「ねんきん定期便」の金額はそのまま受け取れる?「独身」と「扶養する配偶者あり」で比較

配信日: 2023.03.23

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「ねんきん定期便」の金額はそのまま受け取れる?「独身」と「扶養する配偶者あり」で比較
年に1回届く「ねんきん定期便」で、自分が将来もらえる予定の年金見込み額が分かりますが、実際には記載されている金額をそのまま受け取れる訳ではないことをご存じでしょうか? 本記事では、試算を含めて解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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年金から天引きされるお金には何がある?

実際に受け取る年金の手取り額は、所得税・住民税・健康保険料などが「天引き」されて支給されます。年金は2ヶ月に1回支給されるので、税金なども2ヶ月分がまとめて天引きされるところが、毎月の給与から税金を天引きされる会社員などと異なります。
 
実際に支給される年金額は、定期便に記載されている金額の9割程度になります。
 

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独身者と夫婦で、手取り額が変わるの?

年金額が同じで、扶養している配偶者がいる夫婦と、独身者の場合では、支給される年金額(手取り額)はそれぞれ、どのように変わるのでしょう?
 
<試算例>
収入が無い扶養家族(65歳以下の配偶者)と2人暮らしのAさん・独身者で扶養家族がいないBさんは、来月に65歳になるので、年金受給を申請済みです。ねんきん定期便の年金見込み額には「年間288万円(月24万円)」と記載されていました。Aさん個人・Bさんが受け取れる、手取り見込み額はそれぞれいくらになるのでしょう。
 
図表1

Aさん(世帯主) Bさん(独身者)
年金見込み額 288万円 288万円
公的年金等控除 110万円 110万円
年金所得 130万円 130万円
基礎控除(所得税) 48万円 48万円
基礎控除(住民税) 43万円 43万円
配偶者控除 38万円 0円
国民健康保険料 約25万円 約18万円
課税所得(所得税) 25万円 68万円
課税所得(住民税) 35万円 73万円
所得税(5%) 約3万4000円 約5万6000円
住民税(10%) 約8万9000円 約12万2000円
手取り額 約257万4000円 約252万2000円
手取り率 約89.37% 約87.56%

筆者作成(東京都新宿区での税率を適用)
 
図表1を見比べると「配偶者控除」の有無で税金金額に差が出ています。一方、世帯主が配偶者の分も支払うため、国民健康保険料は配偶者がいるAさんのほうが高くなっています。
 

扶養されている配偶者が年金を受給するようになると、年金の手取り額はどうなる?

Aさんの配偶者が年金を受給するようになると、年金額によっては税金を納付する必要が出てきます。介護保険料は全ての人が65歳になると自分で負担することになり、配偶者の年金から介護保険料が天引きされます。
 

まとめ


 
年金から天引きされる税金類を事前に計算しておいて、年金をどのくらい生活費用に使えるかの資金計画を立てておくのも良いでしょう。
 
年金受給予定金額が高いと、配偶者控除を差し引いても課税所得が上がる可能性があります。医療費控除や寄付金控除(ふるさと納税など)を利用して確定申告を行い、課税対象となる所得を減らすようにしてゆくのも方法のひとつです。
 

出典

東京都新宿区 住民税について
東京都新宿区 令和3年度税額の算出方法等(賦課の根拠となった法律及び条例)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 

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