特別支給の老齢厚生年金とはどんな人がもらえるの? 減額されるのはどんな場合?
配信日: 2023.03.13
では、特別支給の老齢厚生年金は具体的にどのような人が受給できるのでしょうか。
この記事では、特別支給の老齢厚生年金の対象者について分かりやすく解説します。特別支給の老齢厚生年金が減額されるケースも併せて紹介しているので参考にしてください。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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目次
そもそも特別支給の老齢厚生年金とは?
特別支給の老齢厚生年金とは、老齢厚生年金を通常より早いときから受けられる制度です。
具体的には、60歳から64歳までの期間から受給できるようになります。受けられる年金額は、「報酬比例部分」と「定額部分」、対象となる人はさらに加給年金額も合算した金額です。報酬比例部分はこれまでの報酬や年金の加入期間などによって、定額部分は厚生年金の加入期間によって金額が決まります。
そもそも、老齢厚生年金とは厚生年金に加入していた人が老齢基礎年金の受給開始とともに老齢基礎年金に上乗せして受け取れる年金です。そして、老齢厚生年金の受給開始は原則65歳からとなっています。
ちなみに、特別支給の老齢厚生年金は、厚生年金の支給の開始年齢を60歳から65歳に引き上げるという法律改正が1985年に受給開始年齢を段階的に引き上げることを目的とした特別な措置として設けられた制度です。
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特別支給の老齢厚生年金を受けられる人はどのような人?
特別支給の老齢厚生年金の受給要件は4つあります。
1つ目は年齢で、「男性であれば1961年4月1日以前の生まれであること、女性であれば1966年4月1日以前の生まれであること」です。2つ目として、「老齢基礎年金の受給資格期間が10年以上あること」も条件となっています。3つ目は、「厚生年金保険などに加入していた期間が1年以上あること」、4つ目は、「生年月日に応じて決められている受給開始年齢に達していること」です。
また、特別支給の老齢厚生年金の支給を受けるためには手続きを行う必要があります。特別支給の老齢厚生年金の受給対象者には、受給が開始される年齢に達する3ヶ月前に「年金請求書(事前送付用)」が送られてくるため必要事項を記載し、戸籍謄本や受取先の金融機関の通帳などを必要書類とともに提出しなければなりません。
ただし、提出するのは受給が開始される年齢になってからです。それ以前の提出は受け付けてもらえないため気をつけましょう。
特別支給の老齢厚生年金が減額されるのはどのようなケース?
特別支給の老齢厚生年金は働きながら受給すると減額または支給停止となる場合があります。
60歳以降も就業し厚生年金保険に加入しながら受ける老齢厚生年金を「在職老齢年金」といいますが、在職老齢年金では受給している老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額によって年金額が減ったり年金の支給が停止されたりする場合があるからです。
具体的には、老齢厚生年金の基本月額と総報酬月額相当額の合計額が47万円を超えると、その超えた額の半分の支給が停止されます。ちなみに、基本月額とは年金の年額を12で割った金額、総報酬月額とは標準報酬月額と標準賞与額の合計額を12で割った金額です。
特別支給の老齢厚生年金の受給をし損なわないためにもまずは制度の内容を理解しておこう!
特別支給の老齢厚生年金は、65歳より前から年金の受給を開始できる制度です。ただし、利用するためには要件を満たしていること、年金請求書が届いたら手続きを行うことが必要となります。
特別支給の老齢厚生年金を受給できる対象であるにもかかわらず、制度を知らなかったばかりに利用せず後悔しないためにも、まずは制度の内容をしっかり理解しておくようにしましょう。
出典
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金
日本年金機構 年金用語集 か行 厚生年金の受給開始年齢
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 年金用語集 は行 報酬比例部分
日本年金機構 年金用語集 た行 定額部分
日本年金機構 特別支給の老齢厚生年金を受給するときの手続き
日本年金機構 年金用語集 さ行 在職老齢年金
日本年金機構 在職老齢年金の支給停止の仕組み
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部