更新日: 2023.04.13 その他年金

【79万円以上の支給!?】遺族年金とは? 受給資格や支給額の詳細について

執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

【79万円以上の支給!?】遺族年金とは? 受給資格や支給額の詳細について
配偶者が亡くなり、今後の生活費が不安と悩む方も多いでしょう。配偶者の収入で生計を立てていた場合は、収入が0になってしまいます。後に働き始めたとしても、配偶者ほど収入を得られなければ生活水準を下げなければなりません。
 
ここでは、配偶者が亡くなった方が知っておくべき「遺族年金」について、受給資格から受け取れる金額まで解説していきます。
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遺族年金の受給資格とは?

「遺族年金」には「遺族基礎年金」と「遺族厚生年金」があり、それぞれで受給要件が定められています。遺族基礎年金の受給要件は以下です。


・国民年金の被保険者である期間中に死亡した
・60歳以上65歳未満の国民年金の被保険者で日本国内に住所を有していた
・老齢基礎年金の受給権者が死亡した
・老齢基礎年金の受給資格を満たしている人が死亡した

続いて遺族厚生年金の受給要件です。


・厚生年金の被保険者である期間中に死亡した
・厚生年金の被保険者期間中に初診日のある病気やけがが原因で、初診日から5年以内に死亡した
・1級か2級の障害厚生(共済)年金を受給している人が死亡した
・老齢厚生年金の受給権者が死亡した
・老齢厚生年金の受給資格を満たしている人が死亡した

日本に住む場合、国民年金への加入が義務付けられています。会社に勤めている場合は国民年金+厚生年金、自営業の場合は国民年金に加入しているでしょう。亡くなった方の収入で生活をしていたのなら、受給資格を満たしています。
 
どちらの遺族年金も、受給要件のいずれかを満たしていれば受け取れます。亡くなった方がどちらの年金に加入していたかによって受給要件が異なるため、加入していた年金別に確認しましょう。
 

遺族基礎年金と遺族厚生年金の違い

遺族基礎年金は国民年金加入者が亡くなった場合、遺族厚生年金は厚生年金加入者が亡くなった場合に受け取れるものです。厚生年金加入者は、状況によっては遺族基礎年金と遺族基礎年金と遺族厚生年金のどちらも受け取れます。
 
遺族基礎年金の受給対象は、子どもがいる配偶者か子どものどちらかです。子どもは18歳になった年の3月31日までにある人を指します。障害等級1・2級にある人は、20歳未満が対象となります。
 
受給対象を見て分かるように、子どもがいない世帯は遺族基礎年金を受け取れません。子どもがいても18歳以上だと受け取れないため、子どもの有無と年齢によって受給できるかが決まると覚えておきましょう。
 
遺族厚生年金の受給対象は配偶者や子どもだけでなく、父母や孫、祖父母と範囲が広くなっています。亡くなった人の収入によって家計を維持していれば、多くの方が受給対象となります。
 
遺族厚生年金は子どもがいなくても受け取れますが、30歳未満の子どもがいない配偶者の場合は5年の期限付きです。5年目以降は遺族年金をもらえなくなるので、以降は自身で生計を立てていかなければなりません。
 

遺族年金で受給できる金額

令和5年度の遺族基礎年金の受給金額は、年79万5000円(68歳以上は79万2600円)で+子どもの人数分の加算額です。子どもの加算額は1人目と2人目が22万8700円、3人目以降は7万6200円が加算されます。
 
子どもが1人の場合は受給金額が年102万3700円、月8万5308円の支給です。2人いる場合は125万2400円、月10万4366円となります。例えば、10歳の子どもが1人いる場合は年102万3700円、18歳になるまでに818万9600円を受給できます。
 
遺族厚生年金の受給額は、亡くなった方の年金の基礎となる金額の4分の3です。加入期間によって基礎となる金額が変わるため、ここでは41万7000円の平均標準報酬額、加入期間25年(300月)の方を例に挙げてみましょう。
 
子どものいない40歳未満の妻が受け取れるのは遺族厚生年金のみで、51万4255円、月4万2855円の支給です。40~64歳のときに亡くなった場合は遺族厚生年金+中高齢寡婦加算(年59万6300円)の受け取りとなり年111万555円、月9万2546円となります。
 
子どもがいる場合は、遺族厚生年金+遺族基礎年金を受給できます。子ども1人の場合は153万7955円で月12万8162円、2人の場合は176万6655円で月14万7221円です。例えば、9歳の子どもが1人いる場合は年額153万7955円、18歳になるまでに1384万1595円を受給できます。
 

配偶者が亡くなったときは受給対象の確認を

配偶者が亡くなると精神的なショックが大きいものの、今後の生活のことを考えていかなければなりません。配偶者の収入で生計を立てていた方は、遺族年金の対象になるかをチェックしましょう。
 
遺族年金を受け取れば、すぐに生活が困窮する恐れは少ないため、少しずつ生活を立て直していけます。受給要件を満たしている場合は請求手続きをおこない、必要なお金を受け取りましょう。
 

出典

日本年金機構 遺族年金
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 遺族基礎年金(受給要件・対象者・年金額)
日本年金機構 令和5年4月分からの年金額等について
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部

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