更新日: 2023.04.22 iDeCo(確定拠出年金)

資産形成に有利 or 不利? 約30%以上の企業が導入している「マッチング拠出」とは?

資産形成に有利 or 不利? 約30%以上の企業が導入している「マッチング拠出」とは?
マッチング拠出とは、企業型確定拠出年金を導入している企業において、従業員が上乗せして掛け金を拠出できる制度です。
 
拠出した掛け金が全額所得控除の対象になるなど、多くのメリットがありますが、まだまだ利用率が低い現実があります。魅力的な制度でも、従業員が能動的に活用しないと意味がないため、マッチング拠出に関する理解を深めることが重要です。
 
本記事で、マッチング拠出の概要やメリット、デメリットなどを詳しく解説します。

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FINANCIAL FIELD編集部

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マッチング拠出とは

マッチング拠出とは、企業型確定拠出年金を導入している企業において、企業が拠出している掛け金に加えて、従業員自身も掛け金を拠出できる仕組みです。
 
企業型確定拠出年金は、公的年金制度の上乗せとして従業員の老後生活を豊かにする制度で、マッチング拠出を利用することで老後の経済的不安を軽減できます。
 
以前はマッチング拠出を利用するための条件が設けられていましたが、2022年10月に制度改正が行われ、企業型確定拠出年金に加入している従業員は「マッチング拠出をするかiDeCoに加入するか」を、加入者ごとに選択できるようになりました。
 
使い勝手が向上したマッチング拠出ですが、企業年金連合会が2022年3月に公表した「確定拠出年金実態調査結果」によると、マッチング拠出は十分に活用されていません。
 

【確定拠出年金実態調査結果から分かること】

●マッチング拠出を導入している企業は53.1%
●マッチング拠出の利用率の平均は32.6%
●マッチング拠出の利用率が2割に満たない企業は39.1%日

 
優れた制度でも、認知度が低いと利用まで結びつかないため、従業員が能動的に動かなければ活用が難しい点は否めません。
 

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マッチング拠出のメリット

マッチング拠出には、多くのメリットがあります。
 

【マッチング拠出のメリット】

●給与天引きで計画的に老後資産の準備ができる
●掛け金は全額所得控除の対象で節税効果がある
●運用益は非課税

 
マッチング拠出は、基礎年金と厚生年金の上乗せ部分である「3階部分」の年金を作る制度です。給与天引きで、自然と着実に老後資金を備えられる点は大きなメリットです。
 
また、マッチング拠出した金額は全額が所得控除の対象となるため、老後資金を蓄えながら節税の恩恵を受けることができます。
 
さらに、企業型確定拠出年金は非課税で運用できますが、マッチング拠出分も同様です。
 
企業年金連合会によると、制度導入以来の通算運用利回り(年率)の平均は4.3%となっていますが、運用で増えた分に税金はかかりません。
 
税制優遇効果が大きいことから、マッチング拠出を行うメリットは非常に大きいといえるでしょう。
 

マッチング拠出のデメリット

続いて、マッチング拠出のデメリットを紹介していきます。
 

【マッチング拠出のデメリット】

●拠出できる掛け金に上限がある
●拠出した掛け金の払い戻しは不可

 
マッチング拠出の掛け金には上限が設けられています。
 
加入者の掛け金は「会社掛け金と同額まで、かつ合算で拠出限度額(月額5万5000円、企業年金を併用している場合は月額2万7500円)まで」となっています。
 
つまり、「多くの掛け金を支払って節税効果を得たい」と思っても、限界がある点には注意しましょう。
 
また、企業型か確定拠出年金は、原則として引き出せるのは60歳以降です。
 
途中で引き出すことはできないため、教育資金や住宅資金などが必要になっても引き出せない点には注意しましょう。
 

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・低コスト、多様性にこだわった運用商品ラインナップ!
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まとめ

マッチング拠出は、企業型確定拠出年金に加入している従業員であれば誰でも利用できます。
 
拠出できる掛け金には上限があるものの、節税効果や運用益の非課税などのメリットを享受できるため、非常に魅力的です。
 
しかし、まだまだマッチング拠出は浸透しておらず、社員が能動的に動かなければ制度の恩恵を享受できません。
 
老後資金に不安を抱えている方は、企業型確定拠出年金のマッチング拠出の活用を検討してみてください。
 

出典

労働金庫連合会 マッチング拠出について

企業年金連合会 2020(令和2)年度決算確定拠出年金実態調査結果(概要)

 
執筆者 : FINANCIAL FIELD編集部

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