更新日: 2023.04.06 その他年金

「ねんきん定期便」で将来の受給額は分かる? 50歳未満が「最低限見るべきポイント」を解説

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

「ねんきん定期便」で将来の受給額は分かる? 50歳未満が「最低限見るべきポイント」を解説
毎年送られてくるねんきん定期便は、公的年金の加入状況を確認し、老後の資金計画を立てるための大切な資料です。ただ、「正直見方がわからない……」と思っている人も多いのではないでしょうか。
 
実はこのねんきん定期便、「50歳未満」と「50歳以上」で書かれている内容が異なります。本記事では、50歳未満の方を対象に、ねんきん定期便で最低限見ておきたいポイントを解説します。
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ねんきん定期便とは?

ねんきん定期便とは、日本年金機構が発行する年金加入記録を記載したはがきのことです。公的年金への興味や理解を深めてもらうことを目的に、毎年誕生月に送付されます。
 
35歳、45歳、59歳は節目の年として、より詳しい加入状況を記載した封書が送られてきます。
 
ねんきん定期便をなくしてしまった場合、ねんきんネットの電子版ねんきん定期便で情報を確認することもできます。また、はがきが不要であれば、郵送を停止することもできます。
 

ねんきん定期で最低限見るべきポイントを紹介!

冒頭で述べたとおり、50歳未満と50歳以上ではねんきん定期便に書かれている内容が異なります。今回は50歳未満の人向けに最低限見るべき箇所を3点紹介します。
 

受給資格期間

老後に年金を受け取るためには、国民年金または厚生年金への加入期間が最低10年間必要です。自身のこれまでの年金加入期間をねんきん定期便で確認したい人は、「2.これまでの年金加入期間」の表の太枠で囲まれた「受給資格期間(a+b+c+d)」を確認してください。120月以上であれば、年金の受給資格を満たしていることになります。
 
この欄に書かれる年金加入期間は、国民年金保険料や厚生年金保険料を支払った期間はもちろん、

・国民年金の第3号被保険者であった期間
・国民年金に任意加入しており未納だった期間
・特定期間該当届を提出した期間

も含まれます。もし、自身で把握している加入期間と記載されている期間が異なる場合は、ねんきん定期便に記載された問い合わせ先に確認してください。
 

(1)と(2)の合計

はがき内「3.これまでの加入実績に応じた年金額」の太枠で囲まれた「(1)と(2)の合計」は、将来1年間で受け取れる年金額を示したものです(図表1)。
 
【図表1】


 
日本年金機構 令和4年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方 50歳未満の方
 
注意すべきなのは、これはあくまでも、これまでに支払った保険料で将来受け取れる年金額を計算したものであることです。特に若い人の場合、思ったより金額が少なくて驚くのではないでしょうか。安心してください。これからも保険料を納め続ければ、この金額は増えていきます。
 
ちなみに、50歳以上の人に送付されるねんきん定期便は、このまま60歳まで同じ条件で保険料を支払った場合に受け取れる年金見込みを示しています。
 
50歳以上と50歳未満で記載内容が異なるのは、50歳未満の人は、老後までまだ時間が長いからです。年金を受け取る年齢になるまでに自身の働き方や年金の制度が変わることも多く、将来の年金額見込みと現実が大幅に異なる可能性もあるため、これまでの実績しか記載していないのです。
 
「50歳未満だけど将来の年金見込額を知りたい」という人は、ねんきんネットを利用するのがおすすめです。将来、働き方や受け取る給料が変化することも考慮し、条件を細かく設定してシミュレーションすることができます。
 

最近の月別状況

「最近の月別状況です」の下に記載された表も忘れずに確認しましょう。最近13ヶ月分の納付状況等が記されています。国民年金はすべての人が同一の保険料を支払いますから、納付された月には「納付済」と記されます。厚生年金は標準報酬月額や標準報酬額によって異なりますから、保険料納付額が記載されています。
 
万が一ここが間違っていた場合、将来正しい年金額を受け取ることができなくなってしまいます。特に転勤したときや退職したとき、名字が変わったときには間違いがないかチェックしてください。
 

まとめ

本記事では、50歳未満の人向けにねんきん定期便で確認すべきポイントを解説してきました。「これまで見方がわからないからそのままにしていた」という人も、最低限チェックすべき箇所が分かったでしょうか。
 
年金定期便をきっかけに、1年に1度、老後の生活について考えてみてください。
 

出典

日本年金機構 大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています
日本年金機構 令和5年度「ねんきん定期便」(ハガキ)の見方50歳未満の方
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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