更新日: 2023.04.13 その他年金

【60~75歳の間に受給可能】年金の受取時期の賢い選び方

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【60~75歳の間に受給可能】年金の受取時期の賢い選び方
できるだけ早く年金を受け取りたいけれど、何歳から受け取ることができるのか分からないとお困りではありませんか?
 
年金の受け取り時期は原則があるものの、自身の判断で早められます。早く受け取ることでのデメリットや、遅く受け取ることでのメリットを理解した上で、受け取る時期を決めましょう。
 
ここでは、年金の受け取り時期と「繰上げ受給・繰下げ受給」について解説します。受け取り時期の賢い選び方もお教えいたします。
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年金は何歳から受け取れる?

人それぞれに60歳になったら年金を受け取りたい、できるだけ年金は遅く受け取りたいといった希望があるかと思います。ご自身が希望する年齢で年金を受け取ることができるのか、みてみましょう。
 

原則65歳から

年金を受け取る年齢は、原則65歳からです。受け取る条件として保険料納付済み期間と保険料免除期間などを合算した受給資格期間が10年以上あるかが挙げられ、10年未満の場合は65歳になっても受け取れません。
 
65歳を過ぎてから受給資格期間が10年以上になった場合は、条件を満たしたときから公的年金を受給できます。
 
希望する場合は60歳から年金を受け取ることも可能です。繰上げ受給をすることになり、申請をした翌月分から年金が支給されます。反対に、65歳以降に年金を受給する繰下げ受給も選べます。
 

繰上げ受給と繰下げ受給とは

繰上げ受給をすれば、60~64歳までの間に年金の受け取りをスタートできます。早期に年金を受け取れるため、60歳の時点で退職した方にはありがたい制度でしょう。メリットの一方で年金額が減額されるデメリットもあるため、慎重に検討することが大切です。
 
減額率は「0.4%×繰上げ請求月から65歳になる日の前月までの月数」から算出できます。
 
例えば、64歳になった月に請求を行い、65歳までの12ヶ月間繰上げ受給をするとしましょう。0.4%×12ヶ月=4.8となり、受給額から4.8%を減額された額を受け取ることとなります。減額率は生涯において適用されるため、繰り上げを選択すると満額の受給はできません。
 
繰下げ受給は66~75歳までの間に年金を受け取り始めるもので、時期が遅ければ遅いほど受給金額を増やすことが可能です。
 
増額率は「0.7%×65歳に達した月から繰下げ申出月の前月までの月数」から算出されます。
 
例えば、67歳の誕生月に年金の受け取りを開始した場合は、0.7%×24ヶ月=16.8となり、受給金額に16.8%分が上乗せされます。
 

賢く年金を受け取るには?

年金の受け取り時期は原則65歳ではあるものの、本人が希望すれば60~75歳までの間に受け取ることも可能です。ここからは、ご自身が後悔しない受取時期の選び方をみてみましょう。
 

働ける人は繰下げ受給を選択

65歳以降も働き、収入を得る予定の方は、繰下げ受給を選択することがおすすめです。
 
一定の収入を得ていれば、公的年金を受け取らずとも生活できるでしょう。雇用形態の変更に伴い給与が下がったという方は、節約をして支出を可能な範囲で減らしてください。
 
退職時に公的年金の手続きを行えば、繰り下げた月数分×0.7%から算出された分が増額されます。増額は一生涯続くため、年金の受給金額が不安な方にもぴったりです。
 

繰上げ受給をする人は赤字分の補足を

繰上げ受給は、公的年金を満額もらえる受給資格期間を満たしていても、減額された額での受給となります。受給資格期間を満たした国民年金加入者が、63歳になった月から年金を受け取るケースを例に挙げてみましょう。
 
令和5年度の国民年金加入者の受給金額は6万6250円(満額)、減額割合の9.6%分である6360円が引かれます。受給スタートから一生涯、5万9890円しか受け取れません。
 
繰り上げ時期が早ければ早いほど減額率が増えるため、早くに受け取ることを検討している方は、赤字分の補填方法を考えておきましょう。
 

まとめ

年金は原則65歳、希望者は60~75歳の間に受け取ることが可能です。60~64歳までの受け取りを繰上げ受給、66~75歳までの受け取りを繰下げ受給といいます。
 
状況に合わせて受け取り時期を決める必要があるため、保有する資産や働ける年齢などを考慮した上で手続きをおこないましょう。
 

出典

日本年金機構 年金の繰上げ受給
日本年金機構 年金の繰下げ受給
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
厚生労働省 令和5年度の年金額改定についてお知らせします
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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