更新日: 2023.04.06 国民年金

年金保険料を1年間納めなかった場合、将来の年金はいくら減る?

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

年金保険料を1年間納めなかった場合、将来の年金はいくら減る?
国民年金は加入義務があり、原則20歳以上の人は必ず入らなければなりません。ただし、40年間保険料を満額払っても、将来もらえる年金額は毎月約6万円です。

これなら真面目に年金を払うより、貯金や投資をしたほうがマシじゃない? と考える人もいます。そこで本記事では、年金は払ったほうがいいのか、もし1年間未納になったら将来の年金額はいくら減るのか解説します。
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国民年金への加入は義務

日本は国民皆保険制度を導入していて、国内に住んでいる20歳以上60歳未満の全ての人に国民年金への加入が法律で義務付けられています。「老後の生活や病気やけが、死亡など万一のときはみんなで支えよう」という考え方で公的年金制度は運用されています。
 
そのためそもそも年金に入る入らない、払う払わないを選ぶ権利は、私たち国民にはありません。極論、年金制度に全く納得できず、保険料を払いたくない場合でも、強制的に加入する形です。
 

年金を払いたくない理由

国民年金の保険料は2023年(令和5年度)時点で月額1万6520円です。年間で19万8240円払う必要があります。
 
それに対して老後もらえるお金(老齢基礎年金)は2023年(令和5年度)現在、月額6万6250円です。年間で79万5000円です。
 
これらの数字を比較して「毎月2万円弱払うのに、将来は6万円ちょっとしかもらえないの? 払うだけ損だ! これなら年金を払うより、貯金したり他の資産運用をしたり趣味や娯楽などに使ったほうが有意義では?」と考える人もいるかもしれません。
 
厚生労働省が発表した「令和2年国民年金被保険者実態調査」によると、国民年金保険料を納付しない理由で最も多いのは「保険料が高く、経済的に支払うのが困難」という結果になっています。
 
経済的な理由以外では「年金制度の将来が不安・信用できない」「納める保険料に比べて、十分な年金額が受け取れないと思う」といった内容の割合も高くなっています。
 
老後に本当に年金をもらえるのかといった不安だけでなく、年金制度全体への不信感が根強いことが浮き彫りになっています。
 

1年間未納の場合、将来の年金はいくら減る?

では、もし何らかの理由で1年間年金保険料を払わず、その後も放置し続けた場合、将来の年金はいくら減るのでしょうか。残り39年間は保険料を納付したものとします。
 
老齢基礎年金は保険料を満額納めた場合、令和5年度時点で年間79万5000円(月額6万6250円)受け取ることができます。
 
年金額は令和5年度時点で『79万5000円×{「保険料納付済月数+(全額免除月数×4/8)+(4分の1納付月数×5/8)+(半額納付月数×6/8)+(4分の3納付月数×7/8)」÷(40年×12月)}』で計算されます。
 
上記計算式に当てはめると「79万5000円×(468月/480月)=77万5125円です。月額では約6万4600円です。
 
満額納めた人に比べると月額1600円くらい減る形です。
 

まとめ〜年金は老後にもらうお金だけではない〜

本記事では年金を払うなら貯金したほうがマシなのか、もし1年間未納の場合は将来の年金がいくら減るのかを解説しました。
 
年金は老後にもらえるお金だけではありません。病気やけが、死亡など万一の事態が発生したら受け取れる障害基礎年金や遺族基礎年金の制度もあります。ただ、これらを受け取るには保険料を納付している必要があります。「将来年金がもらえないから払っても無駄」と考えていると、いざというときに損する可能性があります。
 
後悔しないためにも、年金は払いましょう。もし経済的な理由で払うのが難しい場合は保険料の免除や納付猶予制度もあります。払えないときは放置せず、すぐに住所地の役所や年金事務所へ相談しましょう。
 

出典

日本年金機構 20歳到達時の国民年金の手続き

日本年金機構 学生のための知っておきたい年金のはなし

日本年金機構 国民年金保険料

日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額

厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします

厚生労働省 令和2年国民年金被保険者実態調査

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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