更新日: 2023.04.24 厚生年金

【遺族厚生年金とは?】共働きの妻が死亡した場合の支給額を解説

【遺族厚生年金とは?】共働きの妻が死亡した場合の支給額を解説
遺族厚生年金は、加入者が死亡した際に受け取り要件を満たしていると受け取ることができます。受給金額は加入期間で異なるため、少し手間のかかる計算を行い、受け取り金額を算出する必要があります。遺族厚生年金は、残された配偶者や子どもだけでなく、父母や祖父母も受給対象にあるため、優先順位が定められています。
 
本記事では、遺族厚生年金の受給要件や受給順位、支給額の計算方法について解説します。
FINANCIAL FIELD編集部

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遺族厚生年金の受給要件

遺族厚生年金は受給要件が定められており、下記の5つのいずれかにあてはまる必要があります。

●厚生年金保険の被保険者である間に死亡したとき
●厚生年金保険の被保険者期間に初診日がある病気やけがが原因で、初診日から5年以内に死亡したとき
●1級や2級の障害厚生年金を受け取っている人が、死亡したとき
●老齢厚生年金の受給権者で、保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が25年以上ある人が死亡したとき
●保険料納付済期間、保険料免除期間および合算対象期間を合算した期間が 25年以上ある人が死亡したとき

上記2つ目の要件である初診日は、死亡の原因となった病気やけがが医師や歯科医師の診療を受けた日を指します。遺族厚生年金の受給要件を満たしていることを確認した上で申請しましょう。
 

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遺族厚生年金の優先順位

遺族厚生年金は遺族基礎年金と異なり、父母や祖父母といった幅広い人が受給できるため、優先順位が定められています。
 
子どもがいる妻や子どもがいる55歳以上の夫、子どもは優先順位が最も高く、次に、子どもがいない妻や55歳以上の夫です。次に、55歳以上の両親が続き、孫、55歳以上の祖父母と優先順位が決められています。遺族厚生年金は幅広い人が受け取ることができるため、優先順位が定められており、自身がどこにあてはまるのか、確認しましょう。
 

遺族厚生年金の受給金額の計算方法

遺族厚生年金は、加入期間や報酬額に基づく計算方法が定められており、亡くなった人の状況によって受給金額が異なります。遺族厚生年金の年金額は、亡くなった人の老齢厚生年金の報酬比例部分の3/4と定められており、計算式は下記の通りです。
 
(A+B)× 3/4
 
式の中に登場するAとBは、2003年3月以前と2003年4月以降の加入期間があてはまるため、亡くなった人の加入歴を確認した上で計算してみましょう。
 

2003年3月以前の加入期間

Aを計算する必要があるのは、2003年3月以前から加入している人であり、Aの計算式は下記の通りです。
 
平均標準報酬月額×7.125/1000×2003年3月以前から加入期間の月数
 
2003年3月以前に加入していない加入者は、Aを省いて計算しましょう。
 

2003年4月以降の加入期間

Bを計算する必要があるのは、2003年4月以降の加入期間がある人であり、加入者はだれでも該当します。Bの計算式は下記の通りです。
 
平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間の月数
 
2003年3月以前と異なるのは、式の2つ目にある7.125/1000が5.481/1000になっている点です。加入期間ごとに計算式が異なるため、計算する際にはじゅうぶん注意して式にあてはめましょう。
 

まとめ

遺族厚生年金は遺族基礎年金と異なり、残された配偶者や子どもだけでなく父母や祖父母、孫など幅広い人に受給資格があります。受給対象者には、優先順位が定められており、亡くなった妻の残された配偶者や子どもが高く、父母や祖父母は低く設定されています。
 
遺族厚生年金の受け取り金額は、報酬受け取り比率と加入時期によって決められています。2003年3月以前と2003年4月以降では計算方法が少し異なるため、加入者の加入期間をじゅうぶんにチェックしましょう。
 

出典

日本年金機構 遺族年金ガイド 令和5年度版
日本年金機構 遺族厚生年金(受給要件・対象者・年金額)
 
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー

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