更新日: 2023.04.19 国民年金
大学生だけどアルバイトができず「収入ゼロ」に! 支払わず放置すると「ペナルティ」はある? 支払いを待ってもらうことはできる?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「学生納付特例制度」を申請しよう
日本国内に住む20歳以上60歳未満の人は国民年金の被保険者となり、保険料を納める義務が発生します。20歳になると日本年金機構から国民年金の第1号被保険者となったことを知らせる通知が届くため、原則として保険料を支払わなければなりません。
ただし、20歳になったときは学生であれば学業におわれていたり、働いていたとしても収入が少なかったりということも珍しくありません。そのため、月額1万6520円(2023年度)の年金保険料を負担できないこともじゅうぶん考えられます。そこで用意されているのが学生納付特例制度です。申請して承認されると、その期間中は保険料の納付が猶予されます。
「学生=大学生」のイメージも強いかもしれませんが、短期大学や高等学校、高等専門学校、特別支援学校、一部の海外大学の日本分校等も含まれます。夜間や定時制、通信制の学校に通う人も対象なので、実質ほとんどの学生が利用できる制度です。
学生納付特例制度を使えるのは申請者本人の所得が一定以下の場合です。具体的には「128万円(2020年度以前は118万円)+扶養親族等の数×38万円+社会保険料控除等」で計算され、年収約120万円を超えなければ対象です。
本記事の場合は、アルバイトができなくなって収入がないので対象者に含まれます。あくまで申請者本人の所得が審査対象なので、学生の両親等の所得は含まれません。仮に両親の所得が年間1000万円あったとしても、本人の収入がなければ学生納付特例制度を申請できます。
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途中からでも申請できる?
「20歳になったときはアルバイトで収入もあったから年金を払ったけど、21歳になって状況が変わって支払いが厳しくなった」といった場合でも途中から申請することができます。いったん支払い始めたら学生納付特例制度を使えないことはありません。
学生納付特例制度を申請すると、原則として申請日にかかわらず、4月から翌年3月までの期間を対象として審査されます。申請書1枚あたり1年間の申請として扱われるため、2年分申請したい場合は2枚提出する必要があります。
放置したらどうなる?
年金を支払うことができないからと、自宅等に届く納付書を無視して手紙なども読まずに放置すると、将来的にペナルティを受ける可能性もあります。
具体的には、下記のようなリスクがあります。
●日本年金機構や委託先の民間企業から電話や書面等で催告を受ける
●納付期限から「2年」を過ぎると年金保険料は後から払えない
●未納状態が長期間にわたると将来年金をもらえないことがある
●何もかも無視して放置し続けると最悪財産を差し押さえられる
日本年金機構が「あなたはまだ大学生だから払うのは難しいよね」などと自動的に判断してくれるわけではありません。「学生で働いておらず、収入もないから今は年金を払えない」といった事情は、自ら申請しなければ相手は把握できません。
また、「年金は老後に受け取ることができるお金」というイメージが強いかもしれませんが、老後を待たなくても病気やけがをしたときに受け取ることができる障害年金や遺族年金の制度もあります。これらは学生納付特例制度の申請をして承認されると受け取る権利がありますが、単に未納のまま放置すると、いざというときに受け取れない可能性もあります。
このように「年金を払わない」事実は同じでも「学生納付特例制度の申請手続きをして承認されて払わない」のと「単なる未納」では扱いが全く違います。
まとめ
今回は、21歳の学生が収入ゼロになって年金を支払えなくなったらどうすればいいのか、放置すればペナルティがあるのか解説しました。経済的に納付が難しい場合は、学生納付特例制度を必ず活用しましょう。
途中からでも申請できますし、手続きを忘れていた場合でも、保険料の納付期限から2年を経過していない期間はさかのぼって申請できます。学生納付特例制度の審査対象期間は1申請あたり原則1年間(4月から翌年3月までの期間)です。1枚提出すると在学期間中はすべて有効になるわけではないので、注意しましょう。
出典
日本年金機構 国民年金保険料
日本年金機構 国民年金保険料の学生納付特例制度
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部