更新日: 2023.04.19 厚生年金

転職活動中の「3ヶ月分」年金を払ってない…就職先の「厚生年金」に加入できる? 未納のデメリットとは?

転職活動中の「3ヶ月分」年金を払ってない…就職先の「厚生年金」に加入できる? 未納のデメリットとは?
求職期間が長く続いたけど転職活動の結果、また会社員として働くことが決まった。多様な働き方がある中で、このようなケースも少なくありません。就職すると企業を通して厚生年金に加入しますが、もしも国民年金保険料の未納分が3ヶ月ある場合、厚生年金に入れるのでしょうか。また、未納の影響があるのかについても解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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国民年金保険料の未納は厚生年金の加入と関係ない

結論からいえば、国民年金保険料に未納分があっても、勤務先を通して厚生年金に加入することができます。過去の未納分があることを理由に加入を拒否されることはありません。
 
常時従業員を雇用する会社に勤務する70歳未満の人は必ず厚生年金に加入して被保険者となります。正社員だけでなく契約社員やパートアルバイトも要件を満たすと対象です。
 
短時間労働者であっても下記4項目を全て満たす場合は、厚生年金に加入しなければなりません。
 

●雇用期間が2ヶ月を超えて見込まれること
●週の所定労働時間が20時間以上あること
●賃金の月額が8万8000円以上であること
●学生でないこと

 
2022年(令和4年)10月から雇用期間の要件が短縮されて通常の被保険者と同じになりました。さらに、2024年(令和6年)10月からは特定適用事業者の規模が「被保険者の総数が常時50人を超える事業所」に変更される予定で、雇用保険の適用範囲はますます広がります。
 
上記の4項目を満たさない短時間労働者以外の場合は、原則厚生年金に加入する必要があるといっても過言ではないでしょう。
 

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転職後に過去の未納分を払ったほうがいい?

転職すると所属企業の人事や総務等の担当部署を通して、国民年金から厚生年金への加入手続きが行われます。所属企業が行うので、従業員本人による手続きは不要です。
 
国民年金も求職期間中は第1号被保険者でしたが、就職によって第2号被保険者となります。厚生年金の加入者であると同時に国民年金の加入者でもある状態です。
 
会社員になると源泉徴収制度によって保険料は給料から天引きされることが多いです。そのため国民年金第1号被保険者の場合のように、未納リスクは軽減されます。
 
ただし、過去の未納は別問題です。そのままにしておくと将来受け取れる年金額が減ってしまいます。
 
所属企業から「過去に国民年金を払っていない期間があります。急いで納付してください」などと言われることもないので、自分自身で対応する必要があります。経済的に問題がなければ、将来の年金額を満額に近づけるためにも払うことをおすすめします。
 
ただし、年金の納付には時効があります。納付期限を過ぎてから「2年」を経過すると払えなくなるので注意しましょう。
 

未納の影響は?

国民年金の保険料が未納のままだと、保険料を満額払った人に比べて将来もらえる金額が減ってしまいます。
 
年金額は令和4年度時点で、
 
79万5000円×{「保険料納付済月数+(全額免除月数×4/8)+(4分の1納付月数×5/8)+(半額納付月数×6/8)+(4分の3納付月数×7/8)」÷(40年×12月)}
 
と計算することができます。
 
3ヶ月未納期間がある場合は「79万5000円×(477月/480月)=約79万31円円」です。満額は79万5000円なので、年間で約5000円減ることになります。
 
今回は3ヶ月未納なのであまり大きな問題ではありませんが、10年以上など長期間の未納が続くと、受け取れる年金がさらに減るだけでなく、障害年金や遺族年金まで受け取れなくなるリスクも増えます。
 

まとめ

本記事では、転職活動に成功して会社員として働くことになったけど、過去に国民年金の未納があることで厚生年金に加入できないことがあるのかについて解説しました。厚生年金に加入しても過去の未納分が自動的に精算されるわけではありません。
 
未納期間が長くなるほど、そのまま放置することで将来の年金額が減ったり、万一のときに障害や遺族年金を受け取れなくなったりする恐れがあります。転職して会社員生活を始める時に、自分の年金納付状態に問題がないか、「ねんきん定期便」等で確認してみましょう。
 

出典

国民年金機構 令和5年4月分からの年金額等について

日本年金機構 令和4年10月からの短時間労働者に対する健康保険・厚生年金保険の適用の拡大

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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