更新日: 2023.05.02 その他年金
年金の平均額は「月15万円」! 年収いくらなら受け取れる?
今回は、将来年金を月15万円受け取るためには、現役時代にいくら年収が必要かなどを解説していきます。
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部(ふぁいなんしゃるふぃーるど へんしゅうぶ)
ファイナンシャルプランナー
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ファイナンシャル・プランナー
住宅ローンアドバイザー ,宅地建物取引士, マンション管理士, 防災士
サラリーマン生活24年、その間10回以上の転勤を経験し、全国各所に居住。早期退職後は、新たな知識習得に貪欲に努めるとともに、自らが経験した「サラリーマンの退職、住宅ローン、子育て教育、資産運用」などの実体験をベースとして、個別相談、セミナー講師など精力的に活動。また、マンション管理士として管理組合運営や役員やマンション居住者への支援を実施。妻と長女と犬1匹。
目次
年金の受給額はどのように決まるの?
国民年金から支払われる老齢基礎年金の受給額は、保険料の納付月数で決定される仕組みです。令和5年4月分以降の年金受給額は67歳以下で満額6万6250円、年間で79万5000円です。これは、20歳から60歳までの40年間毎月欠かさず保険料を納めているともらえる金額になります。
一方、老齢厚生年金の受給額は、保険料の納付月数と収入額によって変わってきます。給与所得が上がるほど、もらえる年金の受給額が増加する決まりです(上限は有ります)。
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年金を月15万円もらうための年収はいくら
ここでは、年金を月15万円もらうための年収はいくらなのか、試算をしてみます。
・もらえる年金の計算方法
老齢基礎年金の支給額の計算方法は、年金額に保険料の納付月数を480ヶ月で割ったものを掛けます。なお、令和5年の年金額は、満額で79万5000円です。国民年金の保険料を納められる期間は、20歳から60歳までの480ヶ月です。老齢基礎年金を満額受け取るには、この480ヶ月すべて保険料を納付する必要があります。
一方、老齢厚生年金の計算方法は、平均標準報酬額を利用して求めます。まず、平均標準報酬額に5.481をかけたものを1000で割ります。そして、加入期間の月数を掛け合わせることで算出します。
・年金を月15万円受け取るためには
ここでは、月15万円を受け取るためにはどのくらいの年収が必要なのか説明していきます。なお、今回は、平成15年4月以降に40年間厚生年金に加入している会社員を想定します。さらに、年収にはボーナスを含んでいること、老齢基礎年金を満額受け取っていることを仮定しました。
老齢基礎年金の満額は、月6万6250円です。したがって、年金を月15万円もらうためには厚生年金を月額8万3750円受け取る必要があります。
老齢厚生年金の計算方法より平均標準報酬額を求めると8万3750円×12ヶ月÷480ヶ月×1000÷5.481から約38万2000円となり、これに12ヶ月を掛けた458万4000円が年収となります。つまり老齢厚生年金を月額8万3750円受け取るために必要な年収は、約460万円となります。
もらえる年金を増やすために今からできることは?
試算してみたら自分がもらえる年金が考えていたよりも少なかったため不安に思っている人もいるのではないでしょうか。しかし、対策を行うことでもらえる年金を増やすことが可能です。
・60歳以降も働く
60歳以降も働くことで、もらえる年金が増えるといったメリットがあります。さらに、給与や賞与などの収入も得られたり、健康保険にも加入し続けられたりします。厚生年金保険は受給権が発生する年齢になっても、70歳までであれば加入することが可能です。特に65歳以上の在職者は、在職定時改定や退職改定と呼ばれる制度によって年金額が改定されます。
・個人型確定拠出年金の利用
iDeCoと呼ばれる、公的年金とは別に給付を受けられる私的年金制度を利用するのも1つの方法です。掛金とその運用益との合計額をもとにお金を受け取ることができます。さらに、iDeCoでは掛金が全額所得控除になるため、所得税や住民税を安く抑えられます。
年金を月15万円受け取るためには、平均年収よりも多くの金額を稼ぐ必要がある
日本人の平均年収は、令和3年分民間給与実態統計調査によると443万円です。年金を毎月15万円もらうためには、会社員の場合、約460万円の年収を稼ぐ必要があります。また、定年を迎えた後は、多くの人は現役時代よりも収入が減ることになります。豊かな老後のためにも、こまめに年金支給額のシミュレーションを日頃から行っておきましょう。
出典
厚生労働省 令和3年度厚生年金保険・国民年金事業の概況
日本年金機構 老齢基礎年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 老齢厚生年金の受給要件・支給開始時期・年金額
日本年金機構 は行 報酬比例部分
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部
ファイナンシャルプランナー
監修:高橋庸夫
ファイナンシャル・プランナー