円の加給年金が、被保険者の老齢年金に加算されます。
 

●年収850万円未満、もしくは所得が655万5000円未満
●年齢が65歳未満
●老齢厚生年金[被保険者期間が20年以上または共済組合等の加入期間を除いた期間が35歳(女性の場合は35歳)以降15年以上の場合に限る]、退職共済年金(組合員期間20年以上)を受け取る権利を持っていない
●障害年金を受給していない
●同居しているか、生計を同じくしている

 
年齢に関しては大正15年4月1日以前に生まれた配偶者に限り、年齢制限がありません。年の差夫婦などは当てはまる可能性が高いでしょう。
 
なお、加給年金が受け取れるのは、配偶者が65歳になるまでなので、被保険者より配偶者が年下であるほどもらえる年月は長くなります。
 
ただし、被保険者の厚生年金の加入年月が20年未満の場合、加給年金はもらえないので注意しましょう。
 

条件を満たした被保険者に18歳未満の子がいる場合に加算される

厚生年金の被保険者に18歳未満(到達年度の末日)の子どもがいる場合も、加給年金が給付されます。
 
1級・2級の障害がある子の場合は、20歳になるまで加給年金の支給期間が延びます。支給額は1人目、2人目の子どもは年額22万3800円、3人目以降は年額7万4600円です。
 
なお、こちらも同居しているか生計を同じくしていることが条件です。例えば、離婚した配偶者との間に18歳未満の子どもがいても、親権は配偶者が持っていて養育費も払っていない場合は、加算されません。
 
加給年金は自動で支給されず、必要な書類を揃えて手続きが必要です。自分が加給年金の給付対象になっている場合は、最寄りの「年金事務所」「年金相談センター」で手続きを行ってください。
 

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令和4年4月以降の加給年金の停止と経過措置とは?

令和4年4月より、加給年金の停止の条件が変更されました。これにより、今まで加給年金を支給されていた世帯が、支給停止される可能性もあります。ただし、現在のところは、経過措置も取られています。
 
本項では、令和4年4月以降に変更された加給年金停止の条件などについて説明します。なお、変更されたのは配偶者に対する加給年金のみです。
 

支給停止される条件を解説

令和4年3月まで、配偶者が老齢厚生年金の受給資格があるが、就業などを理由に全額支給停止になっていた場合、加給年金が支給されていました。
 
しかし、令和4年4月から老齢厚生年金が全額支給停止になっていた場合でも、加給年金は停止されます。
 
例えば、被保険者が老齢厚生年金を受給しており、配偶者が再就職するなどして老齢厚生年金の支給を先延ばしにした場合、加給年金は停止されるので注意が必要です。
 
今までは、老齢厚生年金が支給されているかどうかが支給の条件でしたが、この改変により「受給資格がないこと」が支給の条件になったのです。
 

経過措置の内容について解説

令和5年2月現在、以下の条件を満たす場合は経過措置として加給年金が引き続き加算されます。
 

●令和4年3月時点で、本人の老齢厚生年金または障害厚生年金に加給年金が支給されている
●令和4年3月時点で、加給年金額の対象者である配偶者が、厚生年金保険の被保険者期間が240月以上ある老齢厚生年金等の受給権を有しており、全額が支給停止されている

 
出典:日本年金機構 加給年金額と振替加算
 

振替加算について解説

振替加算とは、被保険者の配偶者が1926年4月2日~1966年4月1日生まれで、国民年金に任意加入していなかった期間がある場合、65歳以上になると加算される年金です。
加給年金と入れ替わる形で給付されます。
 
これは、まだ国民年金が任意加入であったときに、自分の意思で加入しなかった方の老齢年金が低くなることへの救済措置です。
 
ただし条件を満たしていても、国民年金とは別に厚生年金に20年以上加入している実績がある場合、振替加算は支給されません。支給される金額は生年月日によって異なります。2022年2月現在、支給されている金額は年額で1万4995~22万3800円です。
 

年金制度は複雑なため分からない場合は早めの相談が大切

加給年金は、年金だけで収入が低い状態で、配偶者や未成年の子どもを養わなければならない方をサポートする制度です。しかし、少子高齢化や働き方改革が進むにつれ、加給年金の見直しも進んでいます。
 
近年、年金制度は仕組みがより複雑になり、日本年金機構のホームページを見ても理解が難しいこともあるでしょう。年金のことで分からないことがある場合は、早めに最寄りの年金事務所や年金相談センターに行くのがおすすめです。
 

出典

日本年金機構 加給年金額と振替加算

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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