更新日: 2023.04.27 厚生年金
定年後に「月15万円」稼ぐと年金はどのくらい増える?
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
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「老齢厚生年金」に加入することで年金額を増やせる
老齢基礎年金は、原則として20歳から60歳未満しか加入できないので、要件を満たさない場合は60歳以降に年金額を増やすことはできません。60歳以降に年金額を増やすことができる年金は老齢厚生年金です。
老齢厚生年金には60歳以降も加入することができます。しかし、加入できる年齢は70歳までとなります。70歳を過ぎると、原則として厚生年金保険に加入できないので注意しましょう。
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老齢厚生年金の計算方法
老齢厚生年金では報酬比例部分、経過的加算、加給年金の合計額を受け取ることができます。ここでは60歳以降の収入に関わる報酬比例部分のみを計算して年金額を考えていきます。
報酬比例部分の計算式
報酬比例部分は年金の加入期間によって計算式が異なります。2003年4月以降の加入期間は、「平均標準報酬額×5.481/1000×2003年4月以降の加入期間月数」です。
計算式にある平均標準報酬額は、各月の標準報酬月額と標準賞与額の総額を、2003年4月以降の加入期間で割って算出したものです。例えば、年収120万円の人が10年間厚生年金保険に加入していた場合の平均標準報酬額は10万円となります。
定年後に月15万円働いた場合
定年後に月15万円の収入で10年間仕事して、その間に厚生年金保険に加入していた場合を考えます。この場合の計算式は、「15万円×5.481/1000×120ヶ月」となり、増加する年金額は年間で9万8658円です。月額に換算すると、8222円(小数点以下四捨五入)が増額されます。
少ないと感じるかもしれませんが、増額された年金は一生涯受け取ることが可能です。そのため、長く年金を受け取ることができれば、その差は大きくなります。
前述のように年間で9万8658円増額した場合、70歳から85歳まで年金を受け取ると、147万9870円多く受け取れます。1年間の増額分は少ないかもしれませんが、長期的に見るとメリットは大きいです。
働きながら年金を受け取ることも可能
働きながら年金を受け取ることもできます。
しかし、一定の収入を超えてしまうと、在職老齢年金として年金が支給停止になることもあるので注意が必要です。具体的には、「基本月額と総報酬月額相当額との合計が48万円を超える」と年金が一部、もしくは全部支給停止になります。
基本月額は、老齢厚生年金から加給年金を引いた月額です。そして、総報酬月額相当額は、「(その月の標準報酬月額)+(その月以前1年間の標準賞与額の合計)÷12」で計算します。
多く働いたことで年金が支給停止になると、収入が減少して損をしてしまうことも考えられるので、在職老齢年金を受け取る場合は収入に注意して働きましょう。
60歳以降も働くことで老後の生活を豊かにしましょう
平均寿命や健康寿命がのびているので、60歳以降も働ける人も増えてきました。元気なうちは働きたいと考える人も多いと思います。そのような人は、60歳以降も厚生年金保険に加入することで、年金額を増やすことができるので、老後の生活を豊かにすることが可能です。60歳以降に厚生年金保険に加入できるのかを、勤務先に確認してみましょう。
出典
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
日本年金機構 在職老齢年金の計算方法
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー