更新日: 2023.04.08 その他年金

今度結婚するのですが「年金の未納」は相手にバレますか? お金がなくて払えていません…

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部 / 監修 : 高橋庸夫

今度結婚するのですが「年金の未納」は相手にバレますか? お金がなくて払えていません…
経済的に苦しく、国民年金の保険料を納められない上、届いた督促状などを「放置」しているという人はいないでしょうか。
 
一人暮らしの間は自分だけの問題に留めていられるでしょう。しかし、結婚する予定があるという人は、配偶者に及ぶ影響についても考えなければなりません。
 
そこで今回は、結婚前における第1号被保険者だった期間中の「未納の事実」を配偶者に知られる恐れはないのかについて説明し、懸念される負担なども詳しく紹介します。
FINANCIAL FIELD編集部

執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)

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高橋庸夫

監修:高橋庸夫(たかはし つねお)

ファイナンシャル・プランナー

住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。

配偶者にも義務が発生

国民年金の保険料を滞納していると、配偶者に知られる可能性は十分にあります。なぜなら、結婚すると納付は自分だけの義務ではなくなるからです。国民年金法88条で、配偶者も連帯して納める義務があると定められています。つまり、夫婦になった時点で、両者が未納の当事者になるということです。
 
そもそも、結婚後に保険料を実際に支払うのは本人とは限りません。世帯主が家族の分を連帯して納める義務を負うことが法律に定められています。そのため、自分に起因する督促状なども結婚後の住居に届くようになるのです。配偶者が世帯主なら、独身時代の滞納を必然的に知られてしまいます。隠し通すことは困難で、自分だけの問題に留めておけないと考えましょう。
 

配偶者にかかる負担とは

配偶者は未納の事実を把握するだけでは済みません。支払いの負担も強いられることになります。連帯して納付の義務を負うため、収入や貯蓄などから納めなければなりません。
 
一般的には、まず戸別訪問や電話で納付をするように通告が行われます。それにも応じなければ、催告状や督促状が届くようになるのです。ただし、滞納していた本人に送付済みである点を踏まえ、ここまでのステップは省略される可能性もあります。いずれにせよ、督促状に記されている期限までに納めなければ、「差押予告通知」を受けます。
 
差押予告通知の金額には未納分にかかる「延滞金」が含まれます。銀行口座や財産の調査後に差し押さえられて、不動産の公売といった現金化が行われるのです。本人だけでなく、配偶者の保有分も対象なので、多大な負担をかけるリスクが生じます。
 

納付が困難なときに有効な対策

配偶者に負担をかけたくなければ、国民年金の免除制度や納付猶予制度を利用するのが得策です。免除制度を使うと、本人や配偶者、世帯主の前年所得が一定以下の場合、保険料の支払いが免除されます。
 
免除される割合は「4分の1」から「全額」までの4種類です。納付猶予制度では、本人や配偶者の前年所得が一定以下なら、納付の期限に猶予が与えられます。10年以内に追納を済ませれば、受給額の低下を抑えられるのです。申請には年齢制限があり、20~50歳未満の人が対象となっています。
 
なお、納付が難しい場合は、公的な機関を頼ることも検討しましょう。全国の年金事務所で相談を受け付けており、「ねんきんダイヤル」のような電話用の窓口も用意されています。
 

早めの対応で新婚生活の懸念を解消しよう!

結婚を控えているなら、年金の未納を重要な課題として認識する必要があります。すでに督促状を放置している場合、配偶者に知られるだけでなく、大きな負担をかけてしまう可能性が高いです。
 
そのような事態を招かないように、免除制度の申し込みなど、効果的な対策を講じる必要があります。懸念のない新婚生活を送れるように、早めの対応を心がけましょう。
 

出典

e-Gov法令検索 国民年金法(88条)
厚生労働省 強制加入被保険者(法7) ケース1
東京都福祉保健局 国民健康保険料の納付方法について
日本年金機構 「国民年金保険料の強制徴収の取組強化」について
日本年金機構 国民年金保険料の免除制度・納付猶予制度
厚生労働省 年金相談
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
 
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー

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